つい先日のこと。
外国人の取締役1名の辞任と、後任取締役の選任 という事件を受託しました。
辞任する取締役は外国人で、既に辞任届けは取得済み。 ご本人は本国へ帰国してしまった後でした。
辞任届の内容は、「平成22年2月1日(仮)の株主総会の終結をもって辞任します。」というモノで、しごく一般的な内容です。そして、後任者選任の株主総会には欠席されました。
代表取締役の場合はそうでもありませんが、平取締役が辞任する場合には、後任者選任の株主総会に辞任する取締役が欠席することが多いようです。
事実上は会社に来なくなっているけれど、籍だけは後任者が選任されるまで置いておくということでしょう。
議事録も予め文案を整え、あとは印鑑を押すだけになっていて、準備万端のハズでした。
ところが数日後、「株主総会の開催予定日が延期されました。」 とのご連絡があり、ワタシも 「ハイ、承知しました♪」などと気軽にお返事しました。
さらに数日後、株主総会が無事終了したので、いよいよ登記をすることになりました。 ご担当者から、念のため書類原本の写しをお送りいただいたところ。。。
「ガーン。。。。 (ーー;)」
株主総会は当初の予定より1週間ほど後に開催されたのですが、辞任届に書かれた株主総会の日付は2月1日のままです。 考えてみれば、外国にいる方からそんなに早く辞任届を差し替えてもらうのは困難ですよね。
会社としては辞任届をもらい直すのは避けたい(不可能ではないけど)、とおっしゃってマス。
ワタシは、こういう類の辞任届には、解釈の方法が2種類あるのだとツネヅネ思っておりました。つまり、「2月1日に辞める」又は 「近々開催される株主総会で後任者が選任されたら辞める」、どちらとも解釈できるんだろうな。。。ということです。後者だったら、そのままでも問題ないわけですけど。
でも、ワタシが思っただけじゃダメなので、法務局に電話してみました。
法務局の方は、「電話だけだと何とも言えないケド、辞任の場合はトラブルになることもあるからねぇ~。。。ダイタイ、どっちの意味か判断できないでしょ~!?」 とちょっと消極的。
ちなみに、株主総会に辞任する取締役が出席して、辞任する旨が議事録に記載されていれば、辞任届を提出しなくても登記はできますが、それは虚偽の記載ですからやっぱり正当に手続したいじゃありませんか。
そこで、「この辞任届けは、株主総会の終結で辞任するという趣旨ですから、株主総会の開催日が変更された場合は、その株主総会の終結時点で辞任の効力が発生しています。」(ついでに、「法務局にはご迷惑をお掛けしません」と念押し) という内容の上申書を作成していただき、法務局に提出しました。
ちょっとビクビクしてたんですけどね~。特に電話もなくて、数日後、無事登記は完了しました。
前から 「いつかこんなこともあるんじゃないかしら。。。」 とは思っていたんですが、初めてのこと。 法務局も電話での反応を見る限り、こんなことはホトンド起きていないようです(^_^;)