オリオン村(跡地)

千葉ロッテと日本史好きの千葉県民のブログです
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2007年通信簿 39 田中雅彦

2007-11-23 01:05:55 | 千葉ロッテ

39 田中雅彦 捕手 25歳 年俸900万円

【2007年成績】 14試合 16打数 4得点 1安打 打率.063 0二塁打 0三塁打 0本塁打 1打点 0盗塁 1四死球 5三振 得点圏打率.000

開幕メンバーに選ばれるなど何度か1軍に登録されながらも1試合も出場することなく抹消されてきた不憫な田中雅が、ようやく1軍戦出場とプロ初ヒット&初打点をマークしました。
ようやくプロのスタートラインに立った田中雅、来季への飛躍が期待されます。

名門PL学園から近大に進んで主戦として活躍してきた田中雅ですが、プロでは捕手としての出番は減りつつあります。
2軍でも昨年あたりから内野手としての出場が増え始め、今年も11試合しか捕手としての出場はありません。
1軍では試合前の練習では捕手のポジションについていますが、試合でマスクを被ることはありませんでした。
キャッチングに難があるとルーキー時代から言われていましたが、むしろバッティングを活かすためのコンバートの意味合いが強いように思えます。

チーム内では先輩に可愛がられているようで、雨中でライト前に落としたプロ初ヒットをマークした試合では小林宏に呼ばれてお立ち台に立ちました。
左打者が内野手に多いチーム事情だけに、来季以降も活躍の場は開けていると思います。
とにかく振り込むこと、これが彼に課されたテーマだと考えます。
1軍では振り遅れや、変化球のキレについていけないシーンが目立ちました。
ボールを追いかけるようなスイングでは1軍の投手は打てませんので、今の上半身主導のスイングから腰の入った下半身を使ったバッティングに変えることが必要だと思います。

捕手も出来る便利な内野手の立場から脱却できるか、本人の捕手志向がどれだけ強いかわかりませんが、いずれにせよ今のところは試合に出ることが先決でしょう。
内野手として経験を積みながらも、最終的には捕手としての出番をうかがうのが良いのではないかと思います。
最終的にはライバルがひしめき合う内野よりも、ポスト里崎を狙う方が田中雅にとってはプラスだと考えます。
来季は1試合でも1軍でマスクを被ること、50試合以上出場すること、これを目標にして欲しいと思います。


【オリオン村査定】 900万円 → 950万円 (△6%)

 

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2007年通信簿 38 中郷大樹

2007-11-22 02:32:04 | 千葉ロッテ

38 中郷大樹 投手 23歳 年俸840万円

【2007年成績】 6試合 0勝0敗0S 防御率5.40 5回 8被安打 0被本塁打 5与四球 0与死球 2奪三振 被打率.364

ルーキーの年に1軍登板を果たし、まずまずのスタートを切れました。
荻野に続く右の中継ぎとして、来季の飛躍が期待できます。

中郷もYFKの後継として獲得したようで、2軍でも一貫して中継ぎとして起用されました。
2軍ではイニングと同じぐらいの奪三振で、だからこそ防御率が4点台後半ながらも1軍に抜擢されたのだと思います。
バレンタイン監督らしからぬ大半がリードされた展開での起用でしたが、躍動感のあるフォームで将来を期待できる投手だと思います。

ただ残念だったのが、若さに似合わぬ逃げの投球が目についたことです。
2軍では1試合換算で1個程度しかなかった四球が1軍ではイニングと同じだけ出してしまいました。
ただ四球を出しただけでなく、外角への変化球がボールからボールになるようなものが大半で、攻めの投球が出来ていなかったように思えます。
制球力は2軍の結果を見ればあるはずなので、失敗を恐れず自分を信じてもっと攻めても良かったのではないかと思います。
ルーキーには酷かもしれませんが、せっかくの1軍でのチャンスなのですから、今の自分の力を計る意味でも残念なピッチングでした。

しかしそれでも、魅力たっぷりの投手だと思います。
当面は伊藤らの新戦力との戦いになるでしょうが、ポスト藪田への挑戦権を得るチャンスは充分にあると思います。
攻めの気持ちを忘れずに、春季キャンプから積極的にアピールして欲しいと思います。


【オリオン村査定】 840万円 → 840万円 (±0%)

 

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小林雅インディアンスへ

2007-11-22 02:12:44 | 千葉ロッテ

朝っぱらから驚くようなニュースでした。
藪田が先行しているように思えたメジャー移籍交渉ですが、小林雅があっさりとインディアンス移籍を決めてくれました。

小林雅、インディアンスと2年契約 (11/21 スポーツニッポン)

米大リーグ、インディアンスは20日、ロッテからフリーエージェント(FA)となった小林雅英投手(33)と2年契約を結んだと発表した。
3年目の2010年の契約は球団が選択権を持つ。
AP通信によると、年俸は2年総額で625万ドル(約6億8750万円)。
背番号はロッテ時代と同じ「30」。
本拠地のクリーブランドで記者会見した小林雅は「自分がレベルの高いアメリカの野球でプレーしたいと思っていたときに、いいチームからオファーをもらった。すごくうれしい」などと抱負を語った。
インディアンスは今季のア・リーグ中地区優勝チーム。
抑えには今季45セーブの右腕ボロースキがいるため、小林雅はレッドソックスの岡島秀樹投手と同様に、抑えの直前に投げるセットアッパーを任されるとみられる。
小林雅は山梨・都留高から日体大に進み、東京ガスをへて1999年にドラフト1位でロッテ入団。
2001年から今季まで7年連続20セーブ以上を記録するなど通算227セーブ(36勝34敗)を挙げている。
▼インディアンス・シャピロ・ゼネラルマネジャーの話
ここ3、4年、日本でのスカウティングを積極的に行ってきた。
小林は日本で長く抑えを務めた実績を評価した。
これで、このオフの大きな課題の一つだった終盤の救援陣を充実させることができた。

小林雅に625万ドルを出せるところは、さすがにメジャーですね。
しかしメジャー球団は球団単体で利益を出せているのかどうか、こういったインフレとも思える契約を見ると他人事ながら心配になってきます。
日本の球団と違って親会社の広告塔というわけでもないでしょうし、どこに収益源があるのか不思議に思えます。

インディアンスにはリーグ最多セーブをマークしたボロースキがいるようですが、まさに名前の通りボロの様で、防御率が5点台ですから小林雅も充分にクローザーを狙えるでしょう。
急転直下に決まったように見える今回の移籍も、こういったチャンスがある球団だからこそかもしれません。
9年間ロッテに貢献して得た権利を行使しての移籍ですから、頑張って欲しいと思います。

一方でドラフト1位の服部、今日も好投したようです。
1回戦に続き2回戦も1失点完投勝利、今日はわずか3安打に抑えたとのことです。
社会人野球も確か木のバットに変わったはずなので以前ほど打者有利ではないでしょうが、それにしても2試合連続の完投勝利は見事です。
まさに今が旬、中継ぎと見ていましたが調子を維持できれば先発陣に殴り込めるかもしれません。
そうすれば清水なりが抑えに転向しやすくなり、また先発に左が2枚という理想的なスタッフになりますので、来季のロッテの投手陣は服部次第になるのかもしれません。
今日は中4日での登板でしたが、今後は短い間隔での大車輪の活躍となるでしょうから、くれぐれも怪我のないようお願いしたいところです。

 

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2007年通信簿 37 林啓介

2007-11-20 02:03:25 | 千葉ロッテ

37 林啓介 投手 20歳 年俸600万円

【2007年成績】 E 7試合 0勝2敗0S 防御率9.18 16回2/3 30被安打 4被本塁打 12与四球 1与死球 11奪三振

大学生・社会人ドラフトの1位を棄ててまで指名したドラフト2位の林ですが、ここ2年間の成績は散々なものになってしまっています。
毎年のように大量に投手を補強しているチーム事情を考えると、来季は相当厳しい立場に追い込まれそうです。

林はかなりフューチャーズに派遣されていたようですので、怪我などで登板数が少なかったわけではないと思います。
しかしフューチャーズでの成績も、あまり良くなかったはずです。
高校時代の輝きを、完全に何処かに置き忘れてきてしまったかのようです。
140キロ台後半のストレートをびしびしと投げ込むピッチングが、プロでは出来ていないのでしょうか。

恵まれた体を活かした伸びのあるボールを投げる力はあるはずです。
怪我などが理由でフォームを崩したなどでなければ、もしかしたらメンタル面の問題もあるのかもしれません。
いずれにせよ杉原が2年で解雇になったことを考えれば、いくら上位指名の林とて来季のオフに恐怖の結末が待っているかもしれません。

来季こそ林本来の輝きを取り戻し、まずは2軍でローテーションに入ることが目的となるでしょう。
高校時代に控えだった斉藤は林の一歩も二歩も前を走っています。
頑張って彼に追いつき追い越せる様に、頑張ってくれることを期待しています。


【オリオン村査定】 600万円 → 570万円 (▼5%)

 

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長谷部を外して・・・微妙なドラフト

2007-11-19 22:13:39 | 千葉ロッテ

大学生・社会人ドラフトは入札した長谷部を外して、非常に微妙な結果に終わりました。
高校生ドラフトと同様に全員が投手、中長期的には非常にまずい戦略だと思います。

大場の6球団はともかくとして、長谷部に5球団の入札があるとは思いもよりませんでした。
そして最後の最後に長谷部に切り替えた楽天にさらわれたわけですから、笑うに笑えません。
一方で私が推していた加藤はヤクルトが単独指名、非常に悔しい思いでいっぱいです。
この加藤、東京六大学で30勝をマークしながらの単独指名は意外で、いろいろと考えてしまいます。
在京志望が強いことで他球団が敬遠したとも思えず、やはりリーグのレベルの問題なのでしょうか。
秋のリーグ戦で三冠王を獲った田中幸長(早大)ですら指名漏れしたわけですから、30勝を額面通りに受け取ってはいけないのかもしれません。
いずれにせよロッテのスカウトが同じ左腕で長谷部を選択したわけですから、スカウトの眼力を信ずるしかありません。

そして抽選を外した後の再入札は服部泰卓(トヨタ自動車)という小柄な25歳の左腕、例年なら3巡目以下のレベルとも言われる投手に3球団が入札したわけですから今年の不作ぶりがうかがえます。
こちらは見事にバレンタイン監督が引き当て、2回外しという最悪の事態は免れました。
3巡目が秋口になって急速に評価の上がった根本朋久(横浜商大)という左腕、よほど左腕不足を懸念しているのでしょう。
4巡目が球に力があるものの制球力に課題があると言われている伊藤義弘(JR東海)、5巡目の下敷領悠太(日本生命)は俊介二世と言われています。
いずれもやや否定的なコメントを残しましたが、個々の指名を考えれば特徴のある投手を指名した良いドラフトであったと思います。

ゼロか100の可能性!

YFKの解体が現実的なものとなったことで、即戦力の投手を補強するという方針は間違っていないと思います。
服部は藤田の代わりになってもらわなければ困りますし、伊藤は藪田の後釜と考えているのかもしれません。
下敷領も渡辺俊のエキスを吸収して、先発要員としての期待を持てます。
見事にはまってくれれば、来季の最大の懸念であった投手陣の再構築に大きな力となってくれるメンバーです。
しかし逆に言えば、根本以外の3人は来季25~26歳で、荻野・手嶌・古谷・川崎・田中良らと同世代になるわけですから、来季に1軍でやっていける足がかりをつかめなければ2年程度で解雇になってもおかしくない立場にさっそく追い込まれることになりかねません。

現在の主力が30代前半、そして期待の若手が22歳以下にひしめいていることを考えれば、25歳前後の投手に新しい血を入れて活性化することは悪いことではありません。
この世代に先発や中継ぎの軸になってくれる投手がいないと、清水らが抜けるであろう3年後には悲惨なことになります。
荻野と川崎に加えて、服部や伊藤らが戦力になってくれれば、これは非常に心強い布陣となります。

しかし、しかしです。
高校生ドラフトの時にも書きましたが、とにかく投手が多すぎます。
藪田と小林雅が抜けたとしても、野手30人に対して投手は35人となります。
新外国人として投手を獲得することも確実ですから、事態はさらに悪化します。
ただでさえ2軍に投手がひしめき合って出番が少ないところに、即戦力として期待される中堅どころが大量に加入するわけですから、伸び盛りで実戦で鍛えなければならないはずの高卒1~4年目ぐらいの投手が割を食うことになるでしょう。
浅間、三島、林、木興らから来季オフに戦力外が出てもおかしくなくなりますし、相原や中郷らの大学生・社会人出身の選手もうかうかできません。
弱肉強食で勝ち抜いた者が生き残るのが当たり前の世界ではありますが、出番すら与えられずに消えていく選手たちを見るのは不憫でなりません。

浦和オリオンズでも立ち上げましょうか!

冗談抜きで、四国アイランドリーグへの選手派遣が他球団の嫌がらせで実現しないのであれば、それこそフューチャーズと同じようにロッテ単独で3軍チームを立ち上るべきです。
そして地方の独立リーグや社会人チームとの練習試合を年間50~70試合ぐらいこなすようにしないと、貴重な才能を無駄に潰してしまうことになりかねません。
育成枠でも5人を獲得したことからもフロントは何らかの対策を考えているとは思いますが、妥協することなく真剣にいい方法を模索して欲しいと思います。

そして中長期的には野手を獲得しなかったこと、これは空白の世代を生みかねませんし、また投手とは逆に競争が起きない事による弊害が心配です。
定岡が外野を守ったりしている状況で、野手の素質もある阿部あたりがチームの方針に翻弄されやしないか心配です。
藤井の悲劇は二度と起こしてはなりません。
育成枠で捕手、内野手、外野手を1人づつ獲ったのがその対策かもしれませんし、またトライアウトで1人ぐらい野手を補強するかもしれません。
しかしこれはあくまで二の手であり、中長期的展望に立てば年齢別選手構成を考えた補強を毎年やっていく必要があります。
慢性的な野手不足で2軍での試合もままならない状態が3年程度も続いていること、これは将来的にチームが一気に瓦解する可能性を秘めていることであると強く訴えたいです。

何にせよ、今日ロッテに指名された9人の選手たちが近い将来に1軍でプレーしてくれることを心から願っています。
服部と伊藤が荻野や川崎らと「Hi!OK!」カルテットを組み、角中に続いて若い白川や大谷が才能を開花してくれることを、来季に向けて夢想していますので頑張ってください!


【ドラフト指名選手の横顔】
1巡目 服部泰卓 投手 左 25歳 トヨタ自動車  174センチ・72キロ
横の変化で勝負する、ストライクゾーンを広く使える安定感のある左腕


3巡目 根本朋久 投手 左 21歳 横浜商大    178センチ・78キロ
スリークォーターからキレのいいボールを投げ、三振の取れる投手


4巡目 伊藤義弘 投手 右 25歳 JR東海      177センチ・75キロ
綺麗なフォームから140キロ台のストレートを武器とする右腕


5巡目 下敷領悠太 投手 右 24歳 日本生命   184センチ・75キロ
ストレートは120キロ台、まさに渡辺俊介二世


【育成枠指名選手の横顔】
1巡目 池田健    投手   右 17歳 青藍泰斗              175センチ・75キロ
140キロ前半のストレートを武器にする、一本背追い投法の独特なフォーム


2巡目 宮本裕司  捕手   左 24歳 高知ファイティングドッグス  182センチ・85キロ
今シーズン打撃8位で足もある捕手


3巡目 小林憲幸  投手   右 22歳 徳島インディゴソックス    181センチ・80キロ
ダイナミックなフォームから150キロ近いストレートを投げ込む


4巡目 白川大輔  内野手 右 19歳 高知ファイティングドッグス  171センチ・74キロ
外野から内野に転向し、伸長著しい若手


5巡目 大谷龍次  外野手 右 19歳 日立製作所厚木(軟式)   178センチ・77キロ
樟南高校出身で軟式チームに所属する変わり種、強肩が魅力

 

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島津家の野望 第6章

2007-11-19 00:21:18 | ゲーム

 

永正13年(1516年)夏、加治木城の大広間に主立った家臣が顔を揃えていた。

「善久、今日よりそなたが島津家当主ぞ。」
島津久逸が嫡男・善久に向かって言った。
「謹んで家督を相続させていただきます。今後ともご指導の程、よろしくお願いいたします。」
やや紅潮した顔を父に向けた善久は、深く頭を下げた。
「そなたも既に50歳、むしろ遅すぎた感もある。今後は存分に腕を振るうがよい。」
久逸はそう言うと、立ちあがって上座を空けた。
善久は戸惑いながらも上座に座り、居並ぶ家臣たちに決意の表情を向けた。
「父上ほどの力は私にはないが、私は私である。これからも父上と同様に、私に力を貸して欲しい。」
「かしこまってござりまする。家臣一同、善久様に忠誠を誓いまする。」
筆頭家老の伊集院忠公が平伏すると、他の家臣たちも同様に平伏した。
「うむ。引き続き忠公に筆頭家老、忠武に二番家老を申しつける。成久殿、忠朝殿、伊東殿、相良殿、そして我の5軍体制もそのままとする。」
代替わりによる変化を心配していた家臣たちから、安堵のため息が漏れた。
「加えて三番家老に長久を任ずる。」
「私めがでござりまするか。」
樺山長久が驚いた表情で善久に問いかけた。
「当家に仕えてから十余年、そちの働きは皆も存じておろう。本宗家との繋がりもあり、忠昌殿と交渉するにはそちが適任でもある。」
本宗家から出奔してきてから久逸の側で内政を司ってきた長久は、既に譜代としての地位を築いていた。
「長久殿、殿の補佐を頼みましたぞ。」
「長久殿が殿のお側にいてこそ、我らも安心して戦えると言うものよ。」
忠公と忠武の言に、多くの家臣たちが頷いた。
「かたじけなきお言葉、この長久、一命を賭して殿の為に働きまする。」
涙混じりの長久の言葉に、微笑みながら頷く善久の姿があった。

「して忠公、各地の動向はいかがなっておる。」
「正直申し上げまして、あまり順調とは申せませぬ。」
忠公は地図を広げながら、苦々しい表情で答えた。
「隈本城攻めは既に3年も城を囲んでおりまするが、未だ菊池殿は意気盛んとのことでござりまする。」
「加えて、岡城攻めも成久殿が失敗して後に伊東殿が引き続き城を囲んでおりまするが、未だ糸口を見いだせないとのことでござりまする。」
忠武が続けた。
「理由はどこにあると考える。」
「やはり補給路の問題が大きいかと。薩摩より肥後、豊後への補給は困難を極めまする。」
忠公の言に、忠武も頷いた。
「やはり各々の本拠を北上するがよいかと存じまする。」
「しかし加治木は忠昌殿の動向を考えれば、空けることはできないのではないでしょうか。」
それまで黙っていた島津忠良、善久の嫡男が口を開いた。
「やはり清水城に使者を送り、忠昌殿にご納得いただくことが急がれまする。」
忠公は久逸の顔を横目で窺いながら、厳しい表情で善久に言った。
「場合によっては・・・」
「もうよい。本宗家の事は大殿と長久とに任せて、そちらは引き続き肥後、豊後の攻略に向かうがよい。」
善久の言葉に、家臣一同が平伏した。

「しかし思い切りましたな。」
久逸の居室で、忠公が久逸に言った。
「やはり細川殿の動向でござりまするか。」
「うむ、当家にもかなりの素破が入り込んでいるようだ。」
「当家に限って細川殿の誘いにのる者がいるとは思えませぬが。」
忠公の言に、久逸が強い表情で答えた。
「今はよい。しかし我も76歳で、いつ死が訪れるか分からぬ。」
「それゆえ善久殿に家督を譲られ、家中を引き締めるということでござりまするか。」
「我が死ぬことでの相続となれば、家中が動揺して細川殿に付け入る隙を与えかねぬ。」
「大殿のご意向、この忠公、確かに承りましてござりまする。善久殿を中心とした新しい島津家を作ってみせましょう。」
忠公の言葉に、久逸は満足げに頷いた。


永正7年 (1510年)春  島津成久を大将とした軍を岩尾城の攻略に向かわせる。相良治頼を大将とした軍を岩尾城の攻略に向かわせる。
永正7年 (1510年)冬  島津忠朝を大将とした軍を府内館の攻略に向かわせる。伊東尹祐を大将とした軍を府内館の攻略に向かわせる。
永正8 年(1511年)春  島津忠朝が府内館を救援にきた筑後国・国人衆の黒木家永を撃退する。
永正8 年(1511年)夏  島津忠朝が府内館を救援にきた豊後国・国人衆の山下長就を撃退する。
永正8 年(1511年)冬  相良治頼が岩尾城を下し、阿蘇家が従属する。伊東尹祐が府内館を下す。
永正10年(1513年)春  島津成久を大将とした軍を岡城の攻略に向かわせる。
永正10年(1513年)秋  相良治頼を大将とした軍を隈本城の攻略に向かわせる。
永正11年(1514年)春  幕府より問註所執事に任ぜられる。
永正11年(1514年)冬  岩尾城の阿蘇惟長が臣従する。
永正13年(1516年)春  朝廷より正四位上・中務卿に叙任される。島津成久が岡城の攻略に失敗する。伊東尹祐を大将とした軍を岡城の攻略に向かわせる。
永正13年(1516年)夏  島津久逸が隠居し、嫡男・善久が家督を相続する。

 


2007年通信簿 36 黒滝将人

2007-11-18 19:13:32 | 千葉ロッテ

36 黒滝将人 投手 19歳 年俸500万円

【2007年成績】 E 15試合 4勝7敗0S 防御率4.76 62回1/3 77被安打 6被本塁打 19与四球 1与死球 37奪三振

ルーキーとして考えれば合格点をあげてよい1年でした。
同期である大嶺と競い合って、早く1軍での登板を見てみたい投手です。

前半戦は体作りに専念したのか、登板が増えてきたのは中盤戦以降でした。
先発としての起用が多く、期待されていることがわかります。
そういう意味では1軍と2軍の違いを肌で感じさせるためにも、1試合でもいいから1軍での登板をさせてあげたかった投手の1人です。

分離ドラフトの結果、高卒投手がチーム内にひしめき合っています。
唐川、植松、阿部、大嶺、黒滝、柳田、林、末永と3年間で8人の投手が増えています。
その他にも木興、内、三島、浅間、そして江口、中郷、相原と25歳以下の投手は余剰気味ですらあります。
既に杉原、藤井と4年以内に解雇となった投手もいるため、黒滝も油断は出来ません。

来季に1軍へ昇格する期待感を持てる結果を出すこと、これが黒滝にとっての課題です。
幸か不幸かYFK解体でチャンスが増えることは間違いありませんので、怪我無くシーズンを戦い抜いて欲しいと思います。


【オリオン村査定】 500万円 → 500万円 (±0%)

 

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2007年通信簿 35 三島輝史

2007-11-18 18:59:11 | 千葉ロッテ

35 三島輝史 投手 22歳 年俸470万円

【2007年成績】 E 29試合 2勝2敗1S 防御率3.82 37回2/3 35被安打 4被本塁打 14与四球 0与死球 28奪三振

昨年に比べれば立て直しが効いた感じではありますが、まだまだルーキーの時の輝きを取り戻すには至っていません。
若手投手がひしめいているロッテの2軍投手陣ですから、もう一踏ん張りしないと出番すら与えられなくなりそうです。

ルーキーの時は開幕から2軍のローテーションに入り、先発として期待された投手でした。
昨年はウィンターリーグにも派遣され、若手投手陣の中でも上位に位置していたはずでした。
しかし今年は大嶺や黒滝の加入もあり、ほとんどが中継ぎでの登板となり、たまにある先発起用でも結果を出すことが出来ませんでした。
来季は唐川や植松が加入することで、ますます苦しい立場に追い込まれることは確実です。

とにかく異様なぐらい投手が多い要員構成であるロッテだけに、何か特徴のあるピッチングをして目立つしかありません。
幸いなことに壊滅的だった他の投手に比べて結果はそこそこ出ているので、来季も暫くは出番があるでしょう。
そのチャンスを逃さないよう、先輩のTSUYOSHIをバックに投げられる日を目指して欲しいと思います。


【オリオン村査定】 470万円 → 480万円 (△2%)

 

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ロッテのドラフトは長谷部に入札!

2007-11-17 21:38:19 | 千葉ロッテ

地元出身の大場に入札すると噂されていたロッテの大学生・社会人ドラフトですが、どうやら長谷部に決まったようです。

ドラフトについて (11/17 ボビー語録)

今日の午前中にスカウト会議を行い、19日の大学・社会人ドラフトの一巡目指名を愛知工大の長谷部投手に決めたよ。
長谷部投手はどの球種でも優れていてコントロールも良いと聞いている。
4球団位の指名と思っているが、是非抽選で引き当てたいね。
引き当てる秘策はあるけど、ここで言うと他の監督にやられてしまうので内緒だよ。
大嶺、唐川、長谷部とそのうち私が引き当てた選手でローテェーションになるかもね。

他のサイトでも報道されていますし、これで決まりでしょう。
大場と考えていたが左腕ということで長谷部、という理由には納得できかねますので、ここにきて日本ハムやソフトバンクが大場に軌道修正したことによる最大7球団という引き当てる確率の低さが最大の理由だと思います。
ライバル球団が長谷部から大場に変更したことも気になりますし、長谷部にいったのが加藤は慶大との関係で難しいからといった消極的な理由ではないことを願いたいところです。

今のところ長谷部に入札といわれているのがロッテ・中日・横浜の3球団、そして加藤がヤクルト・広島の2球団ですから、確率は一緒なので加藤にいって欲しいという私の思いは変わりません。
それはチームにとって必要なのは中継ぎなのか先発なのか、私は先発だと考えているからです。
バレンタイン監督は長谷部をローテーションにと考えているようですが、長谷部自身も言っているようにプロでの評価は中継ぎ・抑えです。
横浜が加藤から長谷部に変更したのも、クルーンの退団と無関係ではないはずです。
ロッテもYFKの解体で中継ぎ・抑えの補強が急務であり、そういう意味での長谷部の補強は間違っていないと思いますが、それでも私は先発が重要だと考えます。

もちろん長谷部も大学リーグでは先発を務めていましたから、プロでもやっていけるかもしれません。
しかし172センチという上背は、やはりどうしてもハンデとなるはずです。
最速152キロをマークしたこともあるらしいので、河本二世と考える方が妥当でしょう。
もしかすると清水をクローザーとした後の先発に川崎を回すことを想定しての、中継ぎ候補として長谷部を選択したのかもしれません。
何にせよ抽選で引き当てなければ何も始まりませんので、とにかくバレンタイン監督の強運に期待するしかありません。

そしてYFKですが、藤田の巨人移籍に続いて藪田のメジャー移籍が決まりそうです。

ロイヤルズ、薮田と契約か (11/17 スポーツ報知)

ロイヤルズが、ロッテからフリーエージェント(FA)となった薮田安彦投手(34)と2年契約を交わす目前であると16日、米スポーツ専門放送局「FOX」の電子版が伝えた。
ロイヤルズは、今季まで5シーズン日本ハムを率いたトレイ・ヒルマン氏を新監督に迎えた。
中継ぎ右腕の薮田は、今季58試合に登板し、4勝6敗4セーブ、防御率2.73の成績。
ロイヤルズ以外に、ホワイトソックスも興味を示していると伝えられている。

藪田を直接知っているヒルマン監督の下でプレーするという選択は正しいでしょう。
ロッテとしては痛い流出ですが、正当な権利を行使ししての移籍ですから頑張って欲しいと思います。

 

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2007年通信簿 33 橋本将

2007-11-17 20:57:41 | 千葉ロッテ

33 橋本将 捕手 31歳 年俸4000万円

【2007年成績】 63試合 118打数 15得点 25安打 打率.212 4二塁打 1三塁打 0本塁打 4打点 0盗塁 21四死球 38三振 得点圏打率.103

一昨年は里崎とレギュラー争いをした橋本ですが、この2年間で一気に差をつけられました。
里崎の躍進も理由の1つではありますが、最大の理由は橋本自身にあると思います。

シーズン前に橋本の「おそらく自分がメインの捕手として使われることはないと思うが、精一杯頑張る」というコメントに、激しく脱力しました。
確かに昨年に里崎が116試合出場したのに対して橋本は44試合、レギュラー捕手は里崎との印象がチーム内外にあったのは間違いないでしょう。
しかし当事者である橋本本人がそれを言った時点で、逆転など絶対にありえません。
シーズン序盤に里崎が故障で数試合欠場した際に橋本にスタメンマスクが回ってきましたが、完全に準備不足と言える様なプレーしかできませんでした。
低めのボールを後逸し、リードも単調で、折角のレギュラー奪取のチャンスに敵に塩を送るようなものとなってしまいました。
もちろんキャッチングなど元々課題であった技術的側面もありますが、やはり気持ちの持ちようだと思います。

橋本には選球眼という大きな武器があり、打撃でもアピールポイントを持っています。
また辻がトレードで移籍、田中雅も内野手に転向で里崎・橋本に続く捕手が育っていないというチーム事情からも、隠居生活に入ってもらっては困ります。
もし里崎が怪我などで長期間戦線離脱した場合、今のままではロッテのペナントレースが終わってしまいかねません。
来季に向けて橋本には、再度レギュラー奪取に向けてチャレンジするんだ!という意気込みでオフを過ごして欲しいと思います。


【オリオン村査定】 4000万円 → 3200万円 (▼20%)

 

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2007年通信簿 32 根元俊一

2007-11-17 01:22:37 | 千葉ロッテ

32 根元俊一 内野手 24歳 年俸1350万円

【2007年成績】 34試合 79打数 9得点 21安打 打率.266 3二塁打 0三塁打 1本塁打 9打点 3盗塁 6四死球 24三振 得点圏打率.280

今年は開幕スタメンに抜擢されて一気にレギュラー獲りが期待されましたが、結局はシーズンの大半を2軍で過ごすことになりました。
オーティズの加入で苦しい立場に追い込まれましたが、守備と足をアピールポイントにして1軍に定着して欲しい選手です。

成績の割には起用が少ないという感じがする根元ですが、開幕スタメンに抜擢されるぐらいですからバレンタイン監督に嫌われているわけでもないでしょう。
むしろ機動力を活かせるバレンタイン監督が好きそうなタイプの選手だけに、もっと使われてもいいと思いますので不思議な感じがします。
愛人と揶揄されている塀内に比べれば結果を出せる力はあるはずで、なぜ両人にこれだけの差が生じるかが理解できません。

あるとすれば確実性の低さ、これは打率ではなく三振の多さが理由かもしれません。
根元のようなタイプであればしぶとくボールに食いついていくようなバッティングが期待されるのですが、かなり空振りが多いのでバントやエンドランなどのサインが出しにくい選手ではあります。
昨年の54打数で22三振という驚異的な三振率ほどではありませんが、それでも今年も3割を越えています。
スイングの時に頭が動くこと、これが空振りの多さと無関係ではないと思います。
折角の足を活かせるように、とにかくシャープに最短距離でバットを振り抜いてボールに当てること、これが来季に向けての課題となるでしょう。

守備はこれも足を活かした広い守備範囲を見せてくれましたので、本来であればTSUYOSHIとの二遊間を売りにしたいところです。
肩がさほど強くないので適性ポジションはやはりセカンドでしょう。
昨年の阪神戦で見せた金本の打球を飛びついて捕球した思い切りの良さや、今年のセカンドベースの上を抜いていくような打球に追いつく出足の速さは小坂にタイプが似ています。
ズレータが離脱したことで攻撃的な布陣を敷くためにオーティズをセカンドに起用しましたが、長期的に見ればやはり根元に期待したいところです。
そのオーティズも意外にも守備が上達していましたので、彼に打ち勝つためにはタイプの違うところを見せつけて足で稼ぐようなバッティングを目指して欲しいと思います。


【オリオン村査定】 1350万円 → 1500万円 (△11%)

 

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内が手術、そして清水の意気込み

2007-11-16 01:20:08 | 千葉ロッテ

来季のクローザー候補の1人として期待していた内が、右肩の内視鏡手術を受けたとのニュースが飛び込んできました。
肩痛でウィンターリーグから途中帰国したので心配をしてはいましたが、自らのブログでは脳天気な発言が続いていたので、かなりショックを受けています。

内が右肩手術無事終える (11/15 スポーツ報知)

ロッテは15日、内投手が横浜市内の病院で右肩の内視鏡手術を受け、無事成功したと発表した。
退院は1か月後の予定だが、本格的な投球までには時間を要するため、来季の開幕には間に合わない見込み。
内はハワイでのウインターリーグに参加していたが右肩の痛みを訴え、帰国していた。

おそらく実戦に復帰するのは早くてもGW明けぐらいと思われますので、まさに怪我の功名にするように下半身を中心とした体作りに専念する1年にしてもよいと思います。
本人にとってもファンにとっても来季は辛いシーズンになりますが、めげずに頑張って欲しいと思います。

こうなるとクローザー候補としての清水の存在がクローズアップされてきます。
ストレートの球威を取り戻すことが大前提ではありますが、現有戦力では筆頭候補でしょう。
そんな清水は秋季キャンプの打ち上げで、かなり意味深な発言をしてくれています。

ロッテが秋季練習打ち上げ (11/15 日刊スポーツ)

ロッテは15日、秋季練習を打ち上げた。
この日は千葉市内の室内練習場で約2時間、汗を流した。
練習終了後、清水選手会長が「それぞれが来年、また同じロッテのユニホームを着ることを忘れずにオフを過ごしてほしい」とあいさつした。
バレンタイン監督は「シーズン自体も、秋季練習もすごく満足している。今後は来季の最初の日に、準備万端にすることを目指していく」と総括した。

デイリーがしつこく清水をトレード候補として報道していることは、本人も承知しているはずです。
そんな中での「来年、また同じロッテのユニホームを着ることを忘れずに」ですから、この報道をかなり意識した発言に思えます。
フロントに対する強烈な牽制、と受け取れなくもありません。
ロッテを愛することに関しては右に出るものがいない、とまで言われているらしい清水ですから、来季に向けて復活を目指した意気込みからくる発言だと信じたいと思います。

 

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2007年通信簿 31 渡辺俊介

2007-11-16 00:53:59 | 千葉ロッテ

31 渡辺俊介 投手 31歳 年俸1億1000万円

【2007年成績】 25試合 9勝6敗0S 防御率2.44 177回 154被安打 14被本塁打 34与四球 3与死球 93奪三振 被打率.237

今年は10勝には届きませんでしたが、その防御率からも分かるとおり安定したピッチングができました。
ここ一番の勝負弱さもありましたが、むしろ小野よりも不憫さを感じる今年の渡辺俊でした。

前半戦は一昨年の15勝を上回るのではと思うほどの好調さを見せてくれました。
課題だった制球力も安定し、緩急を使った彼本来のピッチングが出来ていたからこその結果だと思います。
球威で抑えるのではなく上下左右、そして前後の三次元で打者を翻弄するのが渡辺俊の真骨頂ですから、制球力こそ彼の命です。

恵みの雨 (5/2 オリオン村)

ここでも触れているように、私は渡辺俊の好不調のバロメータは死球の数だと考えています。
もちろん四球の数も彼にとって重要な値ですが、すっぽ抜けるような形での死球が増えるということはボールを自在に制御できていないことになります。
今年の死球は僅かに3個、四球も1試合あたり1.7個ですから彼にとっては思うがままのピッチングが出来たと言っていいと思います。
こうなった時の渡辺俊は手のつけようがなくなりますので、チームトップの8完投も頷けます。
それにも関わらず9勝にとどまったのは味方打線の援護が無かった、これに尽きるでしょう。
ソフトバンク戦のサヨナラ被弾に代表されるような惜しい試合が中盤戦にあったこと、これが渡辺俊にとってもチームにとっても大きな痛手でした。
この痛恨の一発を警戒しすぎてコーナーを狙いすぎ、これが前半戦に比べて後半戦の方が制球が乱れた印象に繋がっているのだと思います。
シーズントータルで見れば堂々たる成績を残しており、終盤戦からCSにかけての投球をすれば自ずから勝ち星は転がってきますので、打線の援護がなくとも焦らずペースを乱さないことが彼にとっての課題でしょう。

不満もあります。
その最たるものは負けが込んだ時に「実はぎっくり腰だった」と言い訳をしたことです。
もちろんそれも理由の1つでしょうが、相手に弱みを見せるような発言は慎むべきです。
これは打たれた時こそマウンドで強気の表情を見せるべきと言うのと同じ意味合いであり、弱気な言動は無意識のうちに逃げのピッチングに繋がりますし、相手につけ込む隙を与えることになりかねません。
根拠のない空威張りは困りますが、今年の渡辺俊ぐらいの成績を残しているのであれば局所の失敗などは気にせずに、常に胸を張った態度でいて欲しいと思います。

アンダースローであるが故に、年齢からくる足腰の衰えがピッチングに与える影響は非常に大きいと思います。
ベテランの域にさしかかってくる来季にどういったピッチングができるのか、その上体の沈み加減に注目しながら来季も応援していきたいと思います。


【オリオン村査定】 1億1000万円 → 1億4000万円 (△27%)

 

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2007年通信簿 30 小林雅英

2007-11-15 00:48:16 | 千葉ロッテ

30 小林雅英 投手 33歳 年俸2億5000万円

【2007年成績】 49試合 2勝7敗27S 防御率3.61 47回1/3 53被安打 4被本塁打 12与四球 2与死球 35奪三振 被打率.286

FA宣言をして移籍が濃厚な小林雅ですが、彼にとってはそれが正解かもしれません。
海外にせよ国内にせよ慣れられたパ・リーグでさえなければ、まだまだ充分に活躍できる余地は残っています。

コバマサ劇場と揶揄されているように、ピシャリと抑えることが少ないタイプの投手です。
4者凡退、5者凡退など走者を出しながらも無失点に抑えるという、見ている方からすると安心して任せられないクローザーです。
私は単に強がりでしかないと思っていますが、小林雅自身は常々「点を取られても勝ちさえすればいい」と言っており、完璧に抑えることに意を向けていないようです。
しかしそれも最終的に抑えてこそ生きてくる言葉で、今年のピッチング内容では反感さえ覚えます。

とにかく球威・制球力の衰えが顕著であること、これはクローザーとしては致命的です。
球速こそ150キロをまだ越えますが、空振りをなかなか取れないことからキレのない棒球であることがわかります。
また際どくも何ともない投げた瞬間にわかるようなボール球が多く、結局カウントを悪くした挙げ句の棒球ストレートを打たれるという悪循環を繰り返しています。
清水と同様にチェンジアップ習得を拒否したことで緩急をつけたピッチングができず、打者に慣れられたワンパターンの投球が限界にきたということでしょう。
これだけコントロールが悪ければ、特に武器であるはずのシュートやスライダーを制御し切れていなければ里崎もリードのしようがなく、ただ闇雲にストレートを投げ込んで撃沈した試合も1試合や2試合ではありません。
もし残留したとしても、根本からピッチングスタイルを改造しなければ今年の成績すら残すことはできないと思います。

そういう意味からも、本人のためには移籍という選択は間違いではないと考えます。
特に斎藤や岡島らの活躍で日本人のリリーフ投手の価値が上がっているため、実績のある小林雅に食指を動かすメジャー球団もあるでしょう。
あと23に迫った名球会入りをロッテで達成できないことは残念ではありますが、かと言って頑固な小林雅が来季に向けて自ら大改造に踏み切るとは思えませんので、割とサバサバとした気持ちで見送ることができます。
藤田と同様に残留であれば大幅減俸となりますので、お互いのためと割り切っています。

彼が抜けることでピッチングスタッフが苦しくなることは間違いありませんが、実績のある投手が結果を出せなかった時の処遇に頭を悩ませなければならないことを考えれば、新しい力の台頭に期待する方が気持ち的に楽と考えているロッテファンは多いと思います。
ロッテを支えてきた功労者であることは確かですので、是非ともメジャーで250セーブをマークしてくれることを期待しています。


【オリオン村査定】 2億5000万円 → 1億5000万円 (▼40%)

 

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今日も話題が豊富でした

2007-11-14 01:39:06 | 千葉ロッテ

いよいよ大学生・社会人ドラフトまで1週間を切りました。
高校生ドラフトと同様にビッグ3に指名が集中する可能性が非常に高いと言われています。
大場翔太(東洋大)、加藤幹典(慶大)、長谷部康平(愛工大)の誰にロッテが入札するのか、非常に注目されます。

単に戦力という意味で考えれば、地元出身である大場に入札するのが至極当然です。
ビッグ3の中でも頭1つ抜けた実績を誇っており、即戦力としてローテーションに入れる力を持っていると評価されています。
馬力もスタミナもあり、奪三振の能力もあることから抑えとしての起用も考えられます。
YFKが崩壊し、清水にも衰えが見え始めたロッテの投手陣にとって、まさにピッタリの選手です。
しかし最低5球団とも言われる競争率の高さ、大学リーグでの度を越えた酷使と、入札に躊躇する要素もあります。
私はこの酷使が非常に気になっており、ビッグ3以外は不作とも言われることからも大場は回避すべきではないかと考えています。
また小柄な投手が好きではないこともあり長谷部もパスで、大学に入ってからの成長が著しい加藤への入札を希望します。
加藤への入札が噂されていた横浜が長谷部に方針転換したとも言われているため、多くても3球団程度の競合ではないかと思います。
内、成瀬と同期の神奈川球児であることからライバルとしての競い合いも期待できますし、先発左腕はどうしても補強したいポイントでもあります。
懸念は喜多を育てられなかったことからくる慶大側の拒否反応と、内と同様に野球名門校出身でないことからくる体力不足でしょうか。

抽選を回避して一本釣りに走る球団もあるでしょうから、抽選を外すと即戦力に近い投手の獲得は極めて難しいと思います。
その場合は小瀬浩之(近大)か荒波翔(東海大)の指名が良いのではと思います。
本当は右の外野手か内野手が欲しいのですが、今年はあまり候補がいません。
この2人を選んだのは守備力と足があること、これだけで少なくとも大塚や代田の後継には直ぐになれるのではないかと考えるからです。

全体的には不作と言うこともあり、また育成枠での指名も6~8人程度を考えているとのことですから、多くても3人程度の指名で終わるのではないかと思います。
あるいはYFKの後継として昨年の松本の様に年のいった社会人投手を多く指名するかもしれません。
いずれにせよ、来季のペナントを左右するような評価の選手はビッグ3だけですので、バレンタイン監督の運に賭けて特攻して欲しいと思います。

薮田、小林雅放出やむなし…ロッテ条件上げず (11/13 スポーツ報知)

ロッテの瀬戸山隆三球団社長は12日、FA宣言した薮田安彦投手(34)、小林雅英投手(33)に対し、すでに提示した条件の見直しを行わない意向を示した。
千葉市内の球団事務所で同社長は「残ってもらいたいが、提示が大幅に変わることはない」と明言。
次回交渉の日程も決めておらず、2人の移籍は決定的だ。
瀬戸山社長は「他の選手とのバランスを見て査定はしなければならない。すべてがバラ色になるわけではない」とFA交渉でのシビアな条件提示を説明。
14日以降の残留交渉は2人が他球団の話を聞いた後になる。
他球団が好条件を出した場合には流出もやむなしのスタンスだ。
補強は金銭面で厳しい国内FA市場には参戦せず、新外国人投手に一本化。
この日までにベニーと来季までの契約を更新。
ズレータは2年契約、オーティズとは残留交渉中で、新外国人野手の補強はしない。
「若手から中堅の3Aクラスを中心にリストアップを進めている」と球団関係者。
薮田、小林雅が抜けた場合を想定し進めていく。

妥当な判断だと思います。
寂しさもありますし、藪田には是非とも残留して欲しいとは思いますが、球団の評価を変えてまでの交渉は他の選手に悪影響を与えかねませんし、健全な球団経営でもありません。
直ぐには無理でしょうが、必ずや新しい選手が台頭してくれると信じています。

先発補強にロッテ清水直トレード照準 (11/13 デイリースポーツ)
阪神がエース級先発投手の獲得を目指し、ロッテに照準を定めてトレード打診していることが12日、分かった。
球団関係者によると、トレード補強リストの最上位に置いていた清水直行投手(31)を第1候補に指名。
あくまでロッテ側との交渉次第となるため、久保康友投手(27)、小野晋吾投手(32)にシフトする可能性もある。
ただ、現段階で阪神側から仕掛けているトレードは、ロッテだけであることも判明し、今オフトレード補強の勝負どころと位置づけているようだ。
ロッテ側も、小林雅、薮田がFA宣言したことで、救援投手補強が急務となっており、中継ぎ投手を第1の交換要員に要求しているもようだ。
これを基本線に、野手も加えた大型トレードに発展する可能性もある。

ずいぶんと阪神と言いますか、デイリーは清水にご執心ですね。
まさに交渉中と言わんばかりの内容、ロッテが先発投手を出して中継ぎ投手を補強するという愚を犯すとでも考えているのでしょうか。
かなり中村泰で金村が獲れたのに浮かれているようで、笑止千万としか言いようがありません。
清水は確かにトレード候補として標的になってもおかしくない存在ではありますが、こと今年に関しては清水の放出はありえませんし、絶対にあってはなりません。
これは単に戦力面での意味合いよりも、YFKと黒木に加えて清水まで退団すると投手陣が求心力を失って崩壊するというリスクが極めて高いというのがその理由です。
むしろ清水を中心に引き締めを図る、清水にその自覚を持たせることが重要だと思います。

 

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