毎週木曜は滑り込みの日。しかもここ数日は台風接近のことがあって映画を見に行けてなかったので、見なくてはいけない映画が溜まっていたので久々の3本連続視聴!
まず1本目はこれ!
もう散々見てる気がするこの作品ですが、こういう古典的名作ってレンタルやTV放送では何回も見てても劇場では一度も見てないってことが多いんですよね。本作もスクリーンで見るのはこれが初めて。なのでこの機会を逃すか!ということで見てきました。
あらすじはもう書くまでのないので省略。そういやターミネーターシリーズのつながりってどうなってるんだっけ。
さて感想なんですがラストシーンでターミネーターが親指を立てながら溶鉱炉に沈んでいくシーンは涙無しでは観られませんでした。終わり。とりあえずこれ言っとけばいいだろ。
冗談はさておき、同じくキャメロン監督の「アビス」のCGをさらに発展させたT-1000の変形シーンは今見てもすごいと思いますね。そういや聞くところによると本作のCGって全コマフォトショでチマチマチマチマ修正してたらしいですがほんとなんですかね。
そして本作の、ひいてはシュワルツェネッガーのアイコンとなったサングラス・革ジャン・ショットガンのターミネーター3点セットはやはりかっこいいですね。かっこいいといえばショットガンのスピンコックもかっこいい。本作を見た誰もが真似したはず。しかし未だにスピンコックの仕組みってよくわからないんだよな。
そういえば本作、前述の通りTVで放送されたときは散々見てたんですが劇場で見たのはこれが初めて。ということはつまりCMなし、ノーカットで見たのが今回初めてということになります。
そうしてノーカットで見ると、改めて本作ってすごいなーと思うわけですよ。何がすごいって話の展開が全く停滞しない。T-800とT-1000が転送されてきたと思ったらいきなり最初のバイクとトラックでのカーチェイス、そこからラストの溶鉱炉までノンストップで進んでいきます。しかもその間はアクションアクションまたアクションの釣瓶打ちでしかもストーリーも同時に進行している。ついでに言うならその中でメインキャラクターであるジョン、サラ、そしてT-800の関係性の変化をしっかり描写してるのがまたすごい。要はシンプルに見てて飽きないんですよねこの作品。
そしてあらゆるシーンが名場面。好きな場面を繋いでいくと自動的に本編になるというのは「コマンドー」と同じです。いやー面白かった。
次はこの作品!
広大な砂漠、そしてそこに棲むサンドワームというビジュアルイメージがありとあらゆる作品で踏襲されてきた名作大河SF「デューン」。本作はそのドゥニ・ヴィルヌーヴ監督版です。
本作は続編となるPart2とともにもうすでに見てるんですが、以前塚口で上映されてたときには結局見てなかったので今回見ておくことに。
「映画館で見てはじめて本来の威力を発揮する作品」というのは多々ありますが、本作はその典型と言えるでしょう。どこまでも広がる砂漠とそれを照らす太陽のオレンジ色の陽光は、劇場のスクリーンで見るとその広大さに圧倒されます。特に本作は砂漠をはじめ広大なロケーションが多いのでスクリーンの大きさがそのまま本作の魅力につながっています。
そして各種メカニックがまた良いんだよな。巨大感あふれるメランジ採掘車両に本作におけるメカニックの顔とも言えるオーニソプター(羽ばたき機)が大画面で楽しめるのは劇場の特権と言えるでしょう。
必ず言及しなくてはいけないのがやはり音響。すでに他の劇場で見た作品でも塚口の音響で見ると変わって感じられるのがすごいところ。いちばん楽しみにしてたのはもちろんみんな大好きサンドワーム登場のシーン。いやーもう期待通りのビリビリ振動が楽しめました。そういや本作は「振動」がかなり重要な要素になっているので音響の良い劇場で見るといいですね。続編のPart2ももちろん見る予定。
1時間ほど時間が開くので腹ごしらえしてから3本目!
本作は見るかどうか迷ってたんですが、まあ見てよかったですよこれは。
わたくし人形使いはかの「バーフバリ」から入って数々のインド映画を見てきましたが、本作はそんなインド映画の中でも初となるホラー作品。
裕福ではないながらも幼馴染のアヌと同棲中のピザ配達員・マイケル。ある夜配達に向かった屋敷で、マイケルはそこにいたはずの女性が突然消えるという怪現象に遭遇! 屋敷から出られなくなったマイケルを次々と襲う怪現象、彼は命からがら屋敷から逃げ出します。その出来事の少し前、これまたマイケルの務めるピザ店のオーナーの娘が悪霊に取り憑かれるという怪現象が発生していました。このふたつの現象はどういうことなのか、マイケルが訪れた屋敷ではいったいなにが起こっていたのか……。
いやーーーー……なんというか、なんじゃいそのオチは完ッッッ全に騙されたわ!! はい拍手!!!
わたくし人形使いは例によって例の如く本作もまたポスター以外の前情報は完全にシャットアウトして見に行ったんですが、本作はその選択がパーフェクト正解であったと確信しました。
結論から言いますと前半部分、マイケルが屋敷から逃げ出すまでのホラー展開はぜーーーーんぶ作り話でした!! なんじゃそりゃ!! 前半部分までは完全に怪奇現象連発の非常に出来の良いホラーだったので完全に騙された……。
どういうことかと言うと、真相は以下の通り。マイケルが務めるピザ屋のオーナーは実は違法な宝石の取引をしており、警察のガサ入れの知らせを受けたオーナーはマイケルの配達の荷物にその宝石を紛れ込ませていました。しかしマイケルはふとしたことからそのことに気づき、その宝石を横取りするためにアヌの発案で架空の怪奇事件をでっち上げたのです。
マイケルは宝石を配達のピザごと実際に殺人事件が起こって封鎖されていた屋敷に隠したうえでオーナーに怪奇現象に遭遇したかのように連絡を入れていました。そして同時にアヌは先に行方をくらませていたというわけ。オーナーや同僚たちはアヌとは面識がなかったため、マイケルが語るアヌという女性の存在は錯乱したマイケルの作り出した妄想だと思いこんでしまったんですね。
いやー完全に騙されました。こっちは前半部分では錯乱したマイケルとその実在すら危ぶまれたアヌのことを本気で心配してハラハラしてたってのにこの野郎!!
結局本作で事実だったのは、「屋敷で浮気が発覚した夫が妻に射殺され、夫はその子供も射殺したうえで自殺した」「その付近で警官2名が行方不明になっていた」「オーナーの娘がなにものかに憑依されている」の3つのみ。小説家志望だったアヌはこの3つの事実を組み合わせて架空の怪奇事件をでっちあげ、マイケルはそれを実演してみせたというわけでした。
映画というものに期待するものは感動や笑いなど人それぞれでしょうが、わたくし人形使いが映画に期待するもののひとつが「騙されること」です。予想外のストーリー展開、まさかの伏線、キャラクターの意外な正体などなど、さまざまな手法で「まさかそんな!?」と観客を騙して欲しい。
本作はそんな期待をこの上なく満たしてくれた作品でした。繰り返しますが完璧に騙されました。前半のホラー部分は「突然消える人物」「不審な物音」「動く置物」「なぜか開かない扉と窓」「突然の死体」といったホラーあるあるをひとつひとつ丁寧に出しつつ、最後に「屋敷で死んだ人数は3人だけど、駆けつけた警官によれば死者の数は4人」「その4人目は若い女性でキリスト系大学の心理学部に通っているというアヌとの共通点がある」「ピザ屋のオーナーと同僚はアヌと面識がなく、マイケルと同棲していたアヌの部屋を訪れた際にはすでにアヌは荷物を片付けていたので彼女の痕跡を見つけられなかった」といった情報を出すことでアヌは実在していない!?と観客に思わせてからの後半ネタバレパートでまさかの展開という。この前半と後半でまったく異なる展開を見せるという構造は、ある意味で「カメラを止めるな!」と同系統と言えるかもしれません。
……と見せておいて本作にはさらなる衝撃のラストが! ホラーものと見せかけておいて全部作り話でしたーと見せかけておいて……どんなラストが待っているかは君の目でたしかみてみろ!!
あのオチすっごく好き。