電脳筆写『 心超臨界 』

自分を励ます最良の方法、それは人を励ますこと
( マーク・トウェイン )

自分の体を鬼に食われる――河合隼雄

2024-08-10 | 03-自己・信念・努力
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ある旅人が一軒家で一夜を明かすことになりました。夜中に一匹の鬼が人間の死骸をかついで来ました。すぐ後ろにもう一匹の鬼が来て、その死骸は自分のものだと争いますが決着がつきません。そこで二匹の鬼は旅人に判断を仰ぎました。旅人が最初の鬼のものだと言うと、後から来た鬼は怒って旅人の手を体から引き抜きました。それを見た先の鬼は死骸の手を抜きとって代わりにつけてくれました。


◆自分の体を鬼に食われる

『ユング心理学と仏教』
( 河合隼雄、岩波書店 (1995/10/20)、p121 )

子どものときに読んで、強く印象に残った仏教説話があります。

ある旅人が一軒家で一夜を明かすことになりました。夜中に一匹の鬼が人間の死骸をかついで来ました。すぐ後ろにもう一匹の鬼が来て、その死骸は自分のものだと争いますが決着がつきません。そこで二匹の鬼は旅人に判断を仰ぎました。旅人が最初の鬼のものだと言うと、後から来た鬼は怒って旅人の手を体から引き抜きました。それを見た先の鬼は死骸の手を抜きとって代わりにつけてくれました。他の鬼はますます怒り、もう一方の腕を引き抜くと、また先に来た鬼が死骸のを取ってつけてくれる。こんなことをどんどんやっているうちに、旅人と死骸の体はすっかり入れ代わってしまいました。二匹の鬼はそうなると争うのをやめ、死骸を半分ずつ食べて行ってしまいました。驚いたのは旅人です。自分の体は鬼に食われてしまったのですから、今生きている自分が、いったいほんとうの自分かどうかわからなくて困ってしまいます。

子ども心にもこの話が何とも言えず不気味で、それで何だか滑稽な感じもしました。それで忘れられなくて今もよく覚えているのです。ところで、ここまでは覚えているのですが、この話の結果をどうしても思い出せないのです。そこでわざわざこの本を持っている人を探し出して読んでみまして。それによると結果は次のとおりです。

旅人は困って坊さんに相談しました。坊さんは「あなたの体がなくなったのは、何も今に始まったことではないのです。いったい、人間のこの『われ』というものは、いろいろの要素が集まって仮にこの世に出来上がっただけのもの、愚かな人達はその『われ』に捉えられいろいろ苦しみもしますが、一度この『われ』といものが、ほんとうはどういうものかということがわかって見れば、そういう苦しみは一度になくなってしまうのです」。

今読んでも深遠極まりない教えであり、子どものときに記憶に残らなかったのも当然です。皆さんはこの話についてどう思われますか。皆さんはこの結論に賛成されようがされまいが、ともかく「私」という存在が、実に理解し難く、把握し難い、ということはわかって下さったと思います。以下、「私」とは何かについて考えてみることにします。
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