電脳筆写『 心超臨界 』

人格は自らを守る守護神
( ヘラクリトス )

◆反日的日本人の正体とはなにか

2024-09-15 | 05-真相・背景・経緯
§5-3 戦後の言論界を牛耳った「進歩的文化人」という名の敗戦利得者たち
◆反日的日本人の正体とはなにか


本書では、この人は平素から怪(け)しからんというような、概評は一切いたしませんでした。特定の人物が、内輪でのささやきとしてではなく、公開の活字にした文言(もんごん)だけに限って採りあげました。そして出所(でどころ)のはっきりした、公表された言論の中から、原文のまま、ひとめで反日的と受けとれる発言を列挙しました。証拠をはっきり示さないで批判してはいけませんものね。


『悪魔の思想』 「進歩的文化人」という名の国賊12人
( 谷沢永一、クレスト社 (1996/02)、p16 )
第1章 こんな国家に誰がした――今も続く、スターリンの呪縛
(1) 「悪魔の思想」の誕生

さて、この本の主題は、読者にかなり興味をもっていただけると信じます。

この本の内容を、もう少し詳細に示すと、次のごとくです。

第一に、反日的日本人の言論をひとつひとつ具体的に紹介し、それがなにゆえ反日的であるかについて、できるだけ簡単明瞭に説明しました。

第二に、このような反日的日本人がなぜ出現したかについて考えてみます。つまり反日的日本人が発生する原因となった条件に光をあて、歴史的な由来をさかのぼってたずねました。

このふたつの方面にわたる探求を照らしあわせていただければ、今まで、なんだかおかしいなと、首を傾(かし)げておられた奇体(けったい)な風景について、なるほどそういう次第であったのかと、ようやく納得していただけると念じております。

反日的日本人とはなにか。反日的日本人とは、純粋の日本人でありながら、わが国の国情と社会の成りゆきと歴史の流れを、非難し攻撃し弾劾する人たちです。その種の言立てを以て、自分の言論活動の基本方針としている連中です。

したがって、また反日的日本人は、われわれ日本国民のすべてを、貶(おとし)め、蔑(さげす)み、罵(ののし)り、卑(いや)しめ、自分を高いところにおいて国民を見下しています。この人たちは、日本国民は愚かであって、おおいにやっつけてやらなければならんと、心に決めているかのように見うけられます。

ただし、言論は自由です。世の中に損害を与えたり、人びとに危害をおよぼすような破壊活動につながらないかぎり、言論は完全に自由です。自分の信ずるところ、考えるところにしたがって、国家を批判し国民を論難するのは勝手です。それが宜しくない、態度が悪いと、喰ってかかったところで仕方がないでしょう。

今までに書かれた進歩的文化人批判、反日的日本人批判の中には、具体性に欠ける発作的な野次り倒しが少なくありませんでした。しかし、お腹立ちはごもっともですけれど、ただ気に喰わんというだけの反撥には、説得力がありません。また、総括的に、一般論として、印象論として、やみくもに叩くだけでは、多くの方々のご同意はえられないでしょう。

そこで本書では、この人は平素から怪(け)しからんというような、概評は一切いたしませんでした。特定の人物が、内輪でのささやきとしてではなく、公開の活字にした文言(もんごん)だけに限って採りあげました。そして出所(でどころ)のはっきりした、公表された言論の中から、原文のまま、ひとめで反日的と受けとれる発言を列挙しました。証拠をはっきり示さないで批判してはいけませんものね。

さらには、この文章の奥底には反日的な姿勢が隠されているらしいぞ、というような、推理ごっこは一切しませんでした。その方向へ進むと、言いがかりにおちいりかねませんから。
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