A Day in The Life

主に映画、ゲーム、同人誌の感想などをコンクリートミキサーにかけてブチまけた、ここはいいトシしたおっさんのブログ。

「テリー・ギリアムのドン・キホーテ」見てきました!

2020-02-01 21:10:45 | 映画感想

 今日は映画の日ということで映画が安いので何を見に行こうかといろいろ調べてたんですが、大阪ステーションシティシネマにて「テリー・ギリアムのドン・キホーテ」をやっているということで見に行きました。
 大阪ステーションシティシネマってたまに妙にマニアックな映画やってるよな……。
 さて本作なんですが、以前名前を多少聞いたことがある程度の認識で、聞き覚えがあったので見に行くことにしました。
 なんでも19年間で9回映画化の企画が持ち上がってて9回とも頓挫したとか。呪われてるじゃね-か。
 とか思ってたら公式サイトで本当に「映画史上もっとも呪われた企画」とか言われてて笑う。
 で、感想なんですが……こういう作品がいちばん感想書くのに困るんですよね……。
 はるか昔、未だ世界が混沌の泥であった頃に書いたバロック的なもの紹介でも挙げた「未来世紀ブラジル」もそんな感じでしたね。
 作者の個性が強すぎると「田丸マンガ」や「須田ゲー」といったように既存のジャンルに当てはめられない作品になるものですが、本作もまさに「ああ、いつものテリー・ギリアム作品だ……」と言った感じです。
 現実と非現実が入り交じるストーリー展開はまさにテリー・ギリアム作品、まさにバロック的。
 「未来世紀ブラジル」のような映像的な幻惑感は少なめでしたが、ジョナサン・プライス演じるドン・キホーテの怪演がとにかくすごい。
 原作でもドン・キホーテは自身を遍歴の騎士であると思いこんでいる狂人なわけですが、今作のドン・キホーテも「言葉は通じるけど話が通じない」という狂人っぷりを遺憾なく発揮しています。
 思うに今作は、「ドン・キホーテを題材にした作品を作る」という妄執に追いかけられるギリアム監督自身というメタフィクションに思えました。
 冒頭でお約束の風車を巨人だと思いこんで突撃するドン・キホーテの姿を後半で主人公であるトビー自身が再現するのも、何度も同じことを繰り返し続けるという状況に見えましたし、後半でのウォッカ王ミシュキンの城もなんだか意味深に思えます。
 最終的にドン・キホーテは死に、今度はトビー自身が次のドン・キホーテを演じることになる辺り、「呪いが継承されていく」といった感じでなんだかホラーチック。
 原作であるセルバンテスのドン・キホーテについては、たぶん幼児向けの絵本とかでしか読んだことがないので一度通しで読んでみたいですね。

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