同業者の方にはつまらないハナシだと思います。 現行定款とは何ぞや!? についてです。
株式会社設立の際には定款を作成し、公証人の認証を受けることになりますね。 (会社の種類によっては公証人の認証を受けない場合もありますし、設立でも組織再編による設立(新設型の合併・分割、株式移転)の場合には、公証人の認証は不要とされていますが。。。ま、とりあえず、置いといてください (^_^;) )
この会社の設立時に作成した定款は 「原始定款」 と呼ばれております。
原始定款には、公証人の認証文と認証印が付いていますから、「コレが定款!コレだけが定款!」 と思われている方も多いようです。
そのため、「当社には定款がないんですが、どうしたら良いんでしょう。。。」 とか、銀行さんから、「会社に定款の提出をお願いしたら、失くしてしまったらしいんですが。。。」 とか、色んな方々から、「定款が無いっ!」 っていうオハナシを聞きます。
よくよくお話を伺ってみますと、要するに「原始定款」が物理的に紛失したことを指しているようなんです。
もちろん原始定款は大事なモノなので、大切にして頂いた方が良いのですけど、原始定款という物理的なモノがないことと、定款が存在しないことは別問題です。
会社の定款というのは、株主総会で定款変更決議がされれば内容が変わっていきますから、設立後定款変更されれば、原始定款は変更後の定款内容を表しているものとは言えません。
一般的に「定款」という場合、その時に有効な定款規定という意味であることがホトンドで、これが「現行定款」と呼ばれているものです。
現行定款のカタチは色々あります。
①原始定款と定款変更された株主総会議事録を合わせたもの
②現在の定款の内容を記載した紙
③現在の定款の内容を記録したファイル
などです。
つまり、現行定款というのは物理的なモノというよりは、「規定内容そのもの」なんですね。
②や③のカタチで第三者に提出する場合は(登記に使用するときも同じデス)、公証人の認証のような証明がありませんから、会社が自己証明いたします(法務局へ提出する場合は会社の実印を押印します)。
ただし、「定款がない」という場合、定款規定そのものが分からないことが多いので、実質的には新たな定款を作成して株主総会の承認を得ています。
分からないのは全ての事柄ではなく、登記事項になっている規定や、事業年度などは判明していますから、実務上重大な支障が出ることはないようです。
また、「定款が間違っている」ということもありますが、定款という紙に記載した際の誤植でしたら、定款の修正のために株主総会の決議をする必要はありません。
でも、誤植かどうか、或いは、いつ間違えたか、は、結構分かりづらいものなので、定款変更時には、その時々の変更履歴を残しておいた方が良いと思います。
今は登記の際も定款を添付する機会が増えていますので、定款規定の内容はきちんと把握できるよう、工夫なさってくださいね (^_^.)