電脳筆写『 心超臨界 』

どんな財産も誠実にまさる富はない
( シェークスピア )

◆「悪魔の思想」は、なぜ生まれたのか

2024-07-19 | 05-真相・背景・経緯
◆「悪魔の思想」は、なぜ生まれたのか


国家が積極的に充実し、成長することを可能にする電源、それはただひとつ、国民が誇りを持って事に臨む“気概”です。ゆえにGHQは、日本国民が気概を持たないように仕向けました。気概の反対、それは卑屈です。GHQは日本を無力な国家とするため、謀(はかりごと)をめぐらしました。その結果として、できるだけ日本国民を卑屈な、縮こまった状態に閉じこめようとしました。そのためには、「悪魔の思想」をはびこらせることが都合がよかったのです。「悪魔の思想」は、日本国民をだらしない“烏合(うごう)の衆”に落としこむため処方された投薬だったのです。


『悪魔の思想』 「進歩的文化人」という名の国賊12人
( 谷沢永一、クレスト社 (1996/02)、p12 )
第1章 こんな国家に誰がした――今も続く、スターリンの呪縛
(1) 「悪魔の思想」の誕生

このような、日本という国家を、ということはつまり、その本体である日本国民を、かぎりなく、卑しめ、蔑み、そして、劣れる者とみなして罵(ののし)り、見下し、国益を外国に売り渡す思考方法を、私は、ここに「悪魔の思想」と呼びます。

この「悪魔の思想」は、もちろん戦前からわが国にかなり根強く芽生えていました。しかしその頃は、この悪魔の声がほとんどの国民の目に触れ耳に達することなく、その勢力はまことに微々たるものでありました。

ところが、昭和20年8月15日、つまり日本の敗戦という大変動を契機として、成行きが決定的に変わりました。歴史的な大逆転です。「悪魔の思想」が言論界の前面に躍り出て、見た目には主流であるかのごとき盛況を呈したのです。

なぜ、そんな事態となったのか。

読者のすべてが推察されているとおり、日本を支配したGHQ(連合国占領軍総司令部)の思惑に基づきます。このGHQの目的とするところは、日本が将来に二度と強い国にならぬように、そのため、日本国民の根性を骨抜きにしておくことでした。国家が積極的に充実し、成長することを可能にする電源、それはただひとつ、国民が誇りを持って事に臨む“気概”です。ゆえにGHQは、日本国民が気概を持たないように仕向けました。

気概の反対、それは卑屈です。GHQは日本を無力な国家とするため、謀(はかりごと)をめぐらしました。その結果として、できるだけ日本国民を卑屈な、縮こまった状態に閉じこめようとしました。そのためには、「悪魔の思想」をはびこらせることが都合がよかったのです。「悪魔の思想」は、日本国民をだらしない“烏合(うごう)の衆”に落としこむため処方された投薬だったのです。

薬はしだいにじわじわと効きました。今日においても、この悪魔の呪いは、まだかなり有効に機能しています。村山富市首相は、戦後50年にあたり、わざわざ談話を発表し、「植民地支配と侵略によってアジア諸国の人々に多大な損害と苦痛を与えた」との一方的な歴史認識を表明し、「心からのお詫びの気持ちを表明する」と謝罪しました。しかし、大東亜戦争がアジアの興隆に決定的な刺激となったことは、アジアの心ある人びとの誰もが認めています。その歴史的意義については、さらに50年を経た将来、おのずから明らかになるでしょう。

総理大臣にはさまざまな職務がありましょうけれど、歴史を裁定するという重大な権限は総理に委任されてはおりません。村山談話は職務を逸脱した越権と申さねばならぬでしょう。こういう談話を発表しなければならない必要はまったくなかったのです。

また、江藤隆美(えとうたかみ)総務庁長官は「植民地時代に日本はよいこともした」と、当然至極の歴史的事実を指摘しただけで、京城政府による非公式の圧力でやむなく辞任しました。これが国辱でなくてなんでありましょうか。

一体全体、こんな日本に誰がした! わが日本を、こんな国家に誰がした! 今や、この重大な根本問題に真剣な問いを発すべきときではないでしょうか。

その犯人は、歴然とはっきりしています。それは「反日的日本人」の群れであります。なかでもそれらの牽引者(リーダー)です。日本の敗戦を好機として、浮塵子(うんか)のごとくに湧きだし。躍りだし、それ以後、50年の長きにわたって、有象無象(うぞうむぞう)の「反日的日本人」を大量に生みだすよう努めた頭目どもが跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)しました。これらの親分たちは学閥を背景に学界で巨大な権力を握り、人事を司(つかさど)るゆえに、その組織力を活用して論壇と言論界を占領し、世論を誤導(ミスリード)すべく企み、鼠のように反日の子分を増やしつづけたのです。

進歩的文化人、反日的日本人、売国奴、このいやらしく、汚らわしい連中の隠された生態を照らしださねばなりません。厭(いと)うべき歎かわしい現象の根源を衝(つ)き、悪臭の発生源を根絶やしにしなければ、日本の健全な明日への出発点が確保されないでありましょう。

いったい誰が、日本を誤導したのか。「悪魔の思想」は、どこから、何を契機として誕生したのか。この喫緊(きっきん)(急を要する重大事)であると憂慮される問題を解決することに、一意専心、全力を挙げて突き進んだのが本書であります。
この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ◆戦後の言論界を牛耳りつづけ... | トップ | ◆反日的日本人の正体とはなにか »
最新の画像もっと見る

05-真相・背景・経緯」カテゴリの最新記事