電脳筆写『 心超臨界 』

ひらめきを与えるのは解答ではなく質問である
( ウジェーヌ・イヨネスコ )

羽根が退化したキーウィは飛ぶことができない――渡部昇一

2024-05-31 | 08-経済・企業・リーダーシップ
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ところがそこへ白人が上陸し、一緒に猫や犬といった動物も運んできた。羽があって飛べる鳥ならば、別に犬や猫など怖くも何ともない。けれどもすでに飛べなくなっていたキーウィは、犬や猫の格好の餌食となってしまったのだ。


『人の上に立つ人になれ―じぶんの『生き筋』が見える人は強い!』
( 渡部昇一、三笠書房、p45 )

ニュージーランドは早い時期にオーストラリアから分かれてできた島なのだが、ここにはその時、哺乳類がまだいなかった。したがって猛獣もいない。だから鳥は敵から逃れるために飛ぶ必要がなかったのである。すると年月を経るに従い、鳥の羽はだんだん退化して、とうとう飛べなくなってしまった。これがキーウィである。

もし、ニュージーランドがそのままの状態であったなら、キーウィも幸せに行き続けられたことだろう。

ところがそこへ白人が上陸し、一緒に猫や犬といった動物も運んできた。羽があって飛べる鳥ならば、別に犬や猫など怖くも何ともない。けれどもすでに飛べなくなっていたキーウィは、犬や猫の格好の餌食となってしまったのだ。

キーウィはいわば、突然、たまらない不安と恐れの中に投げ込まれたようなものである。もちろん鳥であるから、こうした感情をもっているわけはない。けれども、相当な不安だったに違いない。そしてこの不安こそが、今の時代の中高年のリストラの不安と重なるのである。

年功序列で、定年まで面倒をみてあげますよ、という戦後の終身雇用の世界、それはある意味では昔のニュージーランドだったのである。そこへグローバル化によって、牙(きば)を持つ獣のような外国企業がどんどん入ってきた。

競争の原理がまかり通るようになると、それまで何もせずとも年の功などといわれて昇進してきた中間管理職たちが、競争に耐え得る存在ではないことが明々白々となってくる。こうして彼らは、会社から捨てられるのではないかという不安に、戦々兢々とし始めるのだ。

特殊な技能があるわけでもなく、とくに努力するわけでもなく、ただ漫然と会社に出勤し、ひたすら忠実に勤めあげてきたというだけで管理職になったひとたちは、羽が退化して飛べなくなったニュージーランドの鳥と何ら変わりはない。だから犬や猫がきたら、たちまち食われてしまう。
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