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主に映画、ゲーム、同人誌の感想などをコンクリートミキサーにかけてブチまけた、ここはいいトシしたおっさんのブログ。

TOHOシネマズ梅田「エイリアン・ロムルス」見てきました!

2024-09-08 22:24:58 | 映画感想
 夏コミ後の体調不良や台風で公開された作品が全然見られてなかったので、紅楼夢原稿を進めつつもどんどん見ていかねば。
 というわけで今日見てきたのはこれ!
 
 
 本来「外国人」という意味であった「エイリアン」という言葉の意味を変えてしまうほどの名作「エイリアン」。なんかいろいろ紆余曲折ある作品群ではありますが、このたびめでたくその最新作が登場!
 この夏楽しみにしてた作品はたくさんありますが、本作もそんな作品のひとつ。みんな大好き閉鎖空間でエイリアンに襲われる絶体絶命シチュエーションが帰ってきた!
 わたくし人形使いは幼少の頃見た金曜ロードショーで見た初代と2で夜にトイレに行けなくなったりビショップのアレをコンパスでやって思いっきり手の甲をブッ刺したりしばらく経ってからパワーローダーのカッコよさが分かってきたりといった清く正しい青春を送ってきたわけなので今回も楽しみにしてました。
 なお、今回の感想はネタバレ全開で書いていこうと思いますので未見の方はご注意を、
 
 本作はパンフレットによれば初代(2122年)と2(2159年)の間の2142年頃を舞台とした作品。R-TYPEで言うとLEOと⊿ですね。分かる人には分かれ。
 今回の舞台となるのは地球から遠く離れた星、ジャクソン星。主人公であるレインたちをはじめとする労働者たちは、悪名高き大企業であるみんな大好きウェイランド・ユタニ社による搾取構造の中で苦しみにあえいでいました。
 そんな中、レインとその弟として暮らしているアンドロイド・アンディは、仲間たちから誘われて惑星ジャクソンを脱出するという無謀ない計画に参加します。ジャクソンからもっとも近い地球型惑星へたどり着くのにかかる時間は約9年。そのため彼らは貨物用宇宙船を盗み出し、放棄された宇宙ステーションから冷凍睡眠装置を盗み出すことにします。その宇宙ステーションには、恐るべき怪物が潜んでいることも知らずに……。
 さて本作の感想なんですが、「エイリアン」シリーズにおける死亡フラグ、全部盛り!!
 本編が始まる前から20世紀フォックスのロゴがあんなことになっててのっけから不穏な感じですが、そもそもエイリアンシリーズで不穏な展開になるのは当然だった。
 そして本編開始と同時にスクリーンに映し出されるのが「……ストロモ」の字幕となんか猛烈にイヤな予感がする宇宙船の残骸! はいもうロクなことにならないの確定!!
 そこからはもう要所要所でなんか見覚えのある標本がチラチラ出てきて猛烈にイヤな期待感を高めてくれます。
 廃棄された宇宙ステーション「ロムルス」への侵入にはアンドロイドが必要ということで、レインだけでなくアンディもまた状況に流されるままにロムルスへの侵入計画に参加することになるんですが、そももそエイリアンシリーズにおいて「宇宙船にアンドロイドを乗せる」は超ド級の死亡フラグでありこれやらかして無事に済むワケがないのでもう冒頭部分だけで心のなかの横島忠夫が「もーダメだー!! おしまいだー!!」と嘆いていました。
 そんな観客の嘆きも知らず、レインをはじめとする6人の若者は無防備にもロムルスに足を踏み入れてしまいます。そして彼らは、とうとう「奴ら」の封印を解いてしまう……!
 そこからラストまでの展開はもう怒涛の絶望的展開。なにせ本作の主人公たちは、初代や2とは異なり軍人でもなんでもないただの労働者でろくな武装すらありません。待っているのは終盤までほとんど一方的な殺戮のみ。
 絶望はあっても希望はない! ほんとの恐怖がここにある! うーがおー!!
 といった感じで本作は全編にわたってロムルスでどったんばったん大騒ぎ。個人的にはビッグチャップよりもむしろ最初の大量のフェイスハガーがカサカサ追ってくるところが最高に気持ち悪くて最高でした。特に冷凍室からからくも脱出したときに扉にフェイスハガーがいっせいに扉に張り付くシーンとかほぼイキかけました。あの指状の脚というデザイン、やはりH・R・ギーガーのデザインは素晴らしい。
 エイリアンシリーズのお約束であるフェイスハガーからのチェストバスターですが、本作はその演出がもっとも強烈だったと思います。フェイスハガーに寄生されたメンバーの一人ナヴァロが体に異変を感じてX線照射装置をかざしたところ、その胸には激しく脈動する異形の影が! というあのシーン最悪で最高でした。
 また今回のチェストバスター出現のシーン、今までのように飛び出すんじゃなくてジワジワ出てくるのがまたイヤさを増してて最高でした。
 あと今回のニューボーンに相当する人間とエイリアンの混血である「オフスプリング」誕生のシーンも生理的嫌悪感が増強されててよかったです。
 本作の魅力はなんといっても随所に配されたこれまでのエイリアンシリーズのオマージュだけに留まらないつながりを示す演出でしょう。
 冒頭のノストロモ号の破片から始まり、エイリアンの組織に侵食されたステーション内部、あるときは数で押し寄せまたあるときは音もなく忍び寄ってくるビッグチャップの恐怖、「Get Away From Her YOU BITCH!!」、エイリアンを倒す最終手段が「宇宙に放り出す」などなど。初見の感想を大切にするため、この感想はパンフレットを読み込まずに書いてますが、詳しい人が見ればよりたくさんのオマージュや小ネタが見つかることでしょう。
 その中でも最高に良かったのが、ロムルス内に取り残されていたアンドロイドにして科学主任の名前が「ルーク」というところ。ちょっと考えてから「そういうことか!」と気づきました。
 
 かように本作はこれまでのエイリアンシリーズ、特に初代と2のオマージュが大量に仕込まれているのでそれが魅力なわけですが、逆に言うと本作独自の魅力や要素があんまりなかったようにも思います。前述のようなファンサービスは多いものの、ちょっと露骨なくらい過去シリーズのファンへの目配せにも感じられました。
 Twitterの情報によれば、本作はできる限りCGに頼らずにプロップやセットで閉鎖空間でのエイリアンとの死闘を制作したとのこと。そのおかげで本作は初代を彷彿とさせるあの80年代のSF映画の雰囲気をしっかり再現していました。再現してたんですが、思い返してみるとやってる事自体はほぼ初代と変わらないんですよね……。エイリアンに関する新しい事実が開示されるわけでもなければ、これまでのエイリアンシリーズのお約束破りをやっているわけでもない。
 もちろん本作が100%初代の焼き直しというわけではありません。冒頭で示されたロムルス内の重力発生装置というギミックを利用して重力を切ってビッグチャップの動きを封じて倒すものの、今度は無重力状態で飛び散った酸性の血液が障害になるというシーンは新しいと思いました。
 あ、あと今度は自分たちが自由に身動きが取れなくなる中、血液に突っ込みそうになるのをパルスライフルの反動でかわすシーンはどう見てもアストロロボササだったよねお願いそうだと言え。
 2024年のエイリアンシリーズ最新作としては面白かったものの、新規性という点では弱かったというのが本作の最終的な感想ですかね。
 ところで、「ロムルス」とくれば当然「レムス」なんですが……来るのかな、「エイリアン・レムス」……。
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