はい、というわけで「12K解像度で総容量1.5TBなので現行の再生機器では再生できない」という完全に頭がおかしい理由で劇場でしか見られない「花の詩女 ゴティックメード」、記念すべき10周年ということで、11/1~11/10まで期間限定リバイバル上映してるということで見てきました。
いやー30年続いてきた漫画がいきなり設定全部ひっくり返ったときにはこっちもひっくり返りました。こんな暴挙が許されるのは全宇宙で永野先生だけ。
「映像化不可能」という謳い文句は数々の作品で使われてきましたが、本作はそのハードルを「全部原作者がやる」という力技でクリアした奇跡の作品です。スタッフロールに燦然と輝く「原作・監督・脚本・絵コンテ・レイアウト・原画 - 永野護」の文字列を見よ!
漫画からのアニメ化作品はたくさんありますが、本作は上記の理由によって「原作の絵がそのまま動く」という簡単なようでいて実はクリアしている作品が非常に少ないハードルをクリアしています。
キャラの容姿は当たり前のこと、原作の絵の質感やタッチ、いわば印象をそのまま反映した絵がスクリーンで動いているわけです。だって原作者が描いてるから。まあ原作者以外こんな装飾の多い複雑なキャラデザ誰が描けるんじゃいという気もしますが。
そして原作と同じなのは絵だけではありません。ああ~ハーモイドエンジンの音ぉ~~~!!!!
本作におけるロボット兵器「ゴティックメード」は、その異形とも言えるデザインのほか、非常に特徴的な駆動音が魅力となっています。
スタッフロールに「GTM起動音協力:IHIジェットサービス」とある通り、本作において「音」という要素は非常に重視されており、主役メカたる「氷の女王・ディー・カイゼリン」の「女性の泣き叫ぶ声」と表現される起動音はまさに「原作で聞いた音」!
もはやこの映画の本番はボルドックスとカイゼリンの駆動音にあると言っても過言でも華厳でもないでしょう。
かつての劇場版ファイブスター物語でもそうだったように、本作においてもロボットバトルはクライマックスのみ、かつ非常に短い時間です。
しかし、だからこそゴティックメードというロボット兵器の怪物的な性能が分かるというものですし、なにより「ロボットをキャラクター(擬人化)としてではなく、徹底して兵器として描写している」という点が好きです。だからこそ勝負は一瞬で着くしあっけなく終わるという。
そして本作の本番とも言えるCパートで毎回ああああああ~クリスティンが! 町が! エストが動いてるううううう!!!とのたうち回ってしまいます。このクオリティで魔導大戦とかやってくれないかなあ……。全地球の石油王が力を合わせて実現してほしいですが、その場合最大の障害となるのは予算ではなく永野先生のこだわりになることはコーラを飲んだらゲップが出るくらい明白ですし発表から感性まで20年はかかると思うので、もはや人類の平均寿命を200年に延長しなくてはいけません。
あとですね、叶わぬ願いだとわかってはいますが塚口でやってくれないかなあゴティックメード。本作の「音」の要素を塚口のあの音響で味わえたら、もはや人間をやめてしまいそうです。
もし、万が一塚口でのゴティックメード上映が叶うならわたくしよろこんでメフィラスに地球を売ります。
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