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一日一句(1148)







夏は風呂月のころには出でたりし






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一日一句(1147)







いつせいに椋鳥立つや樟若葉






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詩的断章「樟」







  樟



こっちから行くと
戸定館の坂道の上がりはなに
大きな樟の木が
一本立っている
横に伸びた太い枝は
チェーンソーで
無残に切断されて
赤い切り口が
ごつごつ
ひんやり
下の枝は
今ではみな切られて
若葉を帽子のように
載せている
三十年前の七月
よくこの樟と話をしたものである
詩だから
そう書いているのではない
それがわたしの現実だった
孤独が深すぎると
こころはからだを突き抜けてしまう
木と話す
そういう病気なのである
ずいぶん
いろいろなことを話したが
大かたは忘れてしまった
木肌はかさかさして
いい匂いがした
聲を聴いてはならない
話してはならない
それが医師の指示だった
引き裂かれるほどに
わたしは
樟を恋うた
狂った耳には
聲がひとつ残っている

わたしはあなた
あなたは木
木は水や鳥
水や鳥は空や谷
ここをすぎて
目をつむり
泣け







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第3回銀河朗読会







■第三回銀河朗読会を開催します。夏の土曜の午後のひとときを詩とともに。
今回のテーマは、「先住するうた、あるいは離散する文学」です。アイヌ、沖縄、在日。先住するうたは、同時に、「離散する文学」でもあります。そもそも、「うた」は離散する運命にあるのではないか。そんな問題意識でプログラムを構成しました。

【出演】

尾内達也(詩人・俳人)、亜久津歩(詩人)、黄英治(小説家)
広瀬敦子(詩人・ゲスト)

【日時】

7月4日(土)15:00-17:00

【場所】

恵比寿カルフールCルーム

【会費】1500円(珈琲・紅茶付き)

(朗読会のあとに、近くの居酒屋「恵比寿丸」にて、懇親会あり。3000円で飲み放題。参加自由。詩や文学や芸術について意見を交換しましょう)

【プログラム】

パート1(introduction)

自作詩等の朗読
亜久津歩
尾内達也
作品感想
休憩 5分

パート2

先住するうた、あるいは離散する文学
広瀬敦子
黄英治
亜久津歩
尾内達也
作品感想
休憩 5分

パート3

最後の朗読
ロミー・リーの最新詩集から
尾内達也
オープンマイクおよび全体作品感想






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一日一句(1146)







夏暖廉きのふのわれのとほさかな






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一日一句(1145)







涼しさや高きにありてひとの聲






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一日一句(1144)







夏暖廉きのふのわれのありどころ






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詩的断章「根」













根がある
それは確かなことだった
みどりの夜
藤の長い蔓と
わたしは
水を奪いあう仲であるが
わたしの根は
見えない
その部屋へ帰るたび
根こそぎにされていく根がある
止まった時計に
散乱する電池
足の折れた座卓
黄ばんだ本の頁は
サン・シモンのところで
折ってある
三人で対話する術を
人類はまだ見いだしていない
わたしはふたりのわたしと
対話してみる
引越しの後始末は
わたしの始末
ふたりはとても
始末できないとわたしに云う
夏暖廉をかけたのは
つい昨日なのだが
もうずっと昔のことなのだった





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一日一句(1143)







一天の隅つくりけりはたたがみ






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一日一句(1142)







てんでんのやうで法あり蟻の道






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