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オール人力狙撃システム試作機

防衛利権の謎~その3・エンジン選定

2007年11月19日 13時50分53秒 | おかしいぞ
続きですけれども、守屋はこれまでの数々の汚職事件なんかで確実に「生き延びて」きたわけで、仮に宮崎との関係を暴露されたとしても「足がつかない」ように細心の注意を払っていたのではないかと思う。特に調達本部汚職事件を過ぎてからは、証拠を残さないように注意していたのではなかろうか。防衛施設庁の談合事件もあったしね。
で、「絶対に自分は大丈夫だ」という確信がなければ、長年の関係を継続することにはかなりの抵抗とか恐怖感があったであろう。だが、宮崎との関係を止めたりはしなかったということは、証拠として押さえられることはないということを信じていたからだろう、ということ。


次期輸送機の試作機搭載用エンジンシステムの選定結果について

この資料では、次のようになっている。

15年
2月28日 上記3社より提案書を受領
8月 7日 技術研究本部評価会議
8月 8日 装備審査会議、エンジン選定

装備審査会議の議事録は存在していない、という答弁であったと思うが、本当にそうなのだろうか?
海自の航海日誌が無くなったとか言うのと同じで、隠蔽体質は同じということなのかもしれない。組織としては非常にマズい、という話になる。自衛隊という組織そのものの信頼低下を招くことになる。

それはとりあえずとして、装備審査会議に諮る前に、技術研究本部(所謂「技本」)が評価会議をやっているので、この議事録は残されているはずだろう。評価会議というのは、次のように規定されている。

研究開発評価会議に関する達

この中に、次の規定がありました。

>>第12条 (資料の作成及び送付)

>>議題に直接関係する技術開発官、研究所長若しくはセンター所長又は試験場長は、評価に必要な資料を研究開発評価官と調整のうえ作成し、評価会議終了後(第9条第2項の規定により調整部会の議決をもって評価会議の議決とすることとした場合については調整部会終了後)速やかに会議で議決を得たものを研究開発評価官及び事業監理部長に送付するものとする。

ということは、資料作成と送付先があるので、文書として残されているはずである。

これは上級機関からの命令みたいなもの(達とは、通達みたいなもの?)なので、服従義務があるはずだ。違反すれば、組織上の懲戒処分のようなものの対象となろう。なので、技本の議事録を確認することが必要だろう。8月時点では、ほぼ「GEで決まり」というようなことになっていたであろうから(単なる推測です)、技本で決定したGEエンジンを否定してまでP&Wに変えたりはしないだろうな、と思いますがどうでしょうか。装備審査会議では、規定路線となっていたGEエンジンを形式的に追認する、みたいな可能性はあるかもな、と。本気で工作しようと思っていれば、まず技本の評価会議で「GEはダメだ」とか言われないようにしておかねばならないはずで、もっと以前から「GEのエンジンで」という”意向”を確実に流して「地ならし」とか「根回し」とかしておくだろうと思う。
けど、E-767、KC-767とかが「全部GE」なのに、C-Xで急に変更されるのも考え難いかな、とは思う。昨日の記事で抜けていましたが、政府専用機もエンジンは同じです。

B747:航空自衛隊オフィシャルサイトJASDF

政府専用機 - Wikipedia

導入決定は87年、その後仕様などが決められたであろうと思われる。で、91年9月と11月に引渡しとなっていた。つまり、この頃の時点で、GEエンジンはこうした大型機に採用されるというのは規定路線となっていったかもしれない、ということだ。
誰がどのように関与していたのかは判らない。

参考>防衛大臣 - Wikipedia

守屋が航空機課長となっていた時期にエンジン選定などが行われていたのであれば、ここに「何らかの関与」があった可能性は残るかもしれない。偶然にもGEが接触を図っていった頃であったとしたら?ま、憶測は色々有り得るので、何とも言えん。


それと、山田洋行が本格的に浮上してきたのは、99年度以降ということだ。


防衛腐敗:/3 米国の許可もぎとる剛腕 揚陸艇輸入、元専務が演出 - 毎日jp毎日新聞

防衛省は防衛庁時代から毎年、年間の契約実績上位20社と各契約額を公表している。大手メーカーや商社、その関連会社が常連だが、99年度に山田洋行が14位に食い込んだ。94年度76位▽95年度34位▽96年度55位▽97年度55位▽98年度51位とあって、当時の空幕幹部は「社名を聞いても事務机を扱っている会社かと思ったぐらい」と振り返る。

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これを見る通り、三井物産から商権を引き剥がしたりはしたけれども、まだまだビッグじゃなかった。
時々話題をさらってはいたものの、額ではまだまだ大したことはなかった、ということ。99年度以降に大幅に伸びてきた理由は色々あるのかもしれないが、定かではない。
・98年の調達本部汚職事件後、防衛庁内の勢力地図が塗り替えられた?
・調達関連でビクビクする人たち(笑)が増えたが、山田洋行は違った?
・守屋が官房長就任となり、庁内の実権を掌握しつつあった?
防衛庁長官だったのは、96年途中から久間氏、その後を継いだ額賀氏は98年に就任(辞任に追いこまれた)、野呂田、瓦、と続いていった時期であった。山田洋行が三井物産から商権奪取した時期も同じだ。単なる偶然かもしれないけど。
瓦力氏は政府専用機導入頃にも防衛庁長官だったみたい。

山田洋行は無名の弱小商社であったので、下積み時代が長く続いただろうな、ということかと。でも、GEが90年代前半のエンジン獲得に次々と成功していったのと機を一にして、山田洋行も着実に食い込んでくるようになった、という感じだ。守屋が防衛庁内で階段を上っていくのもこれと同じであった。


えーと、ちょっと外れるけど、GEはCNBCの親会社らしく、日経CNBCという共同の放送事業を日経さんとやっているそうです。
日経さんが業界寄りの意見を出していたこととか、ナベツネの履歴書(笑)を延々と貼り付けていることとか、GT-Rの報道写真をずっと貼り付けていることとか、きっと何らかの意図があってやっているのでしょうから、それはそれで別にいいんですけれども、ネット上も含めてニュースとか写真というのはある種の情報操作なのだろうな、と思いますね。





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