今日も大事な台湾戦だけど、多分波に乗って勝つと思うよ。
昨日の8回の攻防が大きな山場だったので、もう一度振り返りたい。
表、日本の攻撃。先頭阿部がショートの頭上を越える打球。
1塁を回った後で阿部は微妙なタイミングながらも2塁へ猛然とダッシュ。
フェンスに到達する前に打球に追いついていたので、迷ってたらアウトになってた。
あの走塁が運命を分けるお膳立てとなっただろう。
星野監督は1点をもぎとりに行く。
絶対に点を取って、試合を決める、という決断だった。
好調かつ捕手という阿部に代走荒木。
あそこで点を取れなかったら、大変なことになっていたかもしれない。
打者稲葉。
韓国はすかさず投手交代でデカイ左投手を投入。
割とストレートで押すタイプだった。
ボールが3球続いた後の1-3からの5球目。
待っていたストレートが来たので振りにいく。しかし、空振り。
外角低め一杯のギリギリのいい球だった。球速もあった。
あの空振りで自信を取り戻した韓国投手。
次も渾身の力でストレート。さっきの5球目のコースとほぼ同じ。
稲葉は辛くもバットに当てた。危なかった。
5球目の軌道が目に残ってなければ、三振だったかもしれない。
これをバットに捉えたことが大きな意味があった。
次の7球目。連続ボールになった時に投げた球。外角速球3つの後の変化球。
裏をかかれた上に、ストライクゾーンから低めのボールになる難しい球だった。
稲葉のバットは止まるわけがない。が、驚異的バットコントロールで当てた。ファール。
ストレートだろうと思ってたところに、落ちる変化球。よく当てた。
この後、更に2球ファールで粘り、10球目を引っ張ってライト前タイムリー。
「稲葉の10球」として記憶に残る一打だった。
8回裏、韓国の攻撃。
4番がセンター返しで1塁へ。5番のデブは前の打席で川上から死球をゲットした男だった。
インサイドのシュートに対し左膝を前に出して、ワザとぶつかりに行ったのだ。
この打席でも同じく岩瀬のインコースに当たりに行った。
成瀬の投球の前に連続三振、しかも3球三振も食らっていたので、打てる気がしなかったからだろう。
ノーアウトで1、2塁のピンチ。
次打者送って、1アウト2、3塁。セオリー通り。
そして、レフトにフライが上がる。やや下がってキャッチ。
難しければバックホームしない、と確認していたので、2塁ランナーの進塁を防ぐ。
韓国3点目が入った。
この時の選択が重要な意味を持っていた。
もし、日本の4点目が入ってなければ、恐らく思い切ってバックホームすることにしていたかもしれない。
そうなると、同時にスタートして2塁ランナーは3累にタッチアップしていたかもしれない。
ホームでアウトにできず3点目を取られ、更に3塁にランナーを残すことになっていたかもしれない。
4点目があったからこそ、3点目は取られてもしょうがない、アウトカウントを確実に取れ、という作戦にできたのだ。
次打者はこの日2塁打を放って2点目を叩き出した打者だった。
この打者は2-0から粘って、レフト前に打球を放つ。
2アウトだったので、2塁ランナーは勿論スタートを切っていた。
打球は森野の横っ飛びをすり抜けてレフト前へ転がった。
レフトのサブローが猛然と前にダッシュ。素早くゴロを拾ってカットマンへ送球。
2塁ランナーは「ホームに帰れる」と思っていたのに、3累で止められ慌てて戻る。
このヒットで追加点を許さなかったことが、結果的には勝利を呼んだのだった。
さっきの犠牲フライでホームへ投げ、2塁ランナーが進塁していたら、同点になっていた。
続いて代打を送ってきた。が、韓国は打者を出すまでに5分くらいは時間をかけてきた。
岩瀬はヘンに間が空いて、プラプラしてなければならなくなった。肩も冷える。
集中力も途切れるかもしれない。
妙な焦らし戦術だったが、再び岩瀬の投球。ランナー1、3塁で、ピンチに変わりはない。
2-2からキャッチャー矢野がインサイドに真っ直ぐを要求。
微妙な判定やイヤな死球があったが、岩瀬を信じたのだった。
外の変化球を予期していたであろう打者は手が出なかった。
球はドーンとミットに収まって、三振に仕留めた。
「2点目を取らせない」
いくら監督が信じていたとはいえ、難しい場面だった。
特に、レフト前の打球で、サブローがランナー生還を食い止めたことが大きかった。
結局8回表の1点がものをいい、反撃を抑えて勝ち切った。
思えば、2回のチャンスにサブローのレフト前タイムリー、森野のラッキーヒット、3回阿部のタイムリー、8回稲葉のタイムリーと、みんなバラバラでに打点を挙げている。幾度かチャンスを作って攻めの確率を上げることができた日本が、その通りに勝ったということであろう。まさにみんなの勝利だ。
ところで、宮本さんは選手(主将)として呼ばれていると思うが、昨日見てたら殆ど監督みたい、と思った。凄いね。
今日も日本チームに期待している。
きっと決めてくれるだろう。
※ちょっと追加。
この記事が中々面白い。
コレ>北京五輪野球:韓国、決定打不足に泣く Chosun Online 朝鮮日報
『戦力はわずかな差だった。しかし集中力の差で明暗が分かれた。とはいえ、ワンランク上の戦力を相手に善戦したのは称賛すべき点といえる。』
一応、日本の戦力の方が上だ、という見方をしているんですね。これ意外。素直じゃないですか。善戦が称賛すべき、というのも、好感が持てるよ(笑)。
でも、
『投手力の面で劣勢の韓国はこの日、試合前に偽装オーダーを組んで日本を翻弄(ほんろう)したが、チャンスで集中力の差が出た。』
って、何じゃ?と思ったよ。
「偽装オーダーを組んで日本を翻弄」って、翻弄されてないと思うけど。
多分日本の監督・コーチは韓国の戦力分析をやっていても、自分のチームの編成を優先して考えるから、相手によってあんまり大きく変えないと思うけど。そもそもそんな作戦をあれこれ立てられるような方々ではないよ。
特に、打撃陣は田淵、浩二のコンビだよ?
とりあえず調子のいいものを優先、国際試合経験とか、そういった部分も大きいと思うよ、やっぱ。
なので、韓国選手がどんな人だから、ということで細かくオーダーを入れ替えたりしないと思う。それと、バッターの分析なんかも、さほどインプットされてないと思うし、ごく一部の人(ばかデカイ人とか)の見分けがついても、後は誰が誰だか全然思い出せないもん。多分阿部はピッチャーのいい球を優先して投げさせたと思うけど。あとは野性の感では?
なので、偽装オーダーと実際の試合のオーダーでは、どのくらい注意点が変わったのかはよく判っていなかったのではなかろうか?、と。それより、自分たちの力を発揮する、ということだったんではないかな、と。相手に合わせてもしょうがないもんね。
最後に、
『特に、主軸の金東柱と李大浩がチャンスでことごとく凡退したのが痛かった。』という部分だけど、これは日本が学んだことなのだ。
パンチ力はあった方がいいけど、三振が少なくコンパクトなバッティングができ、守備が良く走れるタイプの選手であれば、こうした「主軸が不振だった」みたいなことにはならない、ということを学んだのだ。長打で打ち勝つのは、相当実力がなければ難しい。パワーでは外人に負けることも多いのだから。日本人には日本人に向いた戦い方がある、ということ。それをキューバやアメリカとやって、勝ってきた経験があるからこそ、今の形ができてきたんだろうと思う。
実際ホームランなんかそんなに打てなくても、ロッテやハムや中日はアジアシリーズで優勝してきている。そういう野球の形もある、ということ。
06年のアジア大会では日本のアマチュアチームが打力主体で戦って準優勝したけど、打撃戦を挑むことは苦手というわけでもない。韓国には10-7でサヨナラHR勝ちだったみたいだし。でも、台湾には逆にサヨナラ負けだったけど。要するに確率の問題なのだな。
勝つ確率が高い方、つまりは負けにくい戦い方を選択するというのは、賢明ということだ。特に一発勝負においては。一戦必勝が求められるのだから。そういうことなんではないかな、と。
昨日の8回の攻防が大きな山場だったので、もう一度振り返りたい。
表、日本の攻撃。先頭阿部がショートの頭上を越える打球。
1塁を回った後で阿部は微妙なタイミングながらも2塁へ猛然とダッシュ。
フェンスに到達する前に打球に追いついていたので、迷ってたらアウトになってた。
あの走塁が運命を分けるお膳立てとなっただろう。
星野監督は1点をもぎとりに行く。
絶対に点を取って、試合を決める、という決断だった。
好調かつ捕手という阿部に代走荒木。
あそこで点を取れなかったら、大変なことになっていたかもしれない。
打者稲葉。
韓国はすかさず投手交代でデカイ左投手を投入。
割とストレートで押すタイプだった。
ボールが3球続いた後の1-3からの5球目。
待っていたストレートが来たので振りにいく。しかし、空振り。
外角低め一杯のギリギリのいい球だった。球速もあった。
あの空振りで自信を取り戻した韓国投手。
次も渾身の力でストレート。さっきの5球目のコースとほぼ同じ。
稲葉は辛くもバットに当てた。危なかった。
5球目の軌道が目に残ってなければ、三振だったかもしれない。
これをバットに捉えたことが大きな意味があった。
次の7球目。連続ボールになった時に投げた球。外角速球3つの後の変化球。
裏をかかれた上に、ストライクゾーンから低めのボールになる難しい球だった。
稲葉のバットは止まるわけがない。が、驚異的バットコントロールで当てた。ファール。
ストレートだろうと思ってたところに、落ちる変化球。よく当てた。
この後、更に2球ファールで粘り、10球目を引っ張ってライト前タイムリー。
「稲葉の10球」として記憶に残る一打だった。
8回裏、韓国の攻撃。
4番がセンター返しで1塁へ。5番のデブは前の打席で川上から死球をゲットした男だった。
インサイドのシュートに対し左膝を前に出して、ワザとぶつかりに行ったのだ。
この打席でも同じく岩瀬のインコースに当たりに行った。
成瀬の投球の前に連続三振、しかも3球三振も食らっていたので、打てる気がしなかったからだろう。
ノーアウトで1、2塁のピンチ。
次打者送って、1アウト2、3塁。セオリー通り。
そして、レフトにフライが上がる。やや下がってキャッチ。
難しければバックホームしない、と確認していたので、2塁ランナーの進塁を防ぐ。
韓国3点目が入った。
この時の選択が重要な意味を持っていた。
もし、日本の4点目が入ってなければ、恐らく思い切ってバックホームすることにしていたかもしれない。
そうなると、同時にスタートして2塁ランナーは3累にタッチアップしていたかもしれない。
ホームでアウトにできず3点目を取られ、更に3塁にランナーを残すことになっていたかもしれない。
4点目があったからこそ、3点目は取られてもしょうがない、アウトカウントを確実に取れ、という作戦にできたのだ。
次打者はこの日2塁打を放って2点目を叩き出した打者だった。
この打者は2-0から粘って、レフト前に打球を放つ。
2アウトだったので、2塁ランナーは勿論スタートを切っていた。
打球は森野の横っ飛びをすり抜けてレフト前へ転がった。
レフトのサブローが猛然と前にダッシュ。素早くゴロを拾ってカットマンへ送球。
2塁ランナーは「ホームに帰れる」と思っていたのに、3累で止められ慌てて戻る。
このヒットで追加点を許さなかったことが、結果的には勝利を呼んだのだった。
さっきの犠牲フライでホームへ投げ、2塁ランナーが進塁していたら、同点になっていた。
続いて代打を送ってきた。が、韓国は打者を出すまでに5分くらいは時間をかけてきた。
岩瀬はヘンに間が空いて、プラプラしてなければならなくなった。肩も冷える。
集中力も途切れるかもしれない。
妙な焦らし戦術だったが、再び岩瀬の投球。ランナー1、3塁で、ピンチに変わりはない。
2-2からキャッチャー矢野がインサイドに真っ直ぐを要求。
微妙な判定やイヤな死球があったが、岩瀬を信じたのだった。
外の変化球を予期していたであろう打者は手が出なかった。
球はドーンとミットに収まって、三振に仕留めた。
「2点目を取らせない」
いくら監督が信じていたとはいえ、難しい場面だった。
特に、レフト前の打球で、サブローがランナー生還を食い止めたことが大きかった。
結局8回表の1点がものをいい、反撃を抑えて勝ち切った。
思えば、2回のチャンスにサブローのレフト前タイムリー、森野のラッキーヒット、3回阿部のタイムリー、8回稲葉のタイムリーと、みんなバラバラでに打点を挙げている。幾度かチャンスを作って攻めの確率を上げることができた日本が、その通りに勝ったということであろう。まさにみんなの勝利だ。
ところで、宮本さんは選手(主将)として呼ばれていると思うが、昨日見てたら殆ど監督みたい、と思った。凄いね。
今日も日本チームに期待している。
きっと決めてくれるだろう。
※ちょっと追加。
この記事が中々面白い。
コレ>北京五輪野球:韓国、決定打不足に泣く Chosun Online 朝鮮日報
『戦力はわずかな差だった。しかし集中力の差で明暗が分かれた。とはいえ、ワンランク上の戦力を相手に善戦したのは称賛すべき点といえる。』
一応、日本の戦力の方が上だ、という見方をしているんですね。これ意外。素直じゃないですか。善戦が称賛すべき、というのも、好感が持てるよ(笑)。
でも、
『投手力の面で劣勢の韓国はこの日、試合前に偽装オーダーを組んで日本を翻弄(ほんろう)したが、チャンスで集中力の差が出た。』
って、何じゃ?と思ったよ。
「偽装オーダーを組んで日本を翻弄」って、翻弄されてないと思うけど。
多分日本の監督・コーチは韓国の戦力分析をやっていても、自分のチームの編成を優先して考えるから、相手によってあんまり大きく変えないと思うけど。そもそもそんな作戦をあれこれ立てられるような方々ではないよ。
特に、打撃陣は田淵、浩二のコンビだよ?
とりあえず調子のいいものを優先、国際試合経験とか、そういった部分も大きいと思うよ、やっぱ。
なので、韓国選手がどんな人だから、ということで細かくオーダーを入れ替えたりしないと思う。それと、バッターの分析なんかも、さほどインプットされてないと思うし、ごく一部の人(ばかデカイ人とか)の見分けがついても、後は誰が誰だか全然思い出せないもん。多分阿部はピッチャーのいい球を優先して投げさせたと思うけど。あとは野性の感では?
なので、偽装オーダーと実際の試合のオーダーでは、どのくらい注意点が変わったのかはよく判っていなかったのではなかろうか?、と。それより、自分たちの力を発揮する、ということだったんではないかな、と。相手に合わせてもしょうがないもんね。
最後に、
『特に、主軸の金東柱と李大浩がチャンスでことごとく凡退したのが痛かった。』という部分だけど、これは日本が学んだことなのだ。
パンチ力はあった方がいいけど、三振が少なくコンパクトなバッティングができ、守備が良く走れるタイプの選手であれば、こうした「主軸が不振だった」みたいなことにはならない、ということを学んだのだ。長打で打ち勝つのは、相当実力がなければ難しい。パワーでは外人に負けることも多いのだから。日本人には日本人に向いた戦い方がある、ということ。それをキューバやアメリカとやって、勝ってきた経験があるからこそ、今の形ができてきたんだろうと思う。
実際ホームランなんかそんなに打てなくても、ロッテやハムや中日はアジアシリーズで優勝してきている。そういう野球の形もある、ということ。
06年のアジア大会では日本のアマチュアチームが打力主体で戦って準優勝したけど、打撃戦を挑むことは苦手というわけでもない。韓国には10-7でサヨナラHR勝ちだったみたいだし。でも、台湾には逆にサヨナラ負けだったけど。要するに確率の問題なのだな。
勝つ確率が高い方、つまりは負けにくい戦い方を選択するというのは、賢明ということだ。特に一発勝負においては。一戦必勝が求められるのだから。そういうことなんではないかな、と。