オリオン村(跡地)

千葉ロッテと日本史好きの千葉県民のブログです
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天は成瀬を見放さず

2007-09-12 23:05:51 | 千葉ロッテ

今日も負ければほぼ終わりを告げる可能性が高かった成瀬vsダルビッシュのリーグを、いや球界を代表する若き投手の対決でしたが、最後の最後の徳俵で踏みとどまってロッテが勝利を拾いました。
まさに奇跡と言ってもいいほどの展開は逆転優勝への第1歩になるかもしれませんし、しなければなりません。

今日の成瀬は昨日までの悪い流れに押し潰されそうな立ち上がり、信じられないぐらい制球が乱れての不安なものでした。
ほとんどのロッテファンが若く経験の浅い成瀬がプレッシャーに負けてしまうのではないか、そんな気持ちを持ったかと思います。
実際、マウンド上の成瀬は何度も肩全体で大きな深呼吸を繰り返し、緊張しているのがわかりました。
そしてあっさりと2失点、天は成瀬を見放したかとも思われました。
しかしひたむきに頑張ってチームに貢献してくれた成瀬を、天は見放すことなどしません。
すぐ裏に女房役の里崎が値千金の逆転スリーラン、これで成瀬が生き返りました。
バッタバッタと三振を奪いまくるダルビッシュを横目に、成瀬らしい投球を徐々に取り戻して、終わってみれば7回を2失点と堂々たるピッチングでした。
3回以降は得点はおろかヒットすら打てる雰囲気のない味方打線をバックに最少得点差のリードを守るということは、我々の想像以上のプレッシャーだったと思います。
悪かった立ち上がりの流れを取り戻した今日のピッチングは、ピシャリと完封した試合よりも多くの経験を成瀬に与えたと思いますし、次に控えるポストシーズンの大きな武器となってくれるでしょう。

成瀬、お疲れさま、そしてありがとう。

これが今の素直な気持ちです。

しかし凄い試合でしたし、よくわからない試合でもありました。
ロッテにとって助かったのは、やはり7回の早川のエラーに始まったピンチを凌げたことでしょう。
早川は返球を焦る場面でもないのに捕球前に打球から目を切ったことがエラーの原因であることは間違いなく、これは初心に返って猛省してもらわなければ困ります。
そんな中で代打の田中幸の意表を突いたスクイズ、この作戦には驚きましたし感心もしました。
しかしもっと驚いたのはあのプレーで得点が入らなかったこと、未だによくわかりません。
バッターランナーの田中幸がラインの内側を走ったことで成瀬の送球が背中に当たって守備妨害を宣せられたのはわかりますし、そのためにセカンドランナーのホームインが取り消されたのもわかります。
しかし守備妨害の時点で、つまりボールデッドになった時点では既にサードランナーはホームインしていましたので、同点にはなったと思っていました。
ヒルマン監督も割とあっさりと引き下がりましたので、野球規則上は守備妨害があった場合はそのプレーの前の状態に戻すというのがルールなのかもしれません。
これは本当に助かりました。

また8回の今江の守備、捕球できずにこぼしたのは仕方がありませんが、そのこぼれたボールを一生懸命に追いましたか?と問いたいです。
一生懸命に追ったからバッターランナーのセカンド進塁を防げたかどうかはわかりませんが、ボールを追う姿に必死さを感じなかったのは私だけでしょうか。
結果的にはサブローのレーザービーム、真相は一か八かを狙った稲葉の暴走に救われましたが、こういったプレーは見逃してはならないものだと思いますし、コーチはしっかりと指導してくれなくては困ります。

さあ、全国1億人のロッテファンの皆様、9回には小林雅が登場すると思ったでしょう?
まさか前のイニングでピンチをぎりぎりで切り抜けた藪田が続投するとは思わなかったでしょう?
小林雅に、そしてバレンタイン監督に何が起こったのでしょうか。
どんなに酷い打たれ方をしても小林雅を抑えとして起用し続けてきたバレンタイン監督が、今回の件で宗旨替えをするとも思えません。
想像するに、もし今日もやられて負けるようだと「絶対的な両輪の勝利を連日潰した投手」というレッテルが小林雅を完全に壊してしまうことを恐れたのだと思います。
抑えを藪田に任せるなら8回からは起用しないでしょうから、次からはまた小林雅の起用になるでしょう。
だいたい、ギャンブルとしか思えない2イニング目の藪田などは見たくもありません。
でも今日の藪田が貴重なセーブをマークしてくれたこと、これは心から感謝します。

繰り返しになりますが、今日の勝ちを「ああ、あれがターニングポイントだったんだな」と思える試合にしなければなりません。
そのためには明日の小野、今度こそ、本当に今度こそ石にかじりついてでも勝ってもらわなければ困ります。
明日のヒーローインタビューで、小野が「昨日の成瀬のピッチングを見たら、僕らが頑張らなくてどうするんですか」と誇らしげに語る姿を期待しています。

最後に余談ですが、昨日の中村ボケのジャッジについて謝罪があったようです。
ミスジャッジでごめんね、ではなく、実は二塁塁審がセーフの宣告をしていたのに、審判団全員で協議しなかったのは手続き上のミスであったということだそうです。
審判のジャッジが食い違った場合は全員で協議するのが掟のようで、厳重注意をしたとのことです。

前川審判部長がロッテに謝罪 (9/12 スポーツ報知)

パ・リーグの前川芳男審判部長は12日、千葉マリンスタジアムを訪れ、ロッテ―日本ハム20回戦(11日・千葉)の判定でバレンタイン監督から抗議を受けた際の対応について、ロッテの瀬戸山隆三球団社長に謝罪した。
6回裏無死一塁で、ズレータの中飛で飛び出した一塁走者の早川が帰塁した際、川口亘太二塁塁審はセーフと判定していたが、アウトとする中村稔球審の判定が採用された。
前川部長は、審判団の判定が食い違ったにもかかわらず、中村球審が審判団を集めて協議しなかったことなどについて謝罪した。
また、11日の時点で審判団に厳重注意したことも明らかにした。
さあ、明日も勝って逆転優勝への道を歩み出そう!



1 2 3 4 5 6 7 8 9
日本ハム 0 2 0 0 0 0 0 0 0 2 6 0
千葉ロッテ 0 3 0 0 0 0 0 0 X 3 5 1


◆9月12日(水) 千葉ロッテ-日本ハム21回戦(ロッテ10勝9敗2分、18時15分、千葉、19,624人)
▽勝 成瀬 21試合14勝1敗
▽S 薮田 51試合3勝5敗2S
▽敗 ダルビッシュ 24試合14勝5敗
▽本塁打 里崎12号(ダルビッシュ)

▽バッテリー
千葉ロッテ 成瀬、薮田―里崎
日本ハム ダルビッシュ―鶴岡、中嶋

 

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