いい国作ろう!「怒りのぶろぐ」

オール人力狙撃システム試作機

海賊狩りは戦争じゃない

2008年10月05日 16時22分43秒 | 外交問題
この前、ソマリアの海賊の話を書いたが、この「海賊退治」には給油が必要だという論調が新聞等のマスメディアの中にあるようだ。昨日の読売新聞朝刊にその旨が述べられた記事が出ていた。因みに、ルカ伝の「善きソマリア人」とは関係がないみたい。「Good Samaritan」は法学世界ではよく知られているが(アシモフの黒後家シリーズ中にもあったな)、「Somali (Democratic) Republic」(国としてのソマリア)は全くの別物。Samaritanをカタカナ表記にすると、「サマリア人」と「ソマリア人」みたいな別々の表記があるので混同を招き易いのかも。


何遍も言いますが、こういう「海賊」とアフガンで行われている「テロ戦争」は違うんですよ。全く関係のない話に過ぎない。
大体が「口から出まかせ」論法みたいなもんだろ?(笑)
給油継続とは何らの関係もない話だと、百万遍言っておろうが。

ソマリアの海賊対策どうする 貨物船乗っ取り1週間 国連安保理決議も決め手なし 12ページ - MSN産経ニュース

現状は大体こんな状況ってことで、アフガンの戦争とは無関係。イラク戦争とも何ら関係なし。そもそも、給油継続を正当化する理由として、海賊退治なんて使えるわけないだろ。

◇◇◇


インド洋沖に給油艦を派遣する時、「ソマリアの海賊」退治の話を誰かしていたんですかね?
当時、そんな話はしてなかったでしょ。
対テロ戦争だって?出鱈目言うんじゃないよ。


本当に議論したと言えるのか~特措法のこと

この記事中でも指摘したことだ。「テロではなく海賊だ」と言ってるにも関わらず、「テロとの戦い」だの御託を並べてるんだろ。アホか。
で、今度はソマリア海賊が目立ってきたら、「海賊退治には給油活動が必要だ」って、なに調子いいこと言ってんだよ。その時々で、都合よく理由付けしてるだけだろ。

ああ、それと、日本が給油活動を止めると国際社会から孤立し信頼を失う、とかいう暴論ですが、それは嘘ですから。
考えてもみてごらんよ。
『給油活動を実施していたのに』、ジャパン・パッシングだ、なんだと泣き言を並べていたのは、一体何なのよ?
もしも給油活動を頑張っているので、日本は偉いね、日本有難う、日本バンザイ、とか褒められて、日本の国際的信任は高まり、日本に大きな国益をもたらしたとでも言うか?(爆)
それが本当なら、誰1人として「ジャパン・パッシングだ、いやいや、ジャパン・ナッシングだ」などと大騒ぎして、涙目になったりする必要なんかないんじゃないか?給油活動をすることで国際社会に多大な貢献をしているのだと認められてるなら、パッシングだのナッシングだのと余計な心配することなんて有り得んだろうよ。この国の指導者たちは、そんな頓馬ばっかりですか?
給油をしているにも関わらず、「国際社会の信認を高めている」なんてことはないんじゃないの?だから、パッシングだの、ナッシングだのと「無視」されるんだろう?いい加減に、その間抜けぶりに気づけよ。やるだけ無駄なんだって。給油したらかといって、誰1人として日本の国際的地位が上がったなんてことは思っていないんだよ、ボケが。ホントに上がってんなら、ナッシングになんかならないんだよ。

ところがどうだ?
日本が当てにしていた兄貴分の米軍にでさえ、「お前ら、ホントに使えねーな、もうどっか消えろや、いらねーから」と足蹴にされてんじゃないか(笑)。一昔前の、「アッシー君」とかと同じで、都合よく利用されてるだけだろ。だから、やるだけ無駄なんだって。給油活動で日本に利益なんか「これっぽっちも」ないってことが、明らかとなったってことだよ。いい金づるってだけ。本当に作戦上困るなら、何カ国もの指導者が継続要望に訪れるので、総理大臣の前に列ができていることだろうw。ところが現実はどうかと言えば、みなさんスタスタ通り過ぎていくので、日本は眼中にないことが明白であり、それをショボーンと涙目で見ていて「パッシングされました~、完璧スルーされました~」と自分で勝手に「ナイーヴ」(笑)になってるだけだろ。こういう図が、本物のバカの見本だってことさ。



テロが武器を積んで何処に行くって?ソマリアに着いた船から荷を降ろして、わざわざアフガンまで届けるのか?(笑)
そりゃ、バカのすることだろww。テロの頭目が本格的なアホでもなければ、そんなことは計画せんだろうね。
因みに、戦車や武器を積んだ貨物船が「ソマリア海賊」によって乗っ取られたが、ウクライナ船だったなw。しかも産経記事によれば、ケニア着の武器が「スーダン」送りになるという可能性が指摘されており、「アフガン向け」ではないみたいだけど。海賊退治とアフガンを結びつける線は、今のところ「極めて根拠薄弱」ということだ。

何度も言うが、「テロとの戦い」だの「アフガンでの戦争」だのには、給油活動はそもそも無関係。
海賊の話は、ずーっと後になってから、つい最近注目されてから出されてきただけ。
なんですか、「海賊退治」の為に国家間の戦争をやるってか?
世界を股にかけるPrivateer(笑)
米国やNATO軍がアフガンでやってる戦争は、海賊には関係がない。

ソマリア海賊の対処としての安保理決議は完全に別。1816号(08年6月2日)である。
なので、給油活動の根拠とすることは絶対に不可能。決議の効力を過去に遡れまい?

外務省 ソマリア沖の海賊・武装強盗行為対策に関する国連安保理決議の採択について

海賊が目立ってきたからといって、海賊、海賊って都合よく補給艦派遣理由に使うな。それなら、「テロとの戦い」なんて最初から言うんじゃないよ。
ソマリアは『ブラックホーク・ダウン』で取り上げられたように、前から問題を抱えた国だ。米軍はその後、介入するのを止めてるじゃないの。アフガンには介入するけど、ソマリアは放置ってか?(笑)
海上での海賊行為があろうと、安保理決議があろうと、ソマリアには戦争しに行ってないだろ。なのに、何故アフガンには行くのか?
安保理決議自体は、ソマリアもアフガンも同じようなものだ。国連憲章7章発動なんだし(参考:自衛隊のインド洋派遣に関する考察)。

アフガン戦闘におけるNATOの根拠決議でも、ソマリアの海賊掃討の7章下の武力行使でも、意味合いとしては同じでしょう。なのに、アフガンとソマリアが同じ対応とは思えませんな。欧米諸国の特別な思惑でもあるんでしょうか。


ああ、それから、話は少し飛ぶけど。
心配するなら海を守れと前から言ってるのに聞き入れない連中はいる。

後付けで、海賊が云々って言い出すのさ。便乗以外のなにものでもないんじゃないかと思うね。


参考:
クラスター爆弾の補足編

クラスター爆弾の補足編・2

発端になった産経記事ね>意味のない防衛計画~「クラスター爆弾」について(追記)


それから、例えば身代金+積荷損害に100億円払ったとしても、給油等活動費に500億円とかかかるなら、金を海賊に払った方が得ですから。一応、経済学者に尋ねてみたらいいと思いますよ。100億円の活動費で、身代金+積荷が50億なら、やはり金を払う方がお得です(爆)。船ごと奪われて返ってこないとか、破壊されるというのであれば、船の値段分は考えなければならんでしょうがね。こういう時にこそ、経済原理とか言わないことが疑問だな。





最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。