電脳筆写『 心超臨界 』

現存する良品はすべて創造力の産物である
( ジョン・スチュアート・ミル )

真理のひびき 《 調和という事は真善美の美に該当する――中村天風 》

2024-06-29 | 03-自己・信念・努力
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   [箴言十七]

   調和という事は 真善美の美に該当するもので
   これは探求すべきでなく 自から進んで作為すべきものである
   Harmony corresponds to Beauty among Truth, Good and Beauty;
   and it is not to be searched for but to be made.


『真理のひびき』
( 中村天風、講談社 (1996/7/18)、p156 )

調和ということは、われら天風会員が、年中行事の最高最大の楽しい践行としている、あの夏期の修練会の数多き行修科目の中で、これまた最高度の価値があると参加会員諸子から絶賛的な高評を受けている、真理瞑想行の教説の中で、人間の生命と宇宙創造の根本主体との実際関係を垂迹(すいじゃく)するとき必ず詳細にわたって講述するので、修練会を一度でも履修(りしゅう)された会員は、「そも調和ということは、厳粛なる宇宙本来の面目であり、かつまた人生の実相であると同時に、生きとし生ける生物の生命の本然の姿なのである。いいかえると調和ということは、万物存在の絶対に侵すべからざる尊厳なる自然性なのである」ということを理解されていると信ずる。

「またこれは論より証拠で、調和のあるところのみにいわゆる真の完成というものがあって、反対に調和のないところには絶対に完成というものはあり得ない」のは、いっさいの事物事象に明瞭に現れてくる。

特にこのことがらは、お互いの住むこの世界にあるさまざまなできごとの中でも、自然的に発生するできごとを仔細に観察すると、そのいずれもすべてが、この宇宙の本来の面目である調和という自然性の発動する現象なのであるということがわかってくる。

すなわち、雨にせよ、風にせよ、雪にせよ、氷にせよ、寒暑温冷一切合切、そのすべてがこの調和という自然性がその素因となって発動する現象にほかならない。

否、極言すれば、人々が大いに怖れ忌み嫌う天変地異、地震、噴火、台風、津波等々の災害なども、また人間の生命に生ずる疾病違和(しっぺいいわ)の現象のごときものも、もっと分かりやすくいえば、発熱するのも下痢するのも、皆この峻厳なる宇宙摂理より生じてくる尊い大自然性の発動現象なのである。

すなわち、宇宙の事物事象の一切をできるだけ完全な姿にするべく、いいかえれば絶対調和の状態にするべく、その不備と欠陥とを是正しようとするための自然性の能動作用なのである。

そしてその絶対調和の状態こそ、美というもののほんとうの姿なので、調和のないところに完全がないのと同様に、調和のないところにほんとうの美はないのである。

もっと極言すれば、うつくしいという言葉はしっくりと調和しているという言葉の代名詞で、さらにうつくしいというのは完全だということになるのである。

また前にもいった通り、調和のないところには完全というものがないのであるから、政治であれ、事業であれ、さらには人事世事一切合切、調和がすべての完成へ重要な役割を果たすので、どんな思想でも主義でも、また計画でも設計でも、調和を無視し没却された考慮では、とうていその完成は現実化されないのが当然の真理なのである。

要するに、俗にいう無理は通らぬというのが、この実際の消息(しょうそこ)を遺憾なく喝破した言葉なのである。

だから、何事でも現実に完成させようと意図するならば、何よりも調和という大事業をその根底基盤とすることが、先決な要諦だということを忘れてはならないのである。

たとえば、政治家が失脚したり、事業家や商売人が失敗するのも、要約すると必ずやその思索や言動にこの調和という大切なことが欠如していたということが必ずやその原因の中に存在しているのである。

だからこの絶対真理に鑑(かんが)みて、自己の人生の完成を現実に企図(きと)するものは、常に何事何物にも「調和」ということを決しておろそかにすべきではないということを、人生に対する厳粛な心得とすべきである。

現にわれらの実践する心身統一法なるものも、この絶対真理にのっとって、生命の一大調和を現実化しようとする敬虔な意図の下に組織した方法なのである。

特に、その基本要諦となっている精神態度の積極化ということこそは、まことに全生命に対するもっとも根本的な調和基盤をなすという重大なものなのである。

そしてまた、われら天風会員が、毎日の人生の第一声としてわが心に呼びかける「誓いの言葉」も、自ら進んでこの調和基盤に自己の人生を定めていこうという侵すべからざる自己戒律であり、また尊厳なる自己憲章なのである。

以上の記述で、人生に対する「調和」というものの重大性=和をもって貴(とう)としてなすということの真の消息が充分よく自覚されると信ずる。と同時に、この調和ということは、幸福というものと同様で、常に心に心して自ら進んで創り出すべきものであるということも、決して忘れてならないことである。

すでに箴言十一に、

  争うことを先にしないで、和することに後れるな

という西哲の言を抜記(ばっき)したのも、要は、調和以外に、代償のない破壊には絶対に完成というものがないことを、正しく自覚してもらいたいためである。

すなわち、調和こそ、人生を正確に決定するゴールデンプロトタイプ(基本形)ともいうべき絶対唯一の至宝である。
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