かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

トンネルの安全調査、結局頼りになるのはベテランの金槌なのですね。

2012-12-03 20:57:48 | Weblog
 今日はいい天気で昼間はそれなりに暖かかったですが、朝はひどい霧で往生しました。うちの近辺が特にひどく、濃密に垂れ込めた白いヴェールに包み込まれ、対向車も歩行者も直前に迫るまでは全く感知できないような有様でした。もちろんそんな状態でアクセルを踏み込めるわけもなく、しばらくはのろのろと車列についていくよりありません。ここでこんな調子なら、はるかに山に近い職場の霧はいかばかりに深かろうか、と戦々恐々としながら車を進めたのですが、時とともに日が射し始めたこともあったのか、進むにつれて霧も薄く晴れてきて車の流れも格段によくなり、結局、いつもより5分ばかり遅れた程度で職場にたどり着きました。さすがに今日ばかりは完全に遅刻するだろう、と覚悟していたのですが、案外何とかなって助かりました。
 
 さて、中央自動車道のトンネル天井崩落事故、復旧には1週間くらいかかるそうですね。現場の状況をお昼休みにTVのニュースで見ましたが、周りの木々がうっすらと白くなっていて、既に雪が降り始めているのが印象的でした。また、当然と言えば当然ですが、国土交通省が近いうちに同じ構造のトンネルの緊急点検を指示するとのことで、全国に29カ所あるとされる吊り天井型トンネルで、打音で異常の有無を測るベテランによる調査が近々始まることでしょう。
 それにしても、そのような調査技術を有するベテラン技師というのは全国に何人くらい居らっしゃるのでしょうか? この手の技術は教えられたからすぐできると言うものではなし、そういった「腕」を持つベテランが定年やリストラで社会からリタイヤして行くのですから、今後ますます先細る一方なのではないか、と危惧いたします。それに、まだ人手で行っていることからしても、多分それを代替する機械的な検査手法もないのでしょう。あるいはあるけどやたらとお金がかかるとか時間がかかるとかメンテが大変とか数が少ないとかオペレーターが少ないとか、何らかの制約があるからこそ、人の手と金槌で調査が行われるのだろうと想像されます。
 我が国では技術者の地位が不当に低く、リストラでも真っ先に切られて、致し方無くオファーのあった中国などに行けば売国奴呼ばわりされたりして、その扱いはとにかくかわいそうの一言に尽きます。社会システムが円滑に維持運営できるのはそう言った技術者達の献身的な努力によると言っても過言ではないだろうに、もう少し何とかならないのか、と言う気がしてなりません。これから次々とインフラの経年劣化が表面化してくるんじゃないか、と疑われる昨今、この種のベテラン技師の「腕」を失わないように、やらなくちゃいけないことが多々あるような気がします。


コメント
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