A Day in The Life

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TOHOシネマズ梅田「オールド」見てきました!

2021-08-27 21:30:56 | 映画感想

 時短営業&座席数半減&上映本数減少で映画を見に行くのも一苦労なので、見に行けるときに見に行きます。
 というわけで、今日見てきたのは以前に予告を見かけて気になってた作品「オールド」。
 観光でとあるビーチを訪れた家族。しかしそのビーチには、老化が急激に進行する謎の力があったというのがあらすじ。脱出不能の閉所となったビーチで進行するシチュエーションホラー作品ですね。
 例によって老化が急激に進行する理由についてはさほど深堀りされず、また謎解き要素は実質ひとつのみ。
 そのため本作は、謎解きやホラーはあくまでガワに過ぎず、その本質は「1日に圧縮されたほぼ一生分の人間ドラマ」なんじゃないでしょうか。
 本作でビーチに閉じ込められた人々に訪れる出来事は、急速に老化が進行することを除けばどれもいずれ彼らの身に起こるはずだったこと、そして誰もが経験することです。
 いつの間にか成長している子供、老いによって失われていく若さ、病の進行、出産、そして不意の死。
 登場人物たちはそれぞれ抱えているものはありますが、少なくとも見かけはある程度の降伏や社会的地位を持っています。
 しかしそれらは、トレントとマドックスの姉弟が終盤で作る砂の城のようなもので、打ち寄せる時間の波の前にあえなく消えていくもの。
 本作の舞台が「ビーチ」であるのにはそういう意味もあるように感じました。
 ですが、そうやって時間の流れの中でさまざまなものが風化していくことは、一概に悪いこととも言えないという側面も本作は描いています。
 表向きこそ仲の良い家族に見えるカッパ一家も実は離婚の危機に瀕しており、子どもたちもそれを知っていました。
 しかし、カッパ夫婦のあいだにあったわだかまりは、老いることで風化していきます。そして最終的に二人は脱出できずに死んでしまうものの、かつての愛情を取り戻した……という構成はうまいと思いました。
 また、本作の黒幕が急速に老化が進むビーチを薬品の治験に利用し、1日で数十年分の経過観察を行っていたというのもなかなか斬新。こういう作品は黒幕が明確に明かされずに終わることも珍しくないですからね。
 そして最終的なオチも、黒幕のやってること全部バレちゃったエンドだったのがけっこう新鮮でした。
 細かいツッコミどころはあるものの、なかなかおもしろい作品だったと思います。

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