崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

私は悪い旅客か

2009年09月04日 00時50分37秒 | エッセイ
 数年前カムチャッカで少数民族のシャーマニズムの調査に行った時の話である。そこで私は女性の英語ができるガイドによって「悪い客」になっていたことを後で知った。それを考えると一般的な旅行者であれば決まったコースを案内してチップをたくさんもらえる客が良い客なのに私は一人旅で日中休みなく案内しなければならない。田舎へ行くことがあり、ハイヒールを履いている彼女にとっては無理なことだったかも知れない。彼女はとんどん現れる時間が遅くなったので私は早く来てくださいと言ったこともあった。彼女の紹介で次の旅先の旅行社の人に会った。私のことをカムチャッカから「悪い客が行く」と伝言が入ったといわれて私はただ笑うしかなかった。
 今ここケープタウンでもよい客ではなかったはずである、もともとは他の旅行社に頼むつもりであったが連絡しても返事がなかった。やはりここでも私は悪い客にされたようである。ここでは団体のゴルフ客が良い客だという。私のガイドの張氏は私の希望の通り、難民村や書店、百貨店など、私の調査項目に合わせて案内してくれた。張氏は調査旅行であることを理解した上で最善を尽くしてくれた。1週間ほど彼は私の情熱と研究に関心を持って見て、多く勉強になったと逆に私に感謝を述べた。今度は私が決して「悪い客」ではなかったと自負する。