軍事パレード

　巨大な軍事パレードを見ながら童心に戻った。1950年代の韓国では最大の見物は軍事パレードであった。私はソウル光化門の街路樹のプラタナスに上ってみた。中高時代には学生たちがパレードをすることが多かった。校内で軍事教練が頻繁に行われた。後に私が陸軍士官学校の教官になってからは毎週の行事であり壇上に他に教官とともに座って見れた。一回は朴正熙大統領とも同席した。その時代の祭りに代わるようなものであって、私は回想として書いたことがある（諏訪春雄編、雄山閣）。以後国際的なスポーツなどが代行するようになり、CM画像のような武器や飛行ショーなどで世界に発信されるようになった。軍事独裁国家の象徴的な軍事パレードやマスゲームはほぼなくなりつつあり、少なくなったが、昨日中国・北京での大型の軍事パレードのリバイバルのパレードが行われた。
　世界最大の人口を持っている大国の戦闘力を持っていることを誇示した。「抗日戦争勝利７０年」の大国の「中国は怖い」（？）記念式典が行われた。パレードはナチスヒトラー時代を連想させた。このような大国が「抗日勝利」という標語で宣言せざるを得なかったということは中国の苦肉の策だったのであろう。ほんとうに見せたいものは何だろう。「抗日勝利」というのは嘘、矛盾であることを明らかにしたことにもなった。滑稽な風景が多いが、その一つに韓国の朴大統領が演壇を飾っていることである。周辺国家たちの勢力争いの外交の中の韓国の立場が非常に困っていると見える。中国や北朝鮮、ロシアは自由民主国家ではない隣国であり、韓国が中国に呑み込まれ第二の香港になるのではないかと心配である。