goo

第7回銀河朗読会―戦に抗う詩4







■第7回銀河朗読会を開催します。テーマは、引き続き、戦に抗う詩の4回目になります。




紫陽花の庭へ出てゐるこどもかな

★人間の幸福を阻むものを戦と名づけると、原発体制や戦争社会体制など、特定の集団が独占する利権体制の問題にぶつかります。こうした転倒した世界に、詩はどう抗えるのか。朗読を通じて問題を提起してゆきます。参議院選挙一週間前の重要な時期を、詩とともに!!!

第一部  自作朗読(尾内達也)

第二部  トラークルとアルトー、メルヴィルの詩の朗読

第三部  オープンマイク・意見交換

最後の詩 ロミー・リーの詩の朗読

【日時】7月2日(土曜日)15:00-17:00
【場所】恵比寿カルフール Cルーム
【会費】2,000円(珈琲・紅茶付き)
【申込み・連絡先】尾内達也(eメール delfini800@gmail.com)


※ これまでの銀河朗読会の様子は、公式ページで確認できます。ここから>>>






コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

蕪村の俳句(123)




■旧暦5月9日、月曜日、雨

ベランダの鉢植えのブルーベリーの実を狙って、今年も鵯が出没する季節になった。ことしはネットを被せた。去年は、一瞬の隙をついてすべての実を啄まれてしまったのである。人間の側からすれば、泥棒だが、自然の側からすると、まさに自然な営み。鵯にあげてもいいのだが、家族が楽しみにしている。人間社会は複雑なのである。



6月22日の参議院選挙の公示を控えて、また、自民党が、投票行動の「操作」をしきりに始めた。その操作とは、憲法改悪というcontroversialなissueを隠して、「経済政策」、つまりはアベノミクスを争点にしている。アベノミクスとは結局、何だったのか。次の記事をご覧いただきたい。


アベノミクスで日本企業の内部留保がさらに肥大、“タックスヘイブン”ケイマン諸島への投資額激増も判明!(LITERA 2016.6.12)



 財務省が今月1日に発表した1~3月期の法人企業統計(金融・保険業を除く)によると、「利益剰余金」は3月末時点で前年同期比6%増の366兆6860億円。昨年12月末時点の355兆7652億円を上回り、2四半期連続で最高を更新した。
 この「利益剰余金」というのは、企業が内部に溜め込んでいる利益、内部留保のこと。このぶんは、企業が金持ちになるだけで、市場にはまったくお金が回らない。
 内部留保は安倍晋三政権の発足後、急増しており、2012年12月に比べると、34%増えている。日銀による大規模な金融緩和で円安が進み、企業が海外で稼いだ売上高や利益が円換算で大幅に増加。企業はその増加分を海外の株式(投資有価証券)投資などで運用しているのだ。
 たとえば、財務省が5月24日発表した15年末時点の海外への直接投資の残高(平成27年末現在本邦対外資産負債残高)は151兆6150億円で、前年比6.8%増。前年を上回るのは5年連続だ。
 なかでも、急増しているのが、世界有数のタックスヘイブン(租税回避地)として知られる英領ケイマン諸島だ。日本銀行が5月24日公表した国際収支統計によると、15年末時点の残高は前年比約2割増の74兆4000億円で、05年末時点から10年間で2倍超になった。米国債を中心とした米国への投資(165兆円)に次いで2番目に大きく、フランスや英国を上回る規模。タックスヘイブンに企業の利益が消えていく格好だ。年明けからは急激な円高で企業は景気の先行きを不安視しており、この動きが加速しそうだ。
 一方で、従業員の給与は横ばいだ。法人企業統計では、今年1~3月期に企業が従業員に支払った給与は28兆円と、前年同月比でほぼ横ばい(前年同月比2.2%増)。政権発足時の12年10~12月期と比べると3%減少している。企業の儲けを従業員の賃金の増加と個人消費の増加につなげようとした政府のシナリオは実現していない。
 ただし、富裕層への分配は進む。法人企業統計によれば、役員給与は3兆5731億円と前年同月比で2.9%増。役員賞与は1433億円と前年同月比で22.3%増だ。ますます格差が広がるばかりなのだ。
 安倍政権は消費増税の延期を決断したが、決断すべきは内部留保課税など、法人税への課税強化であることは間違いないだろう。
(小石川シンイチ)


アベノミクスとは、大企業の内部保留金とタックスヘイブンにお金を溜め込んだだけで、完全に、「経団連の経済政策」だったことがわかる。国債の残高は、現在、国と地方をあわせると、1,000兆円を超えている。この利払いがあるために、金利は低金利のまま据え置く圧力がかかる。企業や富裕層は、タックスヘイブンなど、海外への投資で、利殖を行うが、庶民には、元手がないために、これは不可能である。定期預金の超低金利のまま、お金は増えない。国の財政が国債に大きく依存した構造のため、金利を上げることができず、この二極分化構造は固定されている。さらに、大規模な金融緩和で、輸出型大企業に有利な円安が進みやすい。それに加えて、大企業・富裕層を優遇する税制があるために、冨の再配分の阻害が制度的にも固定されている。

つまり、アベノミクスとは「経団連の経済政策」であると同時に、構造改革(財政健全化と税制改革)にいっさいに手を触れないために、格差の拡大再生産を組み込んだ政策と言えるのである。有効求人倍率が増えたとか、株価が上がったとか、政権(はじめ、多くのチンドン屋)がしきりにはしゃぐ、その裏で、格差の拡大再生産の構造が固定されきたということなのである。アベノミクスというのは、政権を支える一部の人々のための経済政策にほかならない。消費税の税率アップが延期になったことがメディアで批判的に報道されているが、そもそも、消費税を上げる根拠が、存在しないことは、アベノミクスによる企業内部保留金とタックスヘイブンへの投資額の増加を見れば明らかなのである。本来、アベノミクスとは「富の再配分の不公正性」としてテーマ化すべき問題なのである。



ここに、もうひとつ、考えておきたい事実がある。それは2013年7月参議院議員選挙の後、12月特定秘密保護法強行採決が行われ、2014年12月解散総選挙の後に、2015年9月安保法制強行採決が行われた、という事実である。この二つの選挙とも、今回と同じように、「経済政策」を争点にして、特定秘密保護法も安保法制も、選挙戦ではまったく触れられていない。これが、自民党が行ってきた選挙の操作である。「経済」は生活に直結し、切実で重要なテーマだからこそ、操作の手段にもっともなりやすい。この「経済政策」の本質が何だったのかは、上述したとおりである。2016年7月参議院議員選挙の後には、憲法改悪が待ちかまえている。この選挙に勝てば、戦争産業国家社会体制(法律・ビジネス・文化(なかでも科学技術)を挙げての戦争体制)の完成に向かって、ひた走るのは火を見るよりも明らかである。

これによって、戦争を前提としたアメリカ社会に、構造的にも追随する傾向が強くなる。オバマが広島で、悪いのはwar itself(戦争そのもの)で人ではない、と演説したのは、実に、今後のことを考えると示唆的なのである。war itselfなる亡霊のように都合のいい存在は、この世には存在しない。warには、戦争産業国家社会体制(the total war-cultural system)という一つの確たる体制が先行するからである。war itselfと言うかぎり(そのように現実を直視しようとしない限り)、ふたたびwarは繰り返されるのである。







宵ゝの雨に音なし杜若

明和八年(蕪村56歳)句帳



■杜若や山百合のように、ある程度、背丈がある花に、背後から気配を感じることがある。思わず振り返ると、花だったということはないだろうか。蕪村のこの句の杜若には、そんな気配がある。それは、「宵ゝの雨に音なし」という措辞の効果だろう。音のない雨は、この場合、夏の五月雨だが、どこか春の雨を思わせる。そして「宵ゝの」という措辞が、夜ごとの逢瀬のような響きを伴う。艶やかな風情の杜若。この雨は、実は降っていないのではないか。幻の雨が夜ごと杜若に降っている。そんな幻影を見た気がした。





出典「蕪村句集」



蕪村句集 現代語訳付き     (角川ソフィア文庫)
クリエーター情報なし
角川学芸出版











コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

一日一句(1544)







朝の夢あるいは額の花盛り






コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )