司法書士のオシゴト

会社にかかわる登記を中心に素朴なギモンにお答えします♪ 

事業年度の変更と会計監査人の任期 その1

2010年03月25日 | その他会社法関連

会社法になりまして、さまざまな機関設計が出来るようになりました。 コレに伴って、会社の機関が登記事項とされましたし、会計監査人や会計参与人についても登記事項に加えられています。

特に会計監査人に関しては、大会社の場合、旧法でも設置義務があったにもかかわらず、突然登記事項になってしまって、今でも色々混乱しているようです。

会計監査人が他の機関と異なるのは、①非公開会社であっても任期の伸長が認められないこと、②選任決議がなくても再任すること、③任期途中で辞任した場合も権利義務規定の適用がないこと、④補欠規定の適用がないこと、などイロイロあります。

①非公開会社の場合、取締役、監査役、会計参与の任期は、定款の規定によって、10年まで伸長することができますよね。 でも、会計監査人は任期を伸長することも、短縮することも認められていません。

②会計監査人の最も困ったところでして、決議がなければ自動的に再任されてしまうんです。 ところが、登記は毎年やらないといけないので、会社さんが登記申請を失念することも非常に多いんです。 実は、ワタシも忘れっぽいので、会社さんには 「とにかく、何でもいいから毎年登記をする! って思ってください」とお願いしているくらいです。

③取締役等が任期途中で辞任し、法定(又は定款に定める最低の)員数に不足する場合は、後任者が就任するまで「なお役員としての権利義務を有する」ってヤツです。会計監査人は会社の「役員」ではないため、この権利義務規定の適用をうけません。
そのため、取締役が辞任しても権利義務状態が解消されないと登記はできないのですが、会計監査人は後任者が選任されなくても「辞任」や「任期満了」による退任の登記をすることができます。
会計監査人を新たに設置した場合には、「会計監査人設置会社」である旨と「会計監査人の氏名又は名称」は一緒に登記申請しなければなりませんが、後任者が就任しないで辞任等の登記をしますと、「会計監査人設置会社」の登記はあるものの、会計監査人はいない、という不思議な状況に陥ります。

④一時期大変話題になりましたよね。
会計監査人が任期途中で辞任等により退任した場合に備えて、予め補欠の会計監査人を選任することはできないんです。
そこで、会計監査人の欠員が出た場合、株主総会の開催が困難なときは、「一時会計監査人」を監査役(又は監査役会)が選任することになっています。
アノ事件があって実務が大混乱したせいか、たまに会計監査人を2人(2法人?)置いている会社もあるようです。

。。。前置きがとても長くなっておりますが。。。
つづきはまた明日。

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