電脳筆写『 心超臨界 』

あなたが他人を責めるとき
あなたは成長し変化する自分の力を放棄したことになる
( ロバート・アンソニー )

禅とは夜盗の術をまなぶに似たるもの――鈴木大拙

2024-05-26 | 03-自己・信念・努力
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人が、禅とはいかなるものかと問えば、自分は禅とは夜盗の術をまなぶに似たるものと答えるであろう。ある夜盗の息子が自分の父の年老いたのを見て思った。「親父が商売をやれぬとすれば、この己より外に自家(うち)の稼ぎ手はないわけだ。己が商売をおぼえねばなるまい」。彼はこの考えを父親にひそかにもらし、父親もこれを承知した。


◆禅とは夜盗の術をまなぶに似たるもの

『禅と日本文化』
( 鈴木大拙、岩波書店 (1964/3/21)、p3 )

『人が、禅とはいかなるものかと問えば、自分は禅とは夜盗の術をまなぶに似たるものと答えるであろう。ある夜盗の息子が自分の父の年老いたのを見て思った。「親父が商売をやれぬとすれば、この己より外に自家(うち)の稼ぎ手はないわけだ。己が商売をおぼえねばなるまい」。彼はこの考えを父親にひそかにもらし、父親もこれを承知した。一夜、父は倅を伴い、ある豪家に至り、塀を破り、屋内に入り、大きな長持ちの一つを開き、息子に、このなかに入って衣服を取り出せと命じた。息子がなかに入るや否や、父はその蓋をおろして鍵をかたく掛けた。そして中庭にとびだし、泥棒だと大呼し、戸を叩いて、家中のものを起こした上で、さて己はさきの塀の穴から悠々と逃げ去ってしまった。家人は立騒いで灯をつけたが、盗人はすでに逃げたことが判った。その間に長持ちのなかに固く閉込められた倅は、父親の無情をうらんだ。彼はひどく煩悶したあげく、名案が不意に浮かんだ。鼠の物を噛るような音を立てると、家人は下婢に灯を取って長持ちを調べよと命じた。蓋を開けるやいなや、ここに閉込められていた捕虜は飛びだした。灯を吹消した。下婢を突飛ばした。そして一目散に逃出した。人々は彼をおいかけた。彼は路傍に井戸を認めたので、大石を抱き上げてこれをその水中に投じた。すると、暗い井のなかに、盗人が入水したのだと思って、追手はことごとく井戸の周囲に集まった。そのうちに彼は無事自家(うち)に戻った。彼は危機一髪のところだったといって、父親の非道を鳴らした。父親がいった。

「まア、憤るナ、どうして逃げてきたかちょっと話してみろ」

そこで倅がその冒険の一部始終を語り終わった時、父親はいった。

「それだ。お前は夜盗術の極意をおぼえ込んだ」』

この過激な夜盗術の教授法によって、禅の方法論が説明される。禅では弟子がその師匠に教えを求めると、師は弟子の面を打って一喝する。
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