かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

明日の準備完了しましたので、ちょっとだけ昨日の続きを書いてみます。

2010-01-16 22:31:21 | Weblog
 昨日は職場の新年会でとある居酒屋に出張ったのですが、料理はまずまずだったのにお酒は相当ダメダメで、ありゃ適当に食用色素で水に色つけて工業用アルコールでも足してるんじゃないか、というレベルの安酒にすっかり悪酔いしてしまい、本当に久しぶりに撃沈してしまいました。まあ二日酔いに悩まされるような事にはなりませんでしたが、大分胃がヤラレタ気がいたします。昨日のブログはまだ意識がしっかりしている間に携帯でアップしたのですが、携帯、便利ですけど文字数がいまいち把握しきれないのが不満ですね。
 まあそれはともかく、そんな状態ではありましたが、明日の準備は大体終わりました。後はしっかり寝て、体調を整えて臨みたいと思います。

 さて、昨日の続き、というか、書ききれなかった部分を少し足しておこうと思います。
 小惑星イトカワから試料採取に成功した、と思われる探査機はやぶさ、1月14日現在で地球から58,722,790km離れたところを飛行中で、一日あたり大体150万キロずつ近づいているのだそうです。時速6万キロ超、34000ノットの猛スピードですが、宇宙ノットだとどれくらいになるんでしょうね?(笑)
 これら細かい情報が、宇宙航空研究開発機構ISASの公式サイトにあって、その名も「今週のはやぶさ君」という看板の日記に公開されています。現在、はやぶさとの交信は往復10分を切ったところ、とか、通信速度は256bpsだとか、色々細かい話も出てきますが、256bpsだなんて、随分久しぶりに見た感じのする数値に驚いたりもしました。それも、ここまで地球に近づいてきたから出せる数字であって、度重なるトラブルの時はもちろんもっと低速で、かつ往復のやりとりの時間が掛かっていたのでしょうから、その悪条件下でここまでコントロールできるということ自体が、信じられぬ奇跡を見る思いがします。
 ところで、地球帰還が確実になった、というのは、このまま行けば地球最接近時に地球の引力圏内を通過するのが確実になった、ということで、まだ完全に地球帰還が実現する訳ではありません。もちろん徐々に時間をかけて、最接近時に地球へ到達できるよう軌道を調整しており、それも順調に進んでいるからこそ、現時点で地球引力圏内通過が実現したわけで、このまま何事も無くその調整が進んで欲しいと心から祈るばかりです。
 当面はこの「今週のはやぶさ君」を楽しみにしながら、6月の帰還を心待ちにしようと思います。

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『はやぶさ』が帰って来る!

2010-01-15 23:23:50 | Weblog
一時は絶望視されていた小惑星探査機はやぶさの地球帰還がほぼ確実になったそうです。往復6億キロの大半を飛び越え、現在位置は地球まで残り5900万キロ。ここまでに、姿勢制御装置の故障、通信途絶、相次ぐイオンエンジンの停止などの数々のトラブルに見舞われて、3年も余分にかかりましたが、艱難辛苦をを乗り越えて、よくぞここまでたどり着いたと感動させられました。残すミッションは、採取に成功したと期待される小惑星のサンプルを封入したカプセルを見事地球に届かせる事ができるかどうか。ここまできたら是非とも成功して欲しいものですが、もしつつがなく成功したら、まさに奇跡が起きた言って良いと思います。できればはやぶさ本体を回収してもらえたら、と思わないでもないですが、さすがに無理なことは理解できますので、今はとにかく無事地球とランデブーしてくれる事を祈るばかりです。帰還予定は6月とのことですので、楽しみにあと半年待つといたしましょう。
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気になる映画が次々とあるようで、気もそぞろです。

2010-01-14 22:02:00 | アニメ特撮
 昨日の睡眠不足のおかげで、昨夜は寝床に入った途端ほとんどのび太くんのように眠りに落ちてしまい、朝までぐっすりでした。これできっかけができたのか、今心地よい眠気にまぶたが重くなってきています。規則正しい睡眠のリズムは健康的な生活の基本ですから、是非このままいい感じで一日のサイクルが維持されて欲しいです。
 さて、このところなかなか映画に行く機会もなくて、たしか最後に見たのは「サマーウォーズ」だったと記憶しているのですが、いい加減、大スクリーンと迫力ある多重音声の洗礼を浴びて、心身リフレッシュしたいという欲求が鎌首をもたげつつあります。そんな中、気になるニュースを幾つか目にしました。一つは、平成ガメラ3部作で特技監督を努められた樋口真嗣氏がブログでドラマのエキストラを募集しているそうです
 その仕事の内容というのが、当初、「特撮怪獣ドラマ沼津市内ロケ」、エキストラの配役は「私服警官役、巨大海亀が上陸した痕跡に集まったやじうま役」と記載されていたそうで、それだけ見ているとまるで「ガメラ」そのもののような感じに見えます。残念ながら現時点では内容についての記述が修正消去されてしまったとの事ですが、ググるとその内容が明記されているサイトに当たるようです。(こんな具合に)。
 まあ実際にどうなるのかは正式発表でもない限り判らないわけですが、あの平成3部作に心躍らされた特撮ファンとしては、期待せずにはいられません。
 このドラマはまだこれから撮るのでいつ観られるか判りませんが、もうすぐ公開される映画でも、海外で話題になっているのがあるそうです。
「パラノーマル・アクティビティ」という恐怖映画ですが、制作費なんと135万円という低予算で作られていながら、世界最恐と形容される内容で全米で96億円の興行収入を達成したというものです。これがもうすぐ日本でも公開されるのですが、今、この映画の公式サイトでダウンロードできる携帯着メロが、余りの怖さに配給元にクレームが届くほどなのだそうです。私はスプラッターは嫌いですが恐怖映画は嫌いじゃないので、ここまで煽られるとちょっと気になってしまいます。
 後ひとつ気になったのは、現在公開中のジェームズ・キャメロン監督作品「アバター」。SF映画だそうですが、「3Dの映像があまりにもリアルで、その美しさにあこがれるあまり「うつ状態になった」「自殺を考えた」といった訴えがインターネットに相次いでいる。」という記事が、CNNニュースに出ていました。
3D映画なんて、昔々、『仮面の忍者赤影』で、戦闘中、赤影が笑顔でスクリーンからここからはこれをかけてね、と、映画館入り口で配っていた赤と青のセロハンを張っためがねを見せていた、あの映画くらいしか私には記憶がないのですが、今の3D映像は、ヒトの精神に甚大な影響を与えるほどに見事な出来栄えになっているのでしょうか。ただ私は3D酔いするタイプなので、果たしてその映像が見られたとして最後まで耐えられるかどうか。

 いずれも気になる映画ですが、さて、果たしていつ映画館に行けるものか。その時間作りが目下最大の問題です。

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睡眠不足と積雪で危うい一日でした。

2010-01-13 22:08:01 | Weblog
 昨日の夜は何故か寝付きが悪く、ようやく寝たと思ったら3時半に目が覚めてしまい、結局そのまま2度寝もできずに起きてしまいました。正味3時間ほどしか寝ていない計算なのですが、それでも夕方までは比較的眠気も少なく、普通に仕事することができました。少々危なかったのは帰りの運転で、やもすると目がふさがりそうになるので、一所懸命目を閉じないように意識して帰ってきました。
 それに輪をかけて危ない状況に陥らせたのが雪で、昼ごろから急に強く降り出した雪が午後になっても一向に上がらない気温と冷たい北風の性で凍りつき、ところどころ道がアイスバーンに成っていたことでした。まあなんとか帰りは無事一度も滑ること無く走ることができましたが、明日朝は果たしてどうなるか。夜の間に雪が追加されることはどうやらなさそうですが、凍りついた道は更に冷たく凍てついているに違いないので、より注意が必要になるでしょう。
 
 まあ今日は流石にもう眠くて眠くてたまりません。JALのCEOに京セラの稲盛和夫名誉会長が就任する運びになったなど、関西財界からヒトを呼ぶなんてまるで「沈まぬ太陽」に描かれたかつての日航みたいな話だな、と思ったりもしたのですが、更に突っ込むだけの気力は皆夢の中に吸い込まれそうです。明日、まだ覚えていましたら、少しその辺をブログに書いてみるのも良いかな? と思います。

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テレビを観過ぎると早死する? それはパソコンでも一緒??

2010-01-12 22:13:10 | Weblog
 今日は冷たい雨が降っていましたが、明日は西日本も広い範囲で雪になる可能性があるのだとか。積もったりしたら厄介ですが、日曜日に降られるよりはマシかも?

 さて、長時間のテレビ視聴がヒトの寿命を縮める可能性があるのだそうです。オーストラリアでの研究だそうですが、1999年から2006年に8800人の25歳以上を調査した結果わかったとのことで、毎日4時間以上テレビを見ているヒトは、2時間以下のヒトに比べて死亡リスクが46%高くなるとのことです。また、循環器の病気で死亡するリスクだけでみると、80%も高くなることが分かったといいます。しかも、参画した研究者によると、この研究では特にテレビに注目して調査したが、コンピューターの前に長時間座ったままでいるというのも健康に害を及ぼす可能性があると指摘しています。
 
 私は特にこの1,2年テレビはまるで見なくなってしまいましたが、代わりにPCの前に座っている時間は長くなっている様な気がします。おそらくはそうしてあまり動かないでじっと座ってばかりいる状態だと、足腰も弱りますし、心臓疾患とかを発症しやすくなるという事なのでしょう。出来れば、4時間以上テレビを見ているが日常的にちょっと早足での散歩などの運動を30分位している場合だとどうなるのか、なんていうようなデータもあるのなら見てみたいですね。それと、出来ればオーストラリアじゃなく、日本で同じような研究なり調査なりがあれば面白いと思います。
 私は仕事の関係で出来ない場合を除いて、山の中なのを幸い、昼休み20~30分くらいかけて山道を歩きまわるように心がけています。これは、以前腰痛を診て貰った医者に、「とにかく歩け!」と指示されたからで、確かにそうして歩いていると足腰にもいい影響があるのか運転の時に腰が痛くなったりすることが少なくなるので、珍しく地道に続けています。その一方で休みの日なんかは半日以上こうしてPCの前に張り付きっぱなしです。これは足腰だけじゃなくて目にもきますし、自分でもあんまり体にいいことなさそうだな、と思っていたのですが、結果としてはやっぱり良くない、っていう話になるのですね。
 何事もほどほどに、ということなのでしょう。でもPCから離れて日常生活を営むなど到底想像もできませんし、こうしてPCの前にへばりつきながらも運動不足にならないで済むような器具なり方法なりがあるなら、きっとかなり大きな需要がありそうな気がするんですが、そんな都合の良い方法はそう簡単には見つからないのでしょうね。


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「沈まぬ太陽」読了。

2010-01-11 21:24:45 | Weblog
 「沈まぬ太陽」山崎豊子 5巻を読み終えました。10日ばかりかかりましたが、ボリュームの割に読みやすくするするとページが進みました。
 概要については、既に話題の映画にもなっていることですしごく簡単にしておきますと、国民航空、という日本のフラッグキャリア(要するにJALですね)のエリート候補が、たまたま労働組合委員長に推挙され、航空機の安全運行とそれを支える労働者の権利獲得のために真摯に戦ったのが徒となって人生を狂わせ、中近東やアフリカに10年も転々と流罪同然に転勤させられた挙句、ようやく帰国してからも窓際の閑職に追いやられていたところが、時の総理の三顧の礼によって関西財界から迎えられた会長の抜擢され、ともに社内の弊風一掃に立ち上がるも、政官財の強固な癒着構造と社内にはびこる既得権益への執着に阻まれるというお話です。ちょうど3巻目で御巣鷹山の事故がそっくりそのままの形で取り上げられるなど、その内容は小説というにはかなり生々しい話が詰め込まれています。
 最初に書いた通り、そのストーリーは平易で文体も読みやすく、すぐにその世界に没入できる文章です。このあたりは作者の面目躍如というところだろうと思いますし、御巣鷹山の事故でかけがえのない人々を亡くした遺族の描写などはまさに涙なくしては読み進めないほど真に迫るものがあります。
 読みやすさの原因は、時代劇のように人間関係が見事に色分けられて、そのブレが無いことだろうと私は思います。官僚や政治家やマスコミ、それに社内の既得権益にしがみついている人間などはもうこれでもか、と言わぬばかりに醜悪な人間に描写されている一方で、主人公を取り巻く極少数の善人グループは、もうまるで私心なき聖人のごとき姿で書き綴られています。その是非は今は置くとして、そのようにコントラスト鮮やかに人間関係が色分けされているために、国民航空の宿痾、政官財の癒着構造の酷さがわかりやすく整理されて読むことができ、作者の怒りと問題提起が理解できるわけです。
 ここで問題は、会社、登場人物など、主要なところを名前を変えたり架空の存在を挿入したりして、どこまでが本当の話でどこが創作の部分か全く分からない書き方をしている点です。この点についても、ネット上には多くの感想なり意見なりがあるので詳述はいたしませんが、私個人としては、これは大変問題のある書き方だな、と感じました。理由はどうあれ、このような事実と創作が入り交じったものが大々的に流通しますと、それがあたかも真実であるかのごとく取り上げられてしまいかねません。はるか昔のお話というのならまだしも、まだ関係者が生きている現代を取り上げるのですから、問題提起が大事ならすべて実名でやるドキュメントに徹するか、あるいは舞台も何もかもすべて創作するかすべきだったのではないでしょうか。それを中途半端に創作とドキュメントのあいのこを作ったりするのは、一つは作者のおごり、そして関係者からなにか言われたり訴訟沙汰になった時のための、あれは創作ですよ、と言いたいがための逃げ道工作、としか私には見えませんでした。
 まあ中身が嘘か本当かは、証言されるヒトによって言う事が変わるわけですし、まさに藪の中にしかならないでしょうから追求するだけ野暮なのかもしれません。ただ、現在JALが陥っている窮地を考えますと、ここで描かれている話は大体そんなものなのだろうか、と思えたりもいたします。それだけにここは妙な悲劇のヒーローを立てたりせずに、冷静な目でドキュメントに徹していただきたかった。力のある作家だと思うだけに、それが実に残念でなりません。これからこれを読んだり映画を見たりする方は、これが「水戸黄門」と同列のフィクションであることを常に意識して見られることをお薦めします。

 さて、同人の方は、今日は17日のためのポスター作りをやりました。数年前に描いた絵にちょっと大掛かりに手を入れて修正して、この間応急修理したプリンタで、A3ノビサイズに印刷してみたのです。たまたま手元にエプソンの専用光沢紙しかなかったのでそれで印刷始めたのですが、HPのプリンタでは紙質があわないのか、なかなかスムーズに給紙されずに苦労いたしました。でもまあなんとか、数枚反古にしただけで、とりあえず使えるものを印刷出来ました。
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来週は是非インテックス大阪へ!

2010-01-10 21:58:48 | ドリームハンター麗夢
 来週インテックス大阪でかいさいされるコミックトレジャーで出す新刊20冊が、化粧仕上げも終え、正真正銘完成いたしました。実は久々にやったせいか少し本の作りが甘い部分があって、それを補修するのに想定外の時間と手間がちょっとばかりかかってしまいましたが、およそ3年ぶりの制作にしてはまずまずので気になったのではなかろうか、と思います。仕上げは、本の背表紙を除く3辺をアートナイフで切り揃え、更に手持ちに丁度いいくらいの大きさの角材に巻いた400番くらいの紙ヤスリで磨くように切りそろえた部分を整える、という作業なのです。昔々は切削作業中に切れ味が落ちてきたナイフを交換するのがもったいない、と力を込めて強引に使っているうちに、あてがっていた定規に引っかかって跳ね跳び、本と定規を抑えていた手の親指の爪際をざっくり切って机の周りに血飛沫をまき散らす、なんていう馬鹿な事もやりましたが、以来反省して替刃をケチらず、切れ味が落ちたら即交換、というのを肝に銘じるようにしてからは、その手の事故も無く本を作り続けることが出来ました。今回、当時の『惨劇』を思い起こしつつ、久々の作業だったのでことさら丁寧に、力を入れすぎること無く時間をかけてやるように心がけておりましたが、なんとかそれも無事終えることができたわけです。
 後はスペースの設営に必要な諸々の準備をしなくては、と思っています。毎年続けてどこかの即売会に出ていたときは、手頃な箱に準備セットを一式揃えてすぐ持ち出せるようにしていたのですが、すっかりご無沙汰していますので、またイチから準備し直さなければなりません。テーブルマットとか値札とかポスターとかそのポスターを潰れないように持ち運ぶ厚紙の筒とかつり銭とかつり銭入れとか、残っていたコミケに行ってた頃のメモを頼りに、遺漏ないよう手配するつもりです。
 
 週間予報では、天候は晴、気温も少し暖かめになりそうとのことなので、後は体調を崩したりしないよう粛々と準備を進めて行こうと思います。

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海堂尊「ブラックペアン1988」を読む。

2010-01-09 23:14:30 | Weblog
 年明け最初の3連休の初日は、とりあえず家族サービスということで一日終始しておりました。来週はいよいよインテックス大阪ですし、家人一同から快く送り出してもらうためにも、ここは手を抜くことは出来ません。今日は久しぶりに穏やかな冬晴れの気持ち一日でしたし、一通り満足してもらえたのではないか、と安堵しています。できれば来週のインテックス大阪も、今日のような天気になってくれればありがたいですね。

 さて、今日は久しぶりに本の感想を一つ認めておきましょう。正月休みに「沈まぬ太陽」と並行して読んだのが海堂尊の「ブラックペアン1988」上下です。「チーム・バチスタの栄光」を皮切りに織りなされる、架空の都市「桜宮市」にある東城大学医学部附属病院を舞台とする「桜ノ宮サーガ」を構成する1冊で、これまで語られてきたお話の20年ほど昔の話が綴られています。奇跡的な手技を持つ「神の手」佐伯教授君臨する外科学教室を舞台に、困難な食道癌手術を劇的に簡略化できる秘密兵器を引っさげて帝華大から講師として赴任してきた後の病院長高階先生に、日常かなりグレーな行動が目立がメスを持てば天才的な手腕を持つ渡海医師が挑む、という医療技術をめぐる闘争、そして渡海と佐伯教授の隠された過去を巡るお話が、佐伯教室に配属された一年生の新米医師を語り部にして、クライマックスに向けて怒涛の勢いで展開していきます。手術シーンの精緻な描写や人間関係の鮮やかな配置、あっと驚くどんでん返しなど、いつもながら見事な筆致で、引き込まれるように一気に読んでしまいました。
 中でも私が一番気に入っているのは、海堂尊の描く権力者像です。「螺鈿迷宮」で描写された碧翠院桜宮病院院長の桜ノ宮巌雄や、「ジェネラル・ルージュの凱旋」における黒崎誠一郎・臓器統御外科教授もそうでしたが、この「ブラックペアン」でも、傲岸不遜でヒトをヒトとも思わないような姿で描かれる佐伯教授が、最後の最後で一患者の命を救い、過去の贖罪をなすために、それまで執念を燃やしてきた権力掌握をあっさり放棄して引退を宣言するなど、とにかくその姿勢が潔いのです。また、時に辛辣に過ぎるほどに厳しい姿勢を見せながら、その奥には後進をより高みへと導くための深みのある熱さに溢れていることが、読み進めるに連れて見えてきます。これらの姿は、例えば今読んでいる山崎豊子の登場人物などにはまず絶対に現れることがありません。一種のピカレスク・ロマンに通じるこの種の人物設定には、私が常日頃魅了されてやまない、実力十分な自信家の姿も見えて、それがまた実に心地よいのです。
 「沈まぬ太陽」はまた改めて感想書きますが、こちらの登場人物は、今時子供向け特撮番組だってもう少しひねっているぞ、と言いたくなるくらい見事に単純な善玉と悪玉に分かれていますので、同時並行して読んでいると、この人物造形の違いが否応でも目についてしまいます。
 「桜宮サーガ」はこれからも続くようですし、既刊でまだ読んでいないものも幾つかありますので、しばらくは楽しいひとときを過ごす本には困らずに済みそうです。私も、いつかはそんな没頭して時間を忘れさせるような本が書けるようになりたい、と切に感じさせられました。

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もう卑弥呼と邪馬台国は奈良で決まり!と言わぬばかりな大量出土です。

2010-01-08 22:09:32 | Weblog
 また奈良の地で大きな発見がありました。隣の桜井市にある桜井茶臼山古墳という前方後円墳から、大量の鏡片が出た、というニュースです。その数331片。それらを分類して元の鏡の枚数を割り出した結果が81面になったとのことで、これはこれまで最高の枚数が出土した福岡県の平原1号墳の40面の2倍に達する群を抜く多さになっています。また、従来から卑弥呼が魏から貰った? とされる三角縁神獣鏡を含め13種類もの鏡があり、その多彩さも全国に類の無いものだそうです。そのすべてが粉々に砕かれているところから、砕いた鏡を集めたのではないか、という専門家もおられるようですが、橿原考古学研究所によると破片の一部に絹の布が接触していた痕跡が見つかったそうで、埋葬当時は一面一面丁寧に絹でおおわれていたと推測されています。粉々になったのは度重ある盗掘の際に盗賊に踏みつけられたためではないか、という話もあり、埋葬当初は100枚を超えていたに違いない、と推測する研究者もいます。
 この古墳は墳丘長207mという巨大古墳で、2007年に天理大学がレーダー探査で地中に排水口が設けられていることが発見され、高度な土木技術が施された大王級の古墳である事がわかっておりましたが、今回の発見で、一段とその重要性がましたと言えるのでしょう。
 つい先日は天理市の東大寺山古墳で50年近く昔出土した太刀に純金で象眼されていたことがわかり、後漢の年号中平の文字が読み取れることから、卑弥呼が活躍した倭国大乱の時期に相当する、ということで、これもまた卑弥呼と結びつけて語られているようです。
 まあ私はあまり卑弥呼そのものには興味が無いのでそれはそれとして、少なくともこの大和の地に当時の大陸国家と交渉を持っていた国家組織があったのは確実のようで、それが後の大和朝廷、そして現代へと連綿とつながる我が国の曙光であったのは間違いないのでしょう。それならどうして古事記や日本書紀にその頃の伝承なりなんなりが痕跡も感じられないのか。私はそのことが不思議でならないのですが、いずれ研究が進めばそのあたりも明らかになってくる日が来るのでしょうか?

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携帯電話の電磁波がボケを防止する?

2010-01-07 21:28:41 | Weblog
 携帯電話の電磁波が、アルツハイマ-の進行を抑える可能性があるのだそうです。
ナショナルジオグラフィックで出ていたニュースですが、マウスを使った動物実験で、遺伝子操作してアルツハイマー様の症状が出るように改変されたマウスに、携帯電話から発せられるのと同じマイクロ波を1日2回、1時間浴びせ続けたところ、何もしなかった対照群に比べ、明らかに症状の発症が抑えられたりしたのだそうです。そのメカニズムは不明ですが、可能性として浴びせられたマイクロ波によりDNAが少し損傷を受け、その損傷を修復するメカニズムが活性化し、結果としてアルツハイマー症状が発生するのを抑え込んでしまった、ということが考えられるのだそうです。
 これまで、携帯電話はヒトに良くない、という話が声高に論じられ、私も少しは気にかけていたのですが、このニュースの話はそんな定説に真っ向から挑むような話で、そのメカニズムの解明やヒトでの可能性について続報が待たれます。もっともこの実験結果から即携帯電話のマイクロ波が云々できるわけではなく、実験でも、マウスの全身にマイクロ波を浴びせていたりと携帯とは随分異なる条件だった事が書き留められています。
 まあ私の知り合いの研究者にも、微量な放射線は適度な刺激になってかえって身体にいい、その証拠にその手の研究者は皆長生きで元気だ、なんてことを酒の席で主張されてましたが、いずれそういう話も証明されるようなときが来るのかもしれませんね。
 さて、相変わらずですが、毎日寒いです。気象庁によると、暖冬予報がはずれ、当初考えても見なかった平年並みの寒さになって雪も多い、という事だそうですが、幸い、今のところ奈良の田舎では、まだそんなに雪は降っておりません。明日朝も道が凍ったりしませんように。

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朝すっきり目覚めるための方法。

2010-01-06 22:15:57 | Weblog
 今日は昨日より気温は高かったのに寒さはあまり変わらないような感じの、底冷えのする一日でした。もっとも、昨日懸念していた雨による路面凍結や積雪は無く、無事自宅と職場を往復出来ました。まあ春になるまではこの種の悩みは尽きないのですが、暖かくなってくれば今度は花粉が悩ましくなるわけで、当分の間は難儀な日々が続きそうです。

 さて、そんな今朝は睡眠時間は十分確保したにも関わらず、眠りが浅かったのかたくさんの夢を見て、朝起きるのも大変でした。うっかりするとそのまま暖かい布団の中で二度寝してしまいそうで、といって寒い中布団をはねのける気力も無く、しばらく布団の中でぐずぐずしてしまいました。夢の方は、特にメモもしなかったので記憶もうはほとんど残っておりませんが、クモやハチやムカデが出たり、トイレが汚れていたりなんていうような印象的な夢ではなく、何かホームドラマのような日常の延長を夢見ていたようでした。まあ体調悪化を予告するそれらの悪夢ではない分マシかとは思いますが、たまにはぐっすり意識を失うように寝て、すっきりした朝を迎えたいものです。
 そう思いつつネットニュースを見ておりましたら、ちょっと気になる話がアップされていました。『goo注目ワードピックアップ・・・正月ボケを引きずらず、確実に朝目覚める方法は?』というのですが、いろんなヒトのいろんな方法が集められていて、興味深いものがありました。まあ睡眠90分サイクルの話とか、固い床に固い枕の西式健康法などは知識としては知っておりましたが、改めてそれらを見ると、ちょっとやって試して見てもよいかな、という気になってきます。でも一番へぇ!と思ったのは、朝起きた時に足の指を頑張って動かすと二度寝すること無くシャキッと起きられれる、という話です。イメージとしては、足の親指と人差し指を擦り合わすようにして動かすと良いとのことで、簡単にできる話ですし、明日朝からでも早速試してみようと思います。

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大老井伊直弼の棺が出てこないそうです。

2010-01-05 21:07:12 | Weblog
 今朝早く、猛烈な風の音に目が覚めてしまいました。今日は朝方はまだそれほどでもなかったのですが、程なく体感気温がどんどん下がり、冷たい風がびゅうびゅう吹き荒れ、時折粉雪が舞い散る1日になっておりました。今夜から明日は予報では一応雨ですけど、この分だと雪になったり朝道が凍ったりしてそうで、無事出勤出来るか今から不安だったりします。

 さて、この間は三国志の英雄曹操のお墓が発見された、というニュースをみましたが、今日は、我が国の近世史に欠かすことの出来ない人物、井伊直弼のお墓についての記事を見ました。もっともこちらは、「見つからない」という話題ですが。
 井伊直弼のお墓は、東京・世田谷の豪徳寺というところにあるのだそうですが、彦根藩主だったこともあり、歴代の6藩主や正室側室、家臣を含め、井伊家縁のお墓が300基以上あるのだそうです。このたび、お墓を回収するのに当たり、世田谷区の教育委員会が発掘調査したところ、2m掘り下げても直弼公の棺が見つからなかったため、地中レーダー探査で探すことにしたのだそうです。
 1世紀半昔の有名人のお墓がはっきりしないなんて正直驚きなのですが、当時、大老が江戸城下で暗殺されて首を切り落とされる、という前代未聞の一大事に震撼した幕府が、その死を2ヶ月秘していたことも影響しているようで、その首を襲った水戸藩士が持っていった、という説もあり、今度の調査でそのあたりの状況を明らかにしようということなのでしょうね。
 おりから世は幕末ブームらしいですし、色々な歴史の謎が少しずつでも明らかになるなら大変楽しいお話だと思いました。

 ・・・さて、新刊制作はただいま15冊目の裁断を終了。後5冊切れば、一応本の形は整います。週末は最後の化粧仕上げをして、余った時間でその次の週の本番の準備を進めたいと思います。

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今年の抱負を3つ、上げてみました。

2010-01-04 22:12:13 | Weblog
 そういえば新年明けてからこっち、今年の抱負を書くのを忘れておりました。まあそう大したことを考えているわけでもないのですが、年初の恒例ということで記録しておきましょう。

 まず第一は、やはり一年つつがなく過ごそう! ですね。昨年もそういう抱負を書いてみましたけど、その舌の根も乾かない内から、多分インフルエンザと思われる風邪症状と高熱に倒れ、数日間を無為に過ごしてしまいました。実は一昨日から家人が熱を出しており、今日、医者に連れて行って診断して貰ったところ、悪名高い新型インフルエンザと判明したところなのです。これに感染したら、それこそ公約倒れになってしまうわけですが、今のところ、熱が出たりするような事態にはなっておりません。もっとも、新型は症状がほとんどでないままウィルスキャリアーになることもあると聞きますから、案外ウィルスを持ち込んだのは私自身なのかもしれません。昨年末からこっち、蓄膿症状と思われる頭痛に悩まされてきましたが、あれが私のインフルエンザだったのかもしれませんし、私自身、新型が猖獗を極める大学に仕事で出入したり、人ごみ絶えない街中などに仕事や買い物にでかけたりしてましたから、持ち帰る可能性は大いにあったわけです。まあ家人のそれは既に峠を越し、回復期に向かっているので心配はないのですが、インフルエンザに限らず、体調不良も多い昨今、身体に無理をさせず一年無事過ごせるように気を配りたいと思います。
 もうひとつは、一年気持ちよく充実した日々を送りたいですね。昨年は総じてまずまずだった気もするのですが、イライラしたり周りに当たり散らしたりしたくて随分葛藤した時もありました。正直言ってああいう状態は精神衛生上甚だよろしく無いですし、運転が荒れて危なかったりもしますので、もう少しゆとりを持って日々穏やかに過ごしたいところです。
 最後は、長編小説を一つ書くことです。昨年はとりあえず曲がりなりにも本にまとめられるだけのものを書くことが出来ましたが、これまでからしたら少し両目不足な中身になりました。できればもう少し気合も入れて、自他共に満足の行く話をつむぎたいと思います。ネタはあるので書けるはずなのですが、どうも以前のようにはすんなり書けない気がして、思うように進められないままでいるのがどうにも困ったところです。そんな自分に活を入れて思い切り出来れば、と考えているところです。

 まあどれもさほどハードルが高くないように見えて、案外に大変なものですが、今年の年の瀬で、自分自身に「良くやった!」と言ってあげられるように、ぼちぼちやっていきたいと思います。


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完成!

2010-01-03 22:22:52 | ドリームハンター麗夢
 新年早々イキナリ書きあがったブログ本文を不注意で消してしまいました。また同じことを打ち直さないといけないかと思うとがっくり、ですが、大事な告知でもありますので気を取り直して改めて書き上げましょう。ただし、流石に大変なので、短めに要約して。

 とりあえず新刊同人誌、第1冊目ロールアウトしました。もっともまだこの後最終的な仕上げ工程が一部残っていますので、完全に完成した、というわけでもないのですが、形としてはほぼ完成と同じ状態になりましたので、アップしておこうと思います。


(クリックすると少し大きな画像が出ます)

まずは5冊を裁断しました。


(クリックすると少し大きな画像が出ます)

中身はこんな感じです。ただ、今回始めて盛り込んだ『ギミック』はこの写真だけでは判らないので、一見、今まで作ってきた同人誌と何ら変わらないように見えます。
 それが何か、ということにつきましては、できれば17日インテックス大阪までお越しいただいてご確認願えればと思います。

 それでは、残りを仕上げて即売会に備えましょう。明日から少しずつ片付けて、この週末の3連休で何とか全部完成できるんじゃないか、と思っております。

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今日は実家でお節をたらふく食べ、「名産」のお土産も買って帰ってきました。

2010-01-02 22:53:24 | Weblog
 年末の天気予報では、元旦は厳寒大雪の可能性が示唆されていたので、今日は無事実家に帰ることができるだろうか? と危惧しておりました。でも、明けてみれば穏やかな冬晴れの一日で、もちろん道に雪も凍結した路面もなく、すんなり自動車で往復出来ました。毎年、今年は無事峠を超えられるか気をもみながら実家へ年始の挨拶に向かうのですが、考えてみると今まで一度も雪などにより足止めをくったりしたことがありません。自分で思っているほど、この地方は、この時期雪など滅多に降ったりしないのかもしれませんね。

 さて、実家に帰ると必ず立ち寄るのが、京阪枚方市駅前のショッピングセンタービオルネ、その地下一階の食品売り場奥に店を構えている「肉のもりおか」さんです。
 ここの、1個50円のコロッケがもう絶品で、必ず買って帰るようにしております。私はおいしいコロッケには目がないので色々探しては買い求めたりするのですが、なかなか「当たり」を出すことが出来ません。近所の地元スーパーの惣菜で合格点なコロッケを売るお店もあるのですが、ここは残念ながら味の振れが大きく、なかなかおいしい時もあれば、「なにこれ?」と首をかしげたくなる時もあり、購入は一種の賭けになりがちです。それに引き換え、「肉のもりおか」のコロッケは、未だかつてはずれたコトがありません。揚げたてはもちろんですが、冷めてもおいしく、持ち帰ってからでも十分楽しめるのです。
 枚方にはもう一軒、素晴らしいコロッケを出すお店があります。枚方市駅から歩いて10分くらいのところにある佐野精肉店さん。こちらのコロッケも相当イケるものがあります。
 それにしても、どうしてコロッケでそんなに味に差が出るんでしょうね。ひとつは香辛料の使い方だとは思うのですが、うちの近所の味に振れのあるスーパーのコロッケは、たまに辛くて目にしみるほど胡椒が効いている時があって、単に香辛料を効かせればよい、というものではないことを証明してくれる事がありますが、多分絶妙の味を出すための最適解のような香辛料の効かせ方がまずあるのでしょう。後はじゃがいもに混ぜる肉の量や質、周りにまぶすパン粉の質、上げるときに使う油の内容や温度、揚げ上がりの判断、などなどと言った諸要因が適度に組み合わされて美味しいコロッケに仕上がるのだろう、という想像はつくのですが、ではそのそれぞれの最適解はどんな条件になるのか、考えただけで途方にくれます。
 それら不可思議な技を解析するツールとしてメタボリック・プロファイリングという手法がありますが、それぞれのポイントポイントで影響する項目を虱潰しに洗い出し、それぞれの項目の測定方法を決定してきっちりデータを取っていかないといけないので、それはもう膨大な作業量になってしまいます。そんな手法で解析せざるを得ない、かつそれで完全な解析ができるとは限らない神秘な技を毎日滞りなく再現する旨いお店の店員さんというのは、まさに神の寵愛を受けるにふさわしい職人さんなのでしょうね。
 それにしても、こちらにも美味しいコロッケ屋さんが無いものでしょうか。

 
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