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”ConsumerReports”の重大な懸念を報じないマスメディアの不思議

2010年05月09日 14時23分42秒 | 社会全般
以前にも取り上げた。
かつての栄光を失った「コンシューマーリポート」


これが問題のreport、updateは13日PM1:30>Consumer Reports Cars Blog: Don't Buy: Safety Risk--2010 Lexus GX 460

コンシューマーリポートは何と言っていたかというと、こうだった。

We believe that in real-world driving, that situation could lead to a rollover accident, which could cause serious injury or death. We are not aware, however, of any such reports.
……
In real-world driving, lift-off oversteer could occur when a driver enters a highway’s exit ramp or drives through a sweeping turn and encounters an unexpected obstacle or suddenly finds that the turn is too tight for the vehicle’s speed. A natural impulse is to quickly lift off the accelerator pedal. If that were to happen in the GX, the rear could slide around far enough that a wheel could strike a curb or slide off the pavement.

Either of those scenarios can cause a vehicle to roll over. And because the GX is a tall SUV with a high center of gravity, our concern for rollover safety is heightened.

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まさに、風が吹けば桶屋が儲かる式の解説である。横滑りする、だから、もし縁石に当たるとかコースアウトするとかになると、「横転の危険性が高まるね」という話であって、元々はESCの動作は不十分ではないか、というのが論点である。

・「lift-off oversteer」の発生
・リアが流れる、スライドする

ということであって、横転は更に付随的な条件が重なれば、というだけに過ぎない。強引なこじつけ的解説である。ニュースに流す時には、「横転の危険性」というのだけが強調されていた、ということである。


参考に他の報道記事を見てみよう。
こちらの記事は、コメントが既についている13日AM8:13よりも前にアップされたのであろう。その後にupdate版が出されたのが、表記のPM1:16なのであろうと予想する。
Consumer Reports calls Lexus SUV safety risk' | Reuters

"It is another chink in their armor and an indication that perhaps they do have software problems not only in this vehicle but in other vehicles as well," Virag said.

Consumer Reports said the sliding its test drivers found in the GX 460 could cause rollover accidents resulting in serious injury or death. It said it knew of no reports of such accidents.
……
Consumer Reports said the vehicle's electronic stability control did not intervene quickly enough to stop the vehicle from sliding out in a turn. When pushed to its limits, the rear slid out almost sideways before it regained control.

The magazine said the risk of a rollover accident in the GX 460 was significant because it is a tall SUV with a high center of gravity.

It said no other SUV had slid as far as the Lexus in its recent testing, including the Toyota 4Runner.


これを読む限りは、読み手の受け取り方として、レクサスGX460という車は、
・(この車だけじゃなく他のトヨタ車も)電子制御プログラムに何らかの問題があるんだろう
・深刻な怪我や死亡を招く横転事故の原因が車両にあるとテストドライバーが言ってる
・コントロール回復前に大きくスライドしてしまうような役立たずのESC
・重心が高い車だから横転事故が起こりやすい
・ここ暫くテストしてきた中で最低の車

というようなことでしょう。
いや、当方は英語が苦手なもんで、正確に把握できるわけじゃないんだけどさ。読んでみたら、ああ酷い伝わり方だな、というふうには思いますね。

偶然発見した、こちらの記事でも朝にアップされているので、用意周到にウェブ掲載が発表される前にリリースを準備していたということなんでしょう(笑)。

13日AM9:03>Consumer Reports issues concern over Lexus GX 460 handling [Video]


因みに、コンシューマーリポートの公開している動画は、ロイター記事の車とは異なるんだよね。

米誌、レクサスSUVの「買ってはならない」を解除 | レスポンス自動車ニュース(Response.jp)

で、新たに公開された動画と、上の13日のロイター記事の写真は同じなんだな(笑)。どうしてなのか知らないけど(よく見ると、同一写真だよね。4月13日のロイター記事が出しているのも、5月8日のレスポンス記事は全く同じ。元の画像がコンシューマーリポートから拾ってきたもの、ということであれば、同一でも不思議じゃないね。その場合、4月13日の動画だけが別な車というのは、不自然ではある。写真と同一車両を用いれば済む話だから)

コンシューマーリポートの4月13日に公開した動画は、「別な車」なんじゃないの?
しかも、今回の動画は4月13日の動画の撮影場所とも異なるんだよね。何で、こんな面倒なことをするのだろう?
あるとすれば、4月13日の動画を「ある目的」の為に撮影して流した、というようなことではないのかな?
コンシューマーリポートが買ったという車は、今回並べて出されている車であって、13日公開の車ではないんじゃないですか?Beforeの映像に使われているのが、どうして13日公開の車と同じじゃいけないんですかね?(笑)
普通、前に動画を公開した車と同じのを選ぶんじゃありませんかね?


全くの個人的な推測を書いておきますよ。陰謀論ですな(笑)。
最初は、普通にテストをしてみて、撮影したんだろうと思うんですよ。
そうすると、思ったほど(横転危険性の)インパクトを与えられないということで、別なドライバーに別な場所での撮影を頼んだんではないですか?
意図的な運転操作を行って、動画を作ったんじゃないですかね。
それに合わせて記事を作り上げれば、「はい、一丁出来上がり」ですな。

 非常に危険な車!
 横転するような車!
という印象を与えることができる、と。ふーん、なるほどね。さすがは、デトロイト。そうして、販売停止とリコールに成功した、と。レクサスの横転危険性を殊更強調することに成功した、と。


今回の、lift-off oversteer ですがね、これは別にレクサスのSUVなんかじゃなくたって起こせますよ。ポルシェでだって、起こりますから。
ポルシェ911GT3(6MT)【短評】


はっきり言っておく。車の装備というのは、限界があるの。一番端的なのは、「ブレーキ」だろ。運転者が意図した場所で止まれる、という装置じゃないでしょ。どんなにブレーキ性能を上げても、猛スピードでブレーキをかければ、完全停車できないんですって。そんなの当たり前。それは「運転者の責任」なんだよ。


まとめると、以下のとおり。

◎物理的法則、物理現象の全てを防ぐことはできない:

当然だろ、こんなの。VSC(ESC)だの、ABSだの、そういった装備は車の安全性を高める為に、物理現象の「緩和」は可能にするが、完全防止は不可能である。これは欠陥とは呼ばれない。制御プログラムの問題以上に、たとえば「ブレーキペダルの甘さ(遊びや踏力の問題)」の方が、はるかに影響が大きい。


◎横滑りやテールスライドと、横転は別問題:

横転を防ぐには重心移動を小さくするとか、重心の高さを低く保つということであって、サスの硬さなんかが関係する。横滑りで横転は発生しない。
lift-off oversteerは、滑る現象についてであり、横転には直接的には関係しない。


◎lift-off oversteer は他の車種でも起こせる:

どうして、他の車種を問題としないのかが疑問である。「縁石に当たる可能性」や「路外に飛び出す可能性」なんてものは、他の全ての車種について言えることである。コンシューマーリポートは、他の車では縁石に当たるはずがない、とか言うつもりなのかもしれんがね。



こういう疑問だらけのリポートについて、何故誰も問題にしないのか、日本の報道機関は鵜呑みにして流すだけなのはどうしてなのか、本当に不思議である。



ちょっと追加です。

コンシューマーリポートは、「不買を解除した」と言うわけだが、この措置についても疑問がある。彼らのとった行動とは、NHTSAとの協調である。4/13の文中にも書かれていたであろう。そして、米国運輸省は「独自調査をすると発表」したわけだ。

時事ドットコム:米運輸省、トヨタ「レクサス」調査へ=横転の危険性指摘で-メディア報道

で、彼らの公式報告は出たのか?
電子制御について調べるといいながら、どうなったんですか?
発表もないのに、不買解除とはこれ如何に。


何度も言うようだが、情報操作なんてものは、そう難しいものじゃない。

4月12日>米国運輸省の恣意性が明らかに

この中で指摘しておいた通りだったろう?

『まあいずれにせよ、当方が書けば書くほど、トヨタは窮地に追い込まれる、ということになるな。そっとしておいてほしい、ほとぼりが冷めるまで静かにしていたい、そういう思いがトヨタ側にはあるかもしれないが、ここで終わって米運輸省の言い分が通ってしまうと、今後の工業製品はどんなものであろうと同じ手を使われることになる。だから、トヨタがかりに生贄となってしまうとしても、退くわけにはいかないということになるな。

証拠によらない、「消費者側の過失や責任」というものを完全に無視した主張が認められれば、どんな言い分だろうと通用するよ。』


謝るとか、ギブアップするまで、向こうはやる気でやってきているんだよ。
参った、と言うまでやるに決まっているんだっての。どうしてかといえば、向こうには何らのダメージもないから、だ。
だから、いくらでもやってくる。どんな手でも使ってくる。ありとあらゆるチャンネルを使って、ブラジルだろうとどこだろうと、できることは何だってやってくる。

そういう相手なのだ、ということは、肝に銘じておくべきだろう。





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