電脳筆写『 心超臨界 』

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( ウジェーヌ・イヨネスコ )

不都合な真実 歴史編 《 アウンサン・スーチーは善人か――高山正之 》

2024-05-18 | 05-真相・背景・経緯
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ミャンマーことビルマは、もともと仏教を信ずるビルマ人の国だった。19世紀、この国を征服した英国はすぐに大量のインド人と華僑をいれて金融と商売をやらせた。さらにモン、カチンなど周辺の山岳民族を山から下してキリスト教に改宗させ、彼らに警察と軍隊を構成させた。単一民族、単一宗教のビルマはこれによって多民族、多宗教国家に改造され、この国の主だったビルマ人は農奴に落とされてしまった。


『スーチー女史は善人か』
( 高山正之、新潮社 (2011/8/28)、p48 )

《 アウンサン・スーチーは善人か 》

ミャンマーことビルマは、もともと仏教を信ずるビルマ人の国だった。

19世紀、この国を征服した英国はすぐに大量のインド人と華僑をいれて金融と商売をやらせた。

さらにモン、カチンなど周辺の山岳民族を山から下してキリスト教に改宗させ、彼らに警察と軍隊を構成させた。

単一民族、単一宗教のビルマはこれによって多民族、多宗教国家に改造され、この国の主だったビルマ人は農奴に落とされてしまった。

第二次大戦後、ビルマの歴史はビルマ人が再び国を取り戻すための涙ぐましい努力で彩られている。

ネ・ウィンは鎖国し、貿易を絶った。ために経済は停滞してビルマは最貧国に落ちた。

彼はまたデノミと借金を棒引きにする徳政令を何度もやった。

貿易をとめられたうえに徳政令では経済と金融を握っていた華僑やインド人には何のうまみもなくなって、ビルマから出て行った。

残るは警察と軍隊を握る山岳民族だが、ビルマ人は山に帰れとは言わず、共存を訴えた。

その証としてビルマ人の国を意味する「ビルマ」を「ミャンマー」に変えた。

植民地支配の残した負の遺産をだれのせいにするでなし、国名も変え、貧しさに耐えつつ平和的に解決した例を他に知らない。

そういうビルマ人の努力をすべてぶち壊しているのが性悪のアウンサン・スーチーだ。彼女は植民地時代の支配階級だった山岳民族やビルマ人不満分子を糾合し、政権奪取を狙う。

彼女の後ろで英国が舌なめずりしているのを彼女自身も知らない。

その「民主化運動で迫害されている少数民族出身の男」の亡命を東京地裁が認める判決を下した。

これを嬉しそうに報じた朝日新聞によると、この男は「国外に逃れ、バングラデシュからサウジアラビアにまで行って母国の民主化運動をやった」という。

一読、ヘンだと思わないか。

まず民主化に関わる少数民族と言えばカチンやモンであって、彼らは大体がキリスト教徒だ。

しかし亡命男はサウジまで行っている。イスラム教徒の行動になる。

一見、イスラム系インド人風だが、ミャンマーの国籍も持たない。彼の難民申請を拒否した法務省も「ミャンマー国籍を持っているか疑わしい」としている。

常識的にはバングラから越境してくる不法入国のイスラム系ロヒンジャと考えるのが妥当だ。彼らはスーチーの運動には関係ない。

こんないかがわしい男が「仲間はサウジでの活動を理由に拷問され死んだ」と言って、それを何の裏付けもなしに日本の裁判所が認めたのだ。

朝日は先日も「ビルマ軍が少数民族の13歳の少女を暴行し、生きたまま焼き殺した」というNGOからの投書を載せていた。

現政権を悪鬼のように描くが、山口洋一・元ミャンマー大使は「根拠も無い悪質な中傷。あの国の歴史を見ればいかに彼らが不器用に、正直に生きてきたか分かる。もちろん拷問の事実もない」という。

大体、朝日が言うような暗黒国家ならスーチーなど20年ものさばらせはしない。邪魔になった時点で処分している。

結局、東京地裁はスーチーの味方は正義みたいないい加減な判断で判決を書いた。

それもこれも日本のメディアが複雑な民族、宗教問題を面倒くさがって一切書かないできたためだ。

東ティモールもそう。島民がインドネシアに苛(いじ)められて可哀想とかの触れこみだった。が、実態はこの島の周辺に石油が出るのを知った白人混血児と豪州が組んでインドネシアから騙し取った詐欺事件だった。

そうとも知らない日本の新聞は詐欺師の言うまま人権問題として報じ、日本政府に4億ドルも追い銭を出させた。

それを防ぐ手はある。米国でもやっているようにアフリカ系とかイタリア系とかの形で出自を書けばいい。面白いものでそれだけで事件の裏まで見えてくる。

京都府でキリスト教の牧師が日本人の女性信者を何人も強姦した疑いで捕まった。

朝日は犯人を永田保と日本名で書くが、実は大阪生まれの韓国人の金さんだった。

創氏改名であれだけ文句を言った国の人を日本名で呼ぶのは失礼だろうに。

親韓派の朝日がそれを承知で敢えて失礼な表記をして韓国籍を隠す。それほど民族は雄弁にすべてを物語るものだ。

                   (2005年4月21日号)
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