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不都合な真実 《 日本の労働生産性――原英史 》

2024-05-26 | 05-真相・背景・経緯
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なぜ労働生産性が低いのか。端的に言えば、経営者と政府がダメだからだ。まず、日本の労働者が質が低くて怠け者のわけではない。特にグローバルな仕事の経験のある方なら、実感をもって共有していただけるかと思う。問題は、せっかく優秀で勤勉な労働者がいるのに、それを使いこなせていない経営者だ。


◆日本の労働生産性が低い理由――原英史

『岩盤規制 ~誰が成長を阻むのか~』
( 原英史、新潮社 (2019/3/14)、p37 )

日本の1人当たりGDPはなぜ、主要先進国と比べて低迷してきたのだろうか。

1人当たりGDPは、分数の掛け算で、以下の3つの要素に分解できる。

[1人当たりGDP](GDP/人口) =[就業者数/人口]×[1人当たり労働時間](労働時間/就業者数)×[時間当たり労働生産性](GDP/労働時間)

[就業者数/人口]と[1人当たり労働時間]は説明不要だろう。最後の (GDP/労働時間) は、同じ1時間働いても、労働者個人の能力や、与えられた環境(例えば、職場でパソコンを与えられているのか、すべて手作業を求められるのか)によって、成果は全く異なる。これが、[時間当たり労働生産性]だ。

日本の1人当たりGDPが低いのは、これら3つの要素の少なくともどれかが劣っているからだ。問題はどこか。

結論からいえば、[就業者数/人口]でも[1人当たり労働時間]でもない。

日本は少子高齢化が突出しているので、[就業者数/人口]が要因かと思われるかもしれないが、そうではない。たしかに生産年齢人口の比率は低いが、その代わりに就業率、特に高齢層の就業率が高い。結果として、[就業者数/人口]は主要先進国の中で高い方だ。

ついでながら、女性の活躍が遅れているとの問題もよく指摘されるが、就業率自体は決して低くない。むしろ問題があるとすれば、男女の賃金格差。つまり、責任ある仕事に女性がついていないことだ。

[1人当たり労働時間]が低いわけでもない。むしろ「日本人は働きすぎ」が世界の通念だ。データをみると実は米国人の方がもっと働いているが、とはいえ少なくとも、日本人の労働時間が短すぎて問題なわけではない。

残るのは、[労働生産性]だ。これは主要先進国の中で明らかに低い。OECD(経済協力開発機構)平均より低い状態が続いている(図表2)。ここが問題だ。

図表2 OECD加盟諸国の時間当たり労働生産性
   (2017年/36カ国比較)
    →tinyurl.com/b42pz4

なぜ労働生産性が低いのか。

端的に言えば、経営者と政府がダメだからだ。

まず、日本の労働者が質が低くて怠け者のわけではない。特にグローバルな仕事の経験のある方なら、実感をもって共有していただけるかと思う。問題は、せっかく優秀で勤勉な労働者がいるのに、それを使いこなせていない経営者だ。

そして、なぜ経営者がダメかというと、これは政府の問題でもある。本来ならば、ダメな経営者がいても、もっと良い経営者が現れて業績を伸ばし、ダメな経営者は自ずと駆逐されていくはずだ。もっと良い経営者が現れて業績を伸ばし、ダメな経営者は自ずと駆逐されていくはずだ。ところが、多くの業界では、政府がわざわざ、生産性の低い事業者を守っている、岩盤規制が典型だ。これが補助金と組み合わされている場合もある。

例えば、先ほどあげた理容室、薬局、クリーニングなどの事例はいずれも、新たなビジネスモデルや工夫を禁止し、昔ながらの事業者が昔ながらの運営を続けられるように保護している。農業では、企業の農地所有を禁止して昔ながらの零細農家を保護し、さらに多額の補助金が投入されている。

こうした事例は、日本経済全体の中ではごく小さな話だと思われるかもしれないが、違う。日本の労働生産性が低いのは、全体の平均の話だ。グローバルな競争にさらされていない地域密着型のサービス産業や、農林水産業などで、これらが全体平均を押し下げている。岩盤規制が最も頑強に残るのは、こうしたひとつひとつの産業規模は決して大きくない領域だ。

そして、何か新しいことをやろうとすれば、いちいち役所にお伺いを立てなければならない。結果として、新たなビジネスモデルの開発やイノベーションにはブレーキがかけられ、何もやらないダメな経営者が守られる。あとの章でお話しするが、こうした「事業規制型」の行政体系からの転換は長年唱えられていた。しかし、まだ少なからず残されている。これが、日本の労働生産性を低下させてきた。

だから、規制改革が必要だ。断行しない限り、これからの日本は貧しくなり続ける。
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