いい国作ろう!「怒りのぶろぐ」

オール人力狙撃システム試作機

大勝利!!台湾戦

2007年12月03日 22時06分53秒 | いいことないかな
初回の新井に死球だったのが取り消されて、大ラッキーの先制点。今日も相手のミスにすかさず1点をもぎ取る。
意外に両投手の投げ合いが続く。
ダルビッシュは球の感触が悪いのか、酷いワンバウンドの球が多かったりして、かなり荒れ球。それでも悪いながらも、無得点に抑える。
しかし、6回に投げた外の球は狙われていた。
上位打線は外の球を右打ちするのを研究していただろう。ライトへの大きなファールがあったが、あれは研究の成果であったろう。
痛恨の逆転2ラン。

しかし、その裏、またしても相手のミスでチャンスを掴んだ。
村田が死球、続く稲葉には打たせた。いかに当たっているとはいえ、勇気のある選択だった。
それに見事に応えてヒットで繋ぐ。

ここで意表のランナー、主将の宮本。
速さだけなら、荒木もいるのに敢えて宮本だった。もしスクイズを想定して宮本を選択したのなら星野監督も宮本も凄いな。
里崎のバントは上手くなくて、ピッチャー正面に転がった。
しかし、宮本のスタートは良く、3塁セーフ。満塁の大チャンス。

今日は打順が9番に下がっていたサブローという、まさに運命。
里崎と逆だったら、違ってたかもしれない。
3塁ランナー宮本とスクイズのサインのタイミングを計っていたのかもしれない。
しかし、サブローは落ち着いて決めた。凄い!
昨日も偉かったけど、今日もよく決めたよ。
あんなにプレッシャーがかかる場面で、事も無げに決めた。

代走宮本、サブローのスクイズ。
まさにドラマの筋書きのようだ。
これで一気にみんなの気持ちが解けていった。
初回以降攻めきれずホームが遠かったが、貴重な1点が入った。
以後、ビッグイニングの一挙6点。
全部が単打。
ホームランじゃない、つなぎの得点。
日本チームを象徴する打者一巡以上の攻撃。これが野球の怖さだ。

ホームランは確かに破壊力は大きいが、単打の攻撃はボディーブローだ。
じわじわ効いていく。ピッチャーの投げる球も難しくなる。
1~3番は足があるから、ゲッツーもあまり心配しなくていい。
西岡、川崎連続タイムリー、新井、阿部のタイムリーを呼び込めた。
素晴らしい集中力だった。
代走宮本、サブローのスクイズが魔法のように呪縛を解いた。


後は勝利を待つのみ。

藤川が伸びのあるストレートで抑えた。予定通り。

ああっ、青木長打、新井2ランだ!
阿部長打、荒木代走でまた1点だ。
台湾がちょっと可哀想になってきた。


上原の仕上げを見るだけだ。

いやー、勝ったよ。ナイスゲームだ。
野球というゲームはやっぱり難しいな。


運命を分けた8回の攻防~日韓戦

2007年12月03日 17時00分40秒 | いいことないかな
今日も大事な台湾戦だけど、多分波に乗って勝つと思うよ。

昨日の8回の攻防が大きな山場だったので、もう一度振り返りたい。

表、日本の攻撃。先頭阿部がショートの頭上を越える打球。
1塁を回った後で阿部は微妙なタイミングながらも2塁へ猛然とダッシュ。
フェンスに到達する前に打球に追いついていたので、迷ってたらアウトになってた。
あの走塁が運命を分けるお膳立てとなっただろう。

星野監督は1点をもぎとりに行く。
絶対に点を取って、試合を決める、という決断だった。
好調かつ捕手という阿部に代走荒木。
あそこで点を取れなかったら、大変なことになっていたかもしれない。
打者稲葉。
韓国はすかさず投手交代でデカイ左投手を投入。
割とストレートで押すタイプだった。
ボールが3球続いた後の1-3からの5球目。
待っていたストレートが来たので振りにいく。しかし、空振り。
外角低め一杯のギリギリのいい球だった。球速もあった。
あの空振りで自信を取り戻した韓国投手。
次も渾身の力でストレート。さっきの5球目のコースとほぼ同じ。
稲葉は辛くもバットに当てた。危なかった。
5球目の軌道が目に残ってなければ、三振だったかもしれない。
これをバットに捉えたことが大きな意味があった。
次の7球目。連続ボールになった時に投げた球。外角速球3つの後の変化球。
裏をかかれた上に、ストライクゾーンから低めのボールになる難しい球だった。
稲葉のバットは止まるわけがない。が、驚異的バットコントロールで当てた。ファール。
ストレートだろうと思ってたところに、落ちる変化球。よく当てた。
この後、更に2球ファールで粘り、10球目を引っ張ってライト前タイムリー。

「稲葉の10球」として記憶に残る一打だった。


8回裏、韓国の攻撃。
4番がセンター返しで1塁へ。5番のデブは前の打席で川上から死球をゲットした男だった。
インサイドのシュートに対し左膝を前に出して、ワザとぶつかりに行ったのだ。
この打席でも同じく岩瀬のインコースに当たりに行った。
成瀬の投球の前に連続三振、しかも3球三振も食らっていたので、打てる気がしなかったからだろう。
ノーアウトで1、2塁のピンチ。
次打者送って、1アウト2、3塁。セオリー通り。
そして、レフトにフライが上がる。やや下がってキャッチ。
難しければバックホームしない、と確認していたので、2塁ランナーの進塁を防ぐ。
韓国3点目が入った。

この時の選択が重要な意味を持っていた。
もし、日本の4点目が入ってなければ、恐らく思い切ってバックホームすることにしていたかもしれない。
そうなると、同時にスタートして2塁ランナーは3累にタッチアップしていたかもしれない。
ホームでアウトにできず3点目を取られ、更に3塁にランナーを残すことになっていたかもしれない。
4点目があったからこそ、3点目は取られてもしょうがない、アウトカウントを確実に取れ、という作戦にできたのだ。
次打者はこの日2塁打を放って2点目を叩き出した打者だった。
この打者は2-0から粘って、レフト前に打球を放つ。
2アウトだったので、2塁ランナーは勿論スタートを切っていた。
打球は森野の横っ飛びをすり抜けてレフト前へ転がった。

レフトのサブローが猛然と前にダッシュ。素早くゴロを拾ってカットマンへ送球。
2塁ランナーは「ホームに帰れる」と思っていたのに、3累で止められ慌てて戻る。
このヒットで追加点を許さなかったことが、結果的には勝利を呼んだのだった。
さっきの犠牲フライでホームへ投げ、2塁ランナーが進塁していたら、同点になっていた。

続いて代打を送ってきた。が、韓国は打者を出すまでに5分くらいは時間をかけてきた。
岩瀬はヘンに間が空いて、プラプラしてなければならなくなった。肩も冷える。
集中力も途切れるかもしれない。
妙な焦らし戦術だったが、再び岩瀬の投球。ランナー1、3塁で、ピンチに変わりはない。
2-2からキャッチャー矢野がインサイドに真っ直ぐを要求。
微妙な判定やイヤな死球があったが、岩瀬を信じたのだった。
外の変化球を予期していたであろう打者は手が出なかった。
球はドーンとミットに収まって、三振に仕留めた。

「2点目を取らせない」
いくら監督が信じていたとはいえ、難しい場面だった。
特に、レフト前の打球で、サブローがランナー生還を食い止めたことが大きかった。

結局8回表の1点がものをいい、反撃を抑えて勝ち切った。


思えば、2回のチャンスにサブローのレフト前タイムリー、森野のラッキーヒット、3回阿部のタイムリー、8回稲葉のタイムリーと、みんなバラバラでに打点を挙げている。幾度かチャンスを作って攻めの確率を上げることができた日本が、その通りに勝ったということであろう。まさにみんなの勝利だ。


ところで、宮本さんは選手(主将)として呼ばれていると思うが、昨日見てたら殆ど監督みたい、と思った。凄いね。

今日も日本チームに期待している。
きっと決めてくれるだろう。



※ちょっと追加。


この記事が中々面白い。

コレ>北京五輪野球:韓国、決定打不足に泣く Chosun Online 朝鮮日報


『戦力はわずかな差だった。しかし集中力の差で明暗が分かれた。とはいえ、ワンランク上の戦力を相手に善戦したのは称賛すべき点といえる。』

一応、日本の戦力の方が上だ、という見方をしているんですね。これ意外。素直じゃないですか。善戦が称賛すべき、というのも、好感が持てるよ(笑)。
でも、

『投手力の面で劣勢の韓国はこの日、試合前に偽装オーダーを組んで日本を翻弄(ほんろう)したが、チャンスで集中力の差が出た。』

って、何じゃ?と思ったよ。
「偽装オーダーを組んで日本を翻弄」って、翻弄されてないと思うけど。
多分日本の監督・コーチは韓国の戦力分析をやっていても、自分のチームの編成を優先して考えるから、相手によってあんまり大きく変えないと思うけど。そもそもそんな作戦をあれこれ立てられるような方々ではないよ。
特に、打撃陣は田淵、浩二のコンビだよ?
とりあえず調子のいいものを優先、国際試合経験とか、そういった部分も大きいと思うよ、やっぱ。

なので、韓国選手がどんな人だから、ということで細かくオーダーを入れ替えたりしないと思う。それと、バッターの分析なんかも、さほどインプットされてないと思うし、ごく一部の人(ばかデカイ人とか)の見分けがついても、後は誰が誰だか全然思い出せないもん。多分阿部はピッチャーのいい球を優先して投げさせたと思うけど。あとは野性の感では?

なので、偽装オーダーと実際の試合のオーダーでは、どのくらい注意点が変わったのかはよく判っていなかったのではなかろうか?、と。それより、自分たちの力を発揮する、ということだったんではないかな、と。相手に合わせてもしょうがないもんね。

最後に、
『特に、主軸の金東柱と李大浩がチャンスでことごとく凡退したのが痛かった。』という部分だけど、これは日本が学んだことなのだ。
パンチ力はあった方がいいけど、三振が少なくコンパクトなバッティングができ、守備が良く走れるタイプの選手であれば、こうした「主軸が不振だった」みたいなことにはならない、ということを学んだのだ。長打で打ち勝つのは、相当実力がなければ難しい。パワーでは外人に負けることも多いのだから。日本人には日本人に向いた戦い方がある、ということ。それをキューバやアメリカとやって、勝ってきた経験があるからこそ、今の形ができてきたんだろうと思う。

実際ホームランなんかそんなに打てなくても、ロッテやハムや中日はアジアシリーズで優勝してきている。そういう野球の形もある、ということ。
06年のアジア大会では日本のアマチュアチームが打力主体で戦って準優勝したけど、打撃戦を挑むことは苦手というわけでもない。韓国には10-7でサヨナラHR勝ちだったみたいだし。でも、台湾には逆にサヨナラ負けだったけど。要するに確率の問題なのだな。

勝つ確率が高い方、つまりは負けにくい戦い方を選択するというのは、賢明ということだ。特に一発勝負においては。一戦必勝が求められるのだから。そういうことなんではないかな、と。



装備調達は直接調達でなければならないか

2007年12月03日 13時59分44秒 | 防衛問題
今回の事件を受けて、調達方法の見直しが進められることとなった。

NIKKEI NET(日経ネット):政治ニュース-政策、国会など政治関連から行政ニュースまで

防衛省は防衛装備品を海外メーカーから輸入調達する部門を増強し、商社に依存しなくとも適正価格の見極めや輸入手続きなどができる体制づくりを進める方針だ。海外に駐在し、見積価格などを精査する「輸入調達専門官」の増員などを検討する。商社が介在する現在の仕組みのままでは、調達の明朗化は困難と判断した。

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問題となるのは、商社に依存することが悪いのではなく決定過程の問題なのであって、これは基本的には手続論なのではないか。調達専門官とかを増員したりせねばならないので、結局コストが増加してしまい、外部委託(=納入商社に任せる)よりも長期的にコストが増加することになってしまえば意味がないということである。

大まかに、主要装備品とその他で分けて考えた方がよいだろう。主要装備品は必ずしも「価格」が第一条件となってくるとは限らないからである。品質、すなわち要求される性能といった部分の比重が大きいと思うので、何が何でも低価格品じゃないとダメだ、みたいな話にはならないからである。これを踏まえて、考察してみたい。


1)総論

いつもの例で申し訳ないが、自分がビールを購入する時の例で考えてみることにする。
まず、自分が普段よく利用する量販店があるとして、そこでビールを売っているものとする。一番安いビールを求めて街中を彷徨い歩いたりするのは面倒だし、他の買い物ついでにビールを購入することが多いだろう。この時の価格が「街中で一番安いのか」と問われれば、それは判らないことも多い。一番低価格ではないこともあるだろうが、概ね「購入してもよい」価格となっているだろう。少なくとも、近所にあるコンビニとか、自販機に比べれば「安い」ということを知っている、という程度ではあるだろう。

ここで、自分は量販店がメーカーからいくらで仕入れているか、ということなど知ることはない。その必要性もあまりないと言えるだろう。少なくとも、量販店、コンビニ、自販機、酒屋、みたいな大体の価格帯の情報を知っていればよい、ということになる。メーカーの納入価を全て調べる必要などないのである。

メーカー → 中間業者 → 消費者 
という流れになっており、それぞれの段階で価格があるが、それらは違いがあるのである。中間業者のマージン率も判らないことが殆どであろう。ここからは、最初の段階の価格を「メーカー納入価」、最終段階の価格を「購入価」と呼ぶことにしよう。

今回の事件で問題となったのは、中間業者からの購入価が「吹っかけられた」ということであり、吹っかけられた価格で利益を得た中間業者が不正の原資として使っていた、ということになる。防衛省側が「正しく選べる」という体制になっているのであれば、中間業者を使っても使わなくてもどちらでもよく、中間業者を使った場合のコスト増加分と使わなかった場合の防衛省側のコスト増加分との比較の問題ということになる。なので、商社が介在していること自体が不正を生むということにはならない。得になる方を選べばよいだけである。ビールで言えば、メーカーが行っている直接通販を利用した方が安いのであれば(実際にはそんな制度はないと思うけど)、自分が発注とか価格調べの手間暇はかかるけど、そちらを利用すればよい、ということだ。


住宅購入のような場合でも、建設関連業者が全ての納入を直接行うわけではないことが多いだろう。建主は細かい見積書をもらっても、基礎工事代、電気工事代、水道工事代、みたいに複数業者との直接取引を行うことは少ないだろう。建設関連業者の数はかなり多くなってしまい、それぞれ個別に価格の比較などを行ったりするとコストが嵩むし、内容全部を専門的に判断できるとも言えないのである。なので、中間業者的に、設計士とかパッケージ的な業者などを通じて「1棟丸ごと」の価格や長期的ランニングコスト比較などを行って、購入を決定するだろう。個々のクロス代金が相場よりも高かったとか、サッシが割高だったとか、網戸とスイッチ基盤は吹っかけられたとか、そういうのを全部調べていたら、自分が全ての専門業者と同じ知識でないと無理なのだから。

なので、購入する側が「1棟丸ごと」の価格一覧表みたいに比較検討できる体制となっていればよく、商社利用はあってもなくてもどちらでもよいだろう。コストの少ない方を選べばよいだけである。全てのメーカー納入価を正確に調べることよりも、購入価を比較検討できるようになっていればよい、ということである。


2)主要装備調達に関して

先日触れたように、技術研究本部(技本)があるわけだから、専門的見地からの検討はなされるのであって、防衛装備においてはこうした専門性が優先されることは多いであろう。そこから本省の装備審査会議があるのであるから、基本原則としては、技本評価会議→装備審査会議、という決定過程を経ているはずであろう。

この手続を生かす意味では、正確な議事録を残すとともに、全ての資料を揃えて保管するべきである。後日検証できる体制としておく、ということである。また、予算の配分前に、こうした基本手続を踏むのが当然である。導入決定前に費用対効果の比較検討を綿密に行っておくべきである、ということだ。それがいい加減であるとアパッチ導入みたいに、無意味な出費が嵩むことになってしまうのだ。

また、主要装備については、要求性能が重視されることになるであろうから、必ずしも低価格品でなければならない、ということに拘る必要はない。効率よく調達できればいいだけであり、調達に関して不正な介入がないのであれば問題とはならない。

例えば自分でパソコンを組み立てて作る場合を考えてみよう(組み立てたことがないので全然判らず、超適当に)。
調達すべき部品は色々とあるし、性能に対する要求も多くあるであろう。
CPUは○○が王道だ、いや代替品の××製でもいける、ハイエンドマシンと同レベルでないと、普通に使うなら100ドルパソコンと同程度でもいい、ゲーム機だって性能いいよ、メモリは○○社製がいい、512MBじゃ話にならん1GBは必要だ、HDDは50GBもあれば十分使えるよ、いやHDDは250GBはあるべきだ、モニタは19インチじゃなきゃヤダ、CPUやメモリに高額品を使うならモニタは安くてもいいよ、最低2面は使わせろ、キーボードはやっぱり○○だよ、……等々、いろんなことがあるだろう。
でも重要なことは、(自分が)「使う場面を想定」して要求を出したり、自分の持ってるお金、つまり払える予算の大きさによって変わるし、優先事項も影響を受けるのである。必要となる性能は全員同じでなくても不思議ではないし、みんなに共通しているとは限らない、ということでもある。下手に自分で組み立てるよりも、始めからパッケージになってる出来合い品を求める方が楽になることだってあるだろう。

そういったことを導入前によく検討した上で、予算としていくべきであり、秘密事項なので言えないといった答えは明らかにおかしい話である。昔みたいに、「オレがF-22を何機持ってるか秘密だ」なんてことはないのである。普通に主要装備の情報公開は進んでおり、「ああ、アイツらあんなに買って増やしてんだな」みたいにお互い判っているのである。なので、迂闊には手出しできんな、みたいなことになるのである。どんだけ~、は関係ないけど、持ってる武器や量的なことが判らないのはテロの方々であって、主要国の装備というのは公開されている情報が昔に比べると多くなっているであろう。ましてや値段の話なんかは、隠してもしょうがないのである。

商社云々の問題以前に、調達過程が検証できるような体制をとっておけばよく、それは防衛省の内部的な話でもそうであるし、防衛委員会とか安全保障会議のような場において、防衛省外の人間の検証に耐えうるものになっていなければならないであろう。


3)主要装備以外について

どんなものがあるのか判らないが、食べ物とか下着の類まで色々とあるだろう。そういうものまで含めて調達業務の全てを防衛省内部でやらねばならないとすれば、膨大な作業となるので人員を大幅に増やさねばならないことになってしまう。これもあんまり効率的とも言えないであろう。ある程度一括して中間業者が請け負った方が安く済むことはあるだろう。

業者選定に関して不正があったりするのは防ぐのは難しい、ということがある。内部監査制度を整えて対応することも必要だろうと思うが、調達結果について情報公開するのが効果があると思うがいかがであろうか。

仮に、靴下を納入するとしよう。防衛省の内部で靴下のカタログを全部調べたりするのは大変だ。なので、面倒だからある程度の価格帯で靴下1万足でいくら、みたいに中間業者から購入するしかないだろう。安く納入できる中間業者から買えばよい、って話だ。中間業者は自分たちの努力で利益を出すのは構わないのではと思うが。業者Aが1足300円の購入価を提示したとしよう。この業者では1足100円のメーカー納入価で、差額200円分は業者Aの利益となる。他の全ての業者が300円以上の提示価格であるなら、自衛隊は300円で購入するのが得になるのであり、業者Aの利益率がどれ位とかは関係ない。問題となるのは、市販品を自衛隊が直接購入してくると200円でも普通に買えてしまう、みたいなことである。

主要装備ではないので、要求性能みたいなものは重視する必要がないことが多いであろう。使っていて、すぐにダメになるとか隊員たちから不評であるとか、そういうのはある程度は改善されるべきだが、同等品が普通に200円で買えるのに、「自衛隊特別価格」として中間業者が1000円で納入する、みたいなことがあると「官製価格ですね」とか「特定業者への利益移転と同じですね」みたいな話になるのである。一般人が普通に買えば500円するものを、自衛隊で大量購入するので300円で買いました、というようなことなら中間業者がいても誰も文句は出ないと思う。これを全部自前で調達、みたいなことになると、煩雑な作業が増えるだけで得にもならない。自衛隊内部で「300円で買える靴下」を自力で探し出してこなけりゃならない、ってことになってしまう。そうじゃなくて、全国で下着2万着購入するので、その分割安で納入できます、って業者がいるのであれば、そういうのを利用した方がいい、ということ。

こういうのを網羅的に監査するのも限界があると思うので、購入した情報を公開するのが一番なのですよ。普通の人たちには興味はないことが多いと思うけれども、中にはどうしても調べたい、という奇特な方々もおられるので、誰かが異常に気付いたりするものなのですよ。購入した商社とか業者を公開されても困る、とかあるのであれば、業者番号だけ載せておけば済むのでは。番号の同一性があればそれでよくて、番号ごとに納入額の実績を入れておけばいい。ヘンに癒着があると、同一の番号に限って妙に単価が高いとか、納入額が不自然とか、そういうことが出てくると思うので。

公開されると思えば業者も自衛隊も慎重にならざるを得ず、目立たない程度にしかできなくなるであろう。政治資金の公開情報で事務所費の不正計上がボロボロと出てきたのと似たようなものかな、と。



以上のことから、必ずしも全てを直接調達にするのがいいとも限らず、人員を増強しなければカバーできなくなって業務の効率が悪くなるのも問題である。手続的なことで回避できる部分や情報公開によって予防的効果を期待できるのであれば、そういった他の方法もよく検討してみるべきであろう。