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崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

戦争と性

2019年07月02日 04時49分43秒 | 研究業績

 7月になった。暑さが本格的になる。しかしオーストラリアのシドニー居住の友人は雪山へ登った写真を投稿をしており、いろいろである。昨夜のニュースでは、韓国の貿易関係者が憂いを持っている話が出た。日本が韓国への輸出規制、電子商品に必要な日本の部品を制裁するという。「最悪」が加勢される。最悪を招く隣国同士の政治家のことを、先日本欄で「悪政」と書いたが抵抗感を持った人がいたが、本当に悪政によって日韓関係が最悪になった。大きい憂いをもつ。
 私はそれとは関係せず研究者と対話をする。以下のようなお知らせが来た。関心ある方たちと会って、話し合いたい。

福岡日韓フォ-ラム
第155回研究例会のお知らせ
福岡日韓フォーラム会員及び関係者 各位
いつもお世話になっております。
7月の例会を下記の通り開催いたしますので、多数ご参集くださいますようご案内申し上げます。
       記

日時:2019年7月20日(土) 午後2時30分~
場所:西南学院大 学術研究所 第四会議室

講師:崔吉城氏(東亜大学教授、広島大学名誉教授)
演題:「戦争と性:慰安所帳場人の日記を中心に」

福岡日韓フォーラム事務局
大川大輔 拝


「敵産」(日本の)

2019年06月26日 05時26分25秒 | 研究業績

 今日は日韓親善協会の定期総会に招待され参加する。「親善」とは何か。元徴用工らへの判決から日韓問題はより悪くなっている。昨夜プライムニュースでは65年の日韓協約の「確認」という単語の解釈から表現足らずの一部をもって法律的に判決したことであり、協約の趣旨、本意に沿ったものではない。司法を尊重するという韓国政府の問題であることが明らかになった。
 番組では議論されず大きい問題が視聴者によって提議された。以前本欄で私も提議したことがある。当時朝鮮半島に日本人が持っていた財産権も請求できるのかということ。これについて弁護士の高氏は可能であろうと言った。ただしアメリカの「敵産」(日本の)を韓国に置いたものであるので請求するのは煩雑であろうと。しかしその可能性がある。歴史認識を超えて植民地を復元させる論理になる。このようなことは日韓で止めるべきである。終戦、未来への道へ向かう法の基本精神を無視してはいけない。


 


「不浄の意味」

2019年06月25日 05時46分13秒 | 研究業績

 家内は病院で看護の仕事をしている。仕事の内容は現場を見ていないのでよくわからない。命を大事に扱うナイチンゲール精神云々と言われるが、多くは弱っている人のケアであり、家では私の介護と犬の看護をしているのを見て教えられることが多い。家内は犬に排泄させる。温かいお湯で体をふき、傷を消毒して上げる。私は聴診器でミミの心臓の音を聞き、撫でてあげる。排泄物も「汚い」という感が薄れている。
 不浄と浄の区別がつき難くなっていく。空気汚染が酷いのにそれを感じない人も多い。なぜであろうか。社会ではさまざまな浄化施設をもっている。そのような社会運動も多い。そこに努めている人が多いことに感謝すべきである。愛、命には浄と不浄が共存している。不浄を共有することも愛の本質であることを知らなければならない。*参考:崔吉城「不浄の意味」日本語、韓国語、英語、フランス語の論文あり


旧稿を探している

2019年06月11日 05時56分00秒 | 研究業績

 私が下関に住み始めた10余年前に付き合った人が転勤地沖縄から戻ってきて、昨日会った。彼は私が忘れた私の付き合った多く人の名前を記憶していた。どうしてそんなに覚えているのか。彼も日記か日誌を書くのだろう。昨夜ある教授から私の旧稿を探しているという電話があった。それを探しても見当たらない。昔のノートや日記を探した。それとは違うノートを見つけた。1993年イギリス・ロンドン市内でイギリス人牧師の家に1か月ホームステイしながら教区parishの活動を調査したノートが見つかった。発表していない生の資料である。新しい発見とも思い、嬉しかった。
 アントンチェホフが着地とされる海中の3人兄弟岩を背景にしたニコライ氏と撮った写真を懐かしくみた。サハリン・アレキサンドロスク市でロシア人家庭にホームステイしたことを思い出した。ノートと日記、写真を合わせてやーと2002年8月28日レーニン街10-7のニコライ氏宅であることが分かった。また行って見たい。今、チェホフの本を夢中に読んでいる。


「ひきこもり」

2019年06月05日 05時31分40秒 | 研究業績
 私は時には古典的な詩人などの名士の言葉として「杜門不出」と書いたことがある。今日本では「ひきこもり」が話題になっている。それは病的現象である。私は日本に留学、住居して以来常にそれは日本的な社会現象、日本文化的な病だと感じている。「仕事や学校に行かず、かつ家族以外の人との交流はほとんどせずに、6か月以上続けて自宅にひきこもっている状態」という。
 天災等パニック状態でも秩序を守る優秀な日本社会・日本文化、「迷惑かけない」イジメ、律法主義、「ハラスメント」妄言などへの社会的バッシングが酷い。「恥の文化」の最後の「砦」が「家」、そこにコモル。しかしその家、家庭が犯罪の巢窟のように思われることが話題になっている。悲しい。改善の方法は一つ。保護、支援一方のネガティ的ではなく、個性が自立するパーソナリティー教育、否定消極的な支援から肯定的な人間教育へ教育改革が必要である。

NHK「証言」

2019年06月04日 05時11分51秒 | 研究業績

 毎日のこの短文では多くの世界情報には応じられない。他人からは意味のない事柄多く、身の回りが優先。昨日寝たきりの愛犬に見舞いに来られた隣の奥さんにミミは吠えた。その元気さに大喜び。家内の適切な介護で元気になるかも知れない。
 親しい知人の堀節誉氏の句集『渋』を手にし、日本語の勉強を兼ねて楽しく読みたい。22世紀アート出版から拙著『映像が語る植民地朝鮮』が電子ブックと紙の本の両方ともアマゾンで売られるようになった。多くの読者とコミュニケーションをしたい。
 日韓の8月、終戦と解放の記念プログラムに協力する。韓国で「反日番組」にはなって欲しくない。そのために正しい情報と、解釈を話した。サハリン朝鮮人虐殺については故林えいだ氏から裁判記録、元PDの方から頂いた資料が全部である。2011年NHK「証言」で唯一の生存者の札幌居住の栗山正二氏を探している。


電子ブック

2019年05月31日 05時33分12秒 | 研究業績

 最近新聞を読む時間は短い。その分、電子ブックのキンドルで読む時間が長くなった。文字も大きく、知らない単語の辞書の機能も付いていて便利であるからである。紙の新聞は時代の変化にそぐわず、記事や編集に変化はなく、読者とのコミュニケーションが少なく、以前の通りである。廃れていくだろう。質を高める変化が欲しい。私はこの地域の人が日中戦争参戦時に撮った写真とインタビューなどを含む、拙著を出版してもどの新聞にも紹介されたことがない。昨日読書会では韓国のテレビ局が取材にきていることが話題になり、それが反日的なものになるのではないかとの憂いのことばがあっても、いくら悪くても無関心よりはましであろうと思う。


韓国の終戦記念番組

2019年05月30日 05時23分27秒 | 研究業績

 昨日サハリンの記事『1945年8月20日 ソ連軍が侵入する時「韓国人がソ連軍側のスパイだ」というデマが飛び交い 韓国人に裏切られたと思い このままなら日本人が皆殺されるという恐怖と怒りで日本の青年たちが韓国人の女と子供を含む27人の全員を殺した。』について何か所、数人のコメントがある。「本当の原因は何でしょうか?」「何事も裏を取らず裏を取れずデマを鵜呑みにして決めつけることで 悲劇も喜劇も引き起こされる」。私はインタビューでは日本や韓国の両側を意識せず、人間の個人が危機の状況で判断することが難しいと思う。戦争中一発の銃声に村人が避難した状況を体験的に知っている。

 法律も秩序もないアノミーの状況で人はどう生きるか。私はそれを教育と結びつけたい。それをインタビューで語ったが韓国の終戦記念番組においては憂いがある。本心が伝わるだろうか。


「瑞穂村の悲劇」

2019年05月29日 05時23分30秒 | 研究業績

  昨日は大学の研究所と研究室で夜10まで韓国KBSのインタビューを受け、協力者として資料提供、研究会のような時間であった。十数年前私が韓国と日本でサハリンの「瑞穂村の悲劇」について出した拙著が主題であった。日本国の科研による調査に対して質問が連発した。イジョンフン氏はPDのレベルをはるかに越えた研究者のようであった。日本人の韓国人虐殺について日本政府がそのような研究を支援したのかと驚いていた。当時、瑞穂村では日本人と朝鮮人が住んでおり、親しいとはいえないが互いに協力する間柄。朝鮮人は小作人か、労働者であった。
 
1945年8月20日ソ連軍が侵入する時「韓国人がソ連軍側のスパイだ」というデマが飛び交い、韓国人に裏切られたと思い、このままなら日本人が皆殺されるという恐怖と怒りで、日本の青年たちが韓国人の女と子供を含む27人の全員を殺した。ソ連の裁判が速やかに行われ、犯人は銃殺刑などになるが首謀者の森下が居なかった。何時だったか、数年前犯人の一人の栗本正二氏がテレビで謝罪する映像を目撃し、驚いた。私は拙著で虐殺から人間の本質を問うことを強調した。


教会のシャーマニズム

2019年05月20日 05時55分56秒 | 研究業績

 ある教会の名誉長老が教会のシャーマニズムを脱皮しなければならないと言うのを聞いていた。黙っていた。韓国の初期外国人宣教師たちがシャーマニズムの研究に熱心であった。何故か、説明するのは無駄であろう。もはや牧師達には。私はシャーマニズムという神霊主義が韓国キリスト教を盛況させたという論文も書いたことがある。その研究状況も知らない牧会者たちにその背景を説明したくもない。西南学院大学で開かれる7月研究会にシャーマニズムに関する講演依頼が来た。その時話をする。


下川正晴氏の『日本統治下の朝鮮シネマ群像』

2019年05月14日 05時32分46秒 | 研究業績

 下関地元の人から下関には冬と夏の間の季節がないといわれた。日本では「四季」と歌われても、ここ下関では冬と夏、私は「二季だよ」と返した。世界的には広く乾季と雨季の地域はあるが、この二季「寒季と暑季」「冷暖」房、冬服と夏服など、どう表すべきか。既に梅雨宣言の声が聞こえる。昨日研究所で本を分類しながら韓国についても「冷と暖」の本が多いことが気になった。「反日と嫌韓」の本が多く、日韓関係も「冷暖」の二季しかない。
 韓国映画に関する本が届いた。下川正晴氏の『日本統治下の朝鮮シネマ群像』。日本の植民地朝鮮の映画に関する映画が総網羅している。著者はソウル在中経歴や韓国の友人も多く、私も彼と研究会などを一緒にしたことがある。私は彼を招請講義に呼び、長く話をしたこともある。私も彼と同様植民地の映像に関心があり、共通している。10年ほど前韓国で『映像が語る植民地朝鮮』を出して、最新著の日本語版(2018.10)についてネットではコメントもいただいている。彼の著書から刺激され新しく分析を始めようと思っている。


お知らせ

2019年05月07日 05時27分36秒 | 研究業績

 連休の最後の昨日、彦島の和田邦子氏から筍をいただいた。これで2年目、地域の住民から愛されていると感じる。5月初めからキンドル販売予定が連休で遅れている。長府の明屋書店に下関地域での総販のようなことをお願いしてきた。店長の高橋行雄氏が親切に受け入れて下さった。その本屋には拙著『慰安婦の真実』『米軍慰安婦の真実』(ハート出版)が10冊ほど並べられていた。今度は新著『植民地朝鮮映像が語る』(東亜大学東アジア文化研究所、2018)置いていただいている。

<販売>は明屋書店・長府店 〒752-0928 山口県下関市長府才川2-12-7 ℡083-248-1144 

<注文>は東亜大学東アジア文化研究所 dgpyc081@yahoo.co.jp


祭りの比較

2019年05月04日 06時11分17秒 | 研究業績

 長すぎる連休、月の半分が休日、楽しむ人とつまらなく過ごす人に分かれる。その最中か、昨日は下関の名物祭りである赤間神宮「先帝祭」を見に行った。45万人と報道されるが観光客がここ下関にだけ集中したわけではない。全国的に人が浮遊し、歩くと思う。私も天気も良く気持ちよく参加した。ただ壇之浦の合戦で入水した安徳幼帝を偲ぶ「上臈参拝」行列を見るために赤間神宮の階段を上っていっても見られる場所を探せず残念であった。

 海辺で行われるミュージカル、華麗な正装の遊女の八文字をだっぷり観覧した。死者の怨恨を慰める祭りが演芸とされたミュージカルをが公演された。私は韓国の巫祭を思い出しながら観た。巫祭松の神木が先帝祭では榊に、シャーマンのクッがミュージカルとして私の目に映ってきた。感無量であった。私は若い時、韓国東海岸に転々として行われるムーダン儀礼、旅巫人を長期間同行しての現地調査の場面と先帝祭がタブって見えて、いろいろなことを思い出した。この地元行事と海を挟んで日韓がで共有しているものがあると感じたことは大きい収穫であった。これから祭りの比較へとさらに研究は広がる。


渋沢栄一

2019年04月10日 06時56分09秒 | 研究業績

  私は植民地朝鮮の映像や記録を日韓両国に紹介したことがあるが、その中心人物が渋沢敬三である。昨日敬三の祖父の渋沢栄一氏が新しい紙幣画像に顔写真が載ると発表された。韓国では日本の近代化、資本主義による朝鮮侵略の中心人物だと猛批判している。伊藤博文の写真にも強い抵抗があったように。私は叫びたい。
「韓国よ、植民地から解放されよ、独立してくれ

日韓については歴史を冷静に語れない「敵関係」であるのは残念である。
 今、
新たに思い出す。その一家の勤勉と遊蕩の興亡が描かれている佐野眞一氏の本が面白い。
数年前神奈川大学でのシンポの時渋沢系の子孫たちに会ったこともある。敬三は祖父栄一から当時最新ムビーカメラをプレゼントされて、貴重な映像を多く残している。中には1936年韓国の蔚山、西海諸島での民俗の映像記録を残したのは貴重なものである。私はそれをいろんな機会に紹介し、映像は『甦る民俗映像』(岩波書店)、記録は『1930年代の西海島嶼民俗』(崔吉城訳、韓国語)に記録されている。

 


昌億氏が新羅研究で論文博士学位

2019年03月22日 06時55分03秒 | 研究業績

 昨日は卒業式で終始した感がする。式前に学長と長く歓談したが、学事のことではない。学長のベトナム旅行から土産もいただき、私の京都での講演など近況を、特に研究会では春画を以て美と性の問題を掘り下げていくことを伝えた。
 式場ではいつものように教員席に座った。席は入れ替わりが激しいと思った。式順は定型化されたもの、特に注目したことがあった。古く学縁のある方の博士学位授与である。世界的に形質人類学の権威ある鵜澤宏和教授の指導で韓国の考古学者の金昌億氏が新羅の研究で論文博士学位が授与された。私は副査を務めた。
 海辺の平家座屋で昼食をとった。彼は関釜フェリーで来られたが韓国からの観光客で満室、日韓関係の悪さは全く関係ない、政治的なものとは別次元、正常な人間関係、特にアカデミズムなどでは善なる人間関係、何も変わっていない。彼は政治的なことには無関心、聖人のようであった。政治やメディアとは異次元で希望が感じられた。