A Day in The Life

主に映画、ゲーム、同人誌の感想などをコンクリートミキサーにかけてブチまけた、ここはいいトシしたおっさんのブログ。

塚口サンサン劇場「K.G.F. Chapter1&2」連続マサラ上映入坑してきました!後半戦

2024-07-14 23:25:31 | 映画感想
 興奮冷めやらぬ中で終わった「K.G.F. Chapter1」。
 しかし、俺たちの戦いはこれからだ!
 というわけで45分間の休憩時間でカレーを補充して後半戦に進みます。
 今回も、インド映画のマサラ上映の際にはおなじみの「タージマハル・エベレスト塚口店」さんの出張販売によってカレーセットをはじめとするメニューが販売されていました。
 今回食べたのはこれ!
 
 
 今回は、新しいメニューとしてK.G.Fでその知名度を爆発的に上げたであろう「パパド」が追加されていましたので食べてみることに。
 パパド(パーパド、パパドゥとも)は、wikiによればレンズマメ、ヒヨコマメ、ケツルアズキまたは米粉を原料としたインド、南アジアで食される極薄クラッカーのような食べ物。生地を薄く丸い形に伸ばして、揚げる、直火やトースターで焼く、電子レンジで温めるといった食べ方をします。
 今回食べたパパドはカリカリに揚げたもので、スパイスと塩での味付けが効いてて美味しかったです。わたくし人形使いは今回初めて食べましたがなかなか好みの食べ物でした。他の食材を包んで食べたりもするようなので、そういう食べ方もしてみたい。
 サンサン劇場がきっかけでインド映画にハマり始めたわけですが、映画だけでなくこうしたインド料理も食べる機会を提供してくれるのが塚口の面白いところ。そういえばサモサもナンカレーも塚口で食べたのが初めてだったんですよね。異文化に出会える映画館、サンサン劇場。うめうめ。
 そしてこのパパド、後半戦で大活躍することになるんですがそこは後述。
 また今回、カレー待機列とカレー食べてるときにお土産をいただきました。いつ何時でも塚口のホスピタリティはどこから狙ってくるか分かったもんじゃありません。問答無用のホスピタリティ、素晴らしい。
 短い休憩の後、人が出ていったシアター4内に再び熱気が戻ってきます。そしてやはりというか案の定というか時間が押してるとのアナウンスがありました。まあ6時間もあるからなあ……。
 場内でカレー食べてる人もいましたが、急がないとカレーのトッピングに紙吹雪が混ざってしまいます。まあこのテンションならそのまま食べてもなんも気にならない気もしますが……。
 そんな感じで館内はだんだんエネルギーに満ちてきました。刃牙で言うところの背景が歪んでるアレです。というわけで後半戦、「K.G.F. Chapter2」開始(はじめ)ッッッ!!
 
ドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコ(太鼓)
「ROCKING STAR YASH」
「うおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
 
 Chapter2、いきなりこれで始まりますからね。そして上がったテンションがここから降りてきませんからね。どうなってるの?
 いやーしかし、これもインド映画の感想では毎回書いてる気がしますが、タイトルと同等かそれ以上のインパクトで俳優の名前がどどーんとスクリーンに出てくるのを見るにつけ、インドという国における映画俳優という立場の大きさ、ひいては映画というジャンルの立ち位置というものを見せつけられる思いです。「国民的スター」という言葉の意味するところが日本とインドではまったく違うんだなあ。
 Chapter2で見事K.G.Fを手中に収めたロッキーは、隠されていた8つの鉱山の採掘に着手。莫大な富と権力を手にします。その一方で、苛烈な性格で辣腕を振るうインド首相ラミカ・センはK.G.Fの存在を知り、違法採掘を止めるべく動き出します。
 ここからの物語の盛り上がりはまさにジェットコースター的ですごい勢い。
 すごい勢いといえば、みんな大好きワナラム閣下への声援がまあすごいのなんの。閣下が出るたびにロッキーと同等の声援が客席からぶち上がってました。特に今回はお隣の方が明らかにワナラム閣下推しで、もはや物理的圧力すら伴ったその愛の前ににわたくし潰れまんじゅう。
 応援上映やマサラ上映で楽しいのはもちろん自分の好きを叫ぶことですが、同時に他の人の好きを味わうのも好きなんですよね。
 Chapter1がロッキーに焦点を当ててその半生と彼がいかにしてK.G.Fを支配してきたかを描いたパートとするなら、Chapter2は絶大な富と権力を手にしたロッキーに対して周囲の人物がどうするかという点に焦点を当てた展開になっていると言えるでしょう。いわばロッキー以外の人物にカメラを当てることでロッキーを描写しているわけです。だからこそChapter2ではロッキー以外のキャラクターが輝くわけですよ。
 敵方のキャラとしてはバイキングかぶれのアディーラもえらい人気でしたね。例の剣がスクリーンに映っただけで大喝采。これ「PATHAAN」でタイガーのスカーフが出た時点で場内のテンションが最高潮になったのと同じ現象ですね。
 まあ本作では場内のテンションが最高潮になる瞬間が山ほどあるんですが。
 そのひとつがみんな大好きブローニングM2重機関銃ことビッグ・ママのシーン。みんなここともう1か所のシーンために今回大量の火薬を場内に運び込んだことでしょう。前回のマサラ上映でもそうでしたがここのクラッカーすごすぎ。機動隊呼ばれても申し開きは不可能レベルの爆発音で気分は蜂の巣にされる警察署ですよ。そしてこの銃撃シーンが長い長い。でもクラッカーが全然途切れないのがさすがと言うしかありません。
 そしてここのみんな大好きロッキーのダークヒーローしぐさ、「銃撃で赤熱した銃身にタバコを押し付けて火を着ける」でビッグ・ママに負けないくらいの大歓声が。もうすでにChapter1で3時間映画見た後のテンションと盛り上がりではない。このエネルギーをもってすれば地球上のエネルギー問題は全部解決ですよ。
 しかもこれだけやっててもまだ盛り上がりどころがあるという。ビッグ・ママと同等かそれ以上に盛り上がる銃撃シーン、みんなだいすき「カラシニコーーーーーーーフ!!!」
 ここ、聞こえる爆音がスクリーンの中の銃声なのかクラッカーの音なのかまったくわからなくなってて笑ってしまいました。これだけ撃ってもらえたらカラシニコフことAK-47自動小銃開発者のミハイル・カラシニコフ氏もニッコリですよ。
 このように通常の映画なら50回はクライマックスを迎えているレベルの盛り上がりなんですが、今回のChapter2でいちばん盛り上がったところというかみんなの心がひとつになったシーンが実は別にありまして。
 それはどこかと言うとさっき休憩のときに食べたアレのシーンですよ。
 リナのもとにロッキーがヘリで駆けつけるシーン、ヘリの風圧に煽られてなんか白くて丸い薄い生地みたいなものが舞っています。前回のマサラ上映のあとのtwitter(頑なにXとは呼ばない)で知ったんですがあれこそがパパドなんですよね。
 前回のマサラ上映ではこのパパドについてはそこまで知られてなかったようで、わたくし人形使いも前回のマサラ上映のあとであの白くて丸いものの正体を知りました。
 そして知ったからにはやらずにはいられないのが塚口ファン。今回の該当シーンで大量のパパドが場内を舞う!
 いやーもうみんな「これがやりたかった!」って顔に書いてますよ。あまりの見事さに、わたくし思わず拍手してしまいました。
 応援上映やマサラ上映に長く通っていると、いろんな作品での「お約束」が自然発生的に生まれてきます。そのため、同じ作品の応援上映・マサラ上映に継続して参加していると作品の展開だけでなく客席から次はなにが起こるかという予兆を感じ取れるようになるんですね。そうなると「次はアレが来るぞ……!」というワクワク感という楽しみが追加されるのでおすすめ。
 というか今回のパパドのシーン、直前でそこらじゅうから「ゴソゴソ……」ってパパドを取り出す気配がしてたのが最高に面白かった。みんな同じこと考えてたんだなあ。
 塚口ファンの心はひとつ。パパドを撒きたい。パパドを撒きたい。
 間違いなくここが今回のマサラ上映における最大のハイライトだったと言えるでしょう。
 Chapter2も後半に入るとストーリーは急展開を迎えます。K.G.Fにおける大バトルが勃発し、そして――。
 これは以前の「サイラー・ナラシムハー・レッディ」の感想でも書いたことですが、同じ作品を複数回視聴するという行為には、物語の展開を知ったうえでしか得られない、2回目以降でしか味わえない体感や発見があります。
 しかるに今回のK.G.F、特に後半戦となるChapter2は、物語が進んでいくに従ってロッキーが「あの結末」にどうしようもなく少しずつ近づいていくのがなんとも悲しい。リナと結ばれたロッキー、あの二人が幸福であればあるほどその後に待つ悲劇を知っている我々は悲しくなる。でもどうしようもないんですよね。
 これまた塚口の感想でたびたび書いていることですが、塚口の応援上映やマサラ上映はスクリーンという「窓」を通して、我々を本来なら触れることができないスクリーンの向こうに連れて行ってくれます。
 しかし、我々にはスクリーンの向こうで彼ら彼女らがたどる運命を変えることは決してできない。どれだけ応援してもリナがああなることも、ロッキーがああなることも変えられない。
 マサラ上映の大騒ぎに身を委ねる中で、そんな思考が頭の隅にあるのを感じました。
 どこまで自分の運命を悟っていたのか、どこから自分の運命を決めていたのか。
 客席にいる我々のほとんどは、そんなロッキーの運命を知っています。今回が初見の人も、なんとなく彼がこれから辿る運命を察していたんじゃないでしょうか。
 ストーリーは「あの結末」に向かって進んでいきます。そしてその時が来たその瞬間の紙吹雪の美しさよ……。
 またまたこれまた毎回書いてることですが、塚口のマサラ上映はクラッカー撃ちまくり歓声上げまくりの「動」の部分だけでなく「静」の部分もまた大きな魅力。誰が言うでもなく、沈黙のまま紙吹雪を撒くだけ。
 この沈黙の中に紙吹雪が降り積もる音だけが響く光景、一度見たら忘れられません。twitterでもこの「静」の部分に感動している人が数多く見受けられるのも頷けます。本当に本当に美しいんだこの光景……。
 そしてラストカット、全員で叫ぶ! 「MONSTER!!!」
 
 ……というわけで2本合計して6時間+αの「K.G.F. Chapter1&2」連続マサラ上映、これにて終幕。
 いやー楽しかった! いつも通り上映前からお土産交換やコスプレなどで大盛り上がりしてから、上映中はそれ以上の盛り上がりを見せるのが塚口のすごいところ。加えて今回は2本連続の長丁場であったにも関わらずその盛り上がりが一切落ち込むことがなかったのがすごいですね。なんなら今この時点でもtwitterにはその熱気が残っているという。
 そしてやはり今回はパパドが忘れられない。あの場内の上半分の空間を埋め尽くしてパパドが舞う光景、世界広しといえどもサンサン劇場でしか見られないものでした。どんな光景だったかは毎度おなじみ関西キネマ倶楽部さんが素晴らしい写真を撮影してくれていると思うのでぜひとも。
 しかしこれで終わった気になってるわけにはいきません。なぜならすでに次の「帰ってきたあぶない刑事」マサラ上映が控えているから。なんか6月末から毎週マサラ上映してないかこの映画館。
 付き合ってると息つく暇もない映画館、それがサンサン劇場。というわけで次のマサラ上映でお会いしましょう。
 
コメント
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