崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

「公衆トイレか」

2009年12月28日 06時18分50秒 | エッセイ
 大学ゲストハウスに泊っている。10人弱が朝食をとるために大学周辺の食堂が並んでいるところを歩いた。しかし日曜日の朝はほぼ開かず散歩がてら歩いてキリスト教の教会をみた。教会は少ない。教会の前の道路を挟んで向かい側に赤色の小さい建物があって、私は「公衆トイレか」と同行の東洋大学の植野弘子氏に話をかけた。韓国では観光地などでは立派な伝統的様式でトイレを立てているからそのように思っただけである。
 一行は不思議に思い近づいてみた。住民が祀る祠である。大変な失言をしてしままった。皆が爆笑した。植野氏から「神様に謝れ、祟るぞ」という冗談が飛んだ。私は昔、数回来たことがあるのに台湾での経験が如何に粗末であったかを反省した。ライスバーガーは美味しかった。
 第2日目の研究会は10時から始め、昼時間は上水流、上田、魯、山田、中村、崔などが集まって、来年6月私の古希記念の日程などを打ち合わせた。午後の総合討論では言葉、オーラルヒストリーなどが議論された。証言の資料価値の問題ではあるがいかに問題点があるにしてもわれわれは言葉で生活する。発表会議もそれによって成り立っていることを言い忘れたことが心に残った。私は発言が多ったと思うが自分ではまだ不十分だと思っている。言うまでもなく他の参加者たちはもっと発言できず残念だと思っているのではないかと推測する。
 懇親会などでは大成果を出したなど、和気藹々研究者同士の交流がよくできたという声が多かった。この研究会には韓国から魯成煥、李良姫が初登場し、発表した。
 東京外大の三尾氏を代表とする台湾植民地研究会、淡江大学の日本語学科の教員と学生、富田氏、そして私が代表とする朝鮮植民地研究会のみなさん、台湾側の参加者の黄氏など多くの参加者に感謝したい。