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主に映画、ゲーム、同人誌の感想などをコンクリートミキサーにかけてブチまけた、ここはいいトシしたおっさんのブログ。

塚口サンサン劇場「犬王」千秋楽見届けてきました!

2022-08-11 23:37:24 | 映画感想
 いよいよコミケが近づいてきましたが、なんだか台風が直撃するとか言ってますが、今回のコミケはチケットがないと入場できないので早急にUターンしていただきたい。
 そんな状況で心を奮い立たせるために行ってきましたサンサン劇場。
 今回見てきたのはこれ。
 
 
 こないだマサラ上映でアホほど騒ぎ倒したばっかりですが、今日が千秋楽ということでふたたび見てきました。
 最終日ということで、席の方は当日を待たずして満席になったようす。
 この作品も、バーフバリや羅小黒戦記と同じく塚口の定番上映作品になりそう。
 さて今回は、前回のマサラ上映とはまた違った味わい方で本作を味わうことができました。同じ作品をさまざまな形で味わうことができるのも、サンサン劇場の素晴らしいところです。映画という料理をさまざまなシチュエーションで味あわせてくれるので、観客もまた様々な角度から作品をじっくりたっぷりねぶりあげるよーに隅々まで味わい尽くすことができるわけです。
 2回目となる今回の犬王ですが、いやーやっぱり時代を600年ほど先取りしてるライブシーンは見てて笑いが先に来てしまいます。
 室町時代にあってスタンディングにブレイクダンスにコール&レスポンスにハンドクラップと、ほとんどなろう小説みたいなチート具合。
 あと、明らかにその場にないドラムセットの音が混じってるのも笑いどころ。やたらディストーションの効いた琵琶にどう考えてもアンプ使ってるとしか思えない音響。
 音響と言えば、最初のANIPLEXの時点でいきなり顔面パンチを喰らいまして、塚口を感じる夏。
 ライブシーンについては、「竜中将」の中盤がどう見てもQueenです本当にありがとうございました。
 改めて見るとほんとにあからさまにQueenなのだ!
 あと足利義満の正室であらせられる業子様が完全にいちファンと化しててたいへん微笑ましい。
 こないだのマサラで「座ってはおれません!」で「ガタッ!」とスタンディングした瞬間は最高にアガりました。
 しかし、狂騒のうちに終わった前回のマサラ上映とは異なり、今回は千秋楽ということもあってか、物語が終わりに近づいていくにしたがってだんだんと寂しさのほうが大きくなるのを感じました。
 クライマックスであり最後のライブシーンである「竜中将/犬王」はまさに集大成で壮麗かつド派手なシーンなんですが、それもまた最後の輝きといったふうに見えました。
 本作の上映時間は97分と、決して長いものではありません。加えて、今回は2回めの鑑賞ということもあってか、えらく早く終わってしまった感がありました。
 この「えらく早く終わってしまった感」、まさに電撃的であまりにも斬新な芸で一世を風靡し、時代を駆け抜け、そしてあっさり世から消えてしまった友魚と犬王の物語の儚さそのものだったと思います。
 そもそも「映画館で映画を見る」という行為は、自宅で映画を見ることとは決定的に異なる点があります。それは、「一時停止や中断ができない」という点。
 友魚と犬王の物語もまた、観客である、観客であることしかできない我々には一時停止や中断することができません。一度館内が暗転したが最後、彼らの物語は「犬王の名のみが残り、彼らの歌は一曲たりとも後の世に残されなかった」という定められた結末に向かって一直線に進み、そして否応なく終わるしかないのです。観客である我々には、文字通り見ていることしかできない。
 しかし、否応なく駆け抜けた97分間の物語の最後、現代の世において再会した友魚と犬王が、初めて出会った頃と同じ姿で歌い踊る姿に、静かな安堵を覚えました。
 ……しかし、これで終わらないのが塚口。
 拍手とともに物語が幕を閉じ、館内に明かりが戻って外へ出た我々を待っていたのはなぜか暗闇。
 そしてそこにあったのは……
 
 
 ほらあああああ塚口はすーぐこういうことするううううう!!!!
 これを「粋」と言わずしてなんと言う。
 こういう仕掛けを仕込んでくるあたり、戸村支配人の「お前ら塚口からタダで帰れると思うなよ?」というメッセージをビンビンに感じます。ステキ!!!
 
 
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