今日のひとネタ

日常ふと浮かんだことを思いのままに。更新は基本的に毎日。笑っていただければ幸いです。

2009年5月のブックレビュー

2009年06月13日 | ブックレビュー
 5月の初めといえばGWですので電車で出かける機会も多く結構読めました。ということでさっそくレビューです。

◇国境事変 誉田哲也
<図書館で借りた> 4月にジウを読んで「面白い!」と思い「この作者の作品をもっと読もう」と思ってたときに図書館で見つけました。いつ面白くなるのだろうと思いながら読んでいたらそのまま終わってしまったという…。ジウに出てきた刑事がまた出てるようですが、気がつかなかったです。やはり期待の大きすぎるのはよくないようです。

◇パズルパレス(上・下) ダン・ブラウン
<文庫・新品で買った> 尾崎亜美さんがブログで紹介してたので読んでみました。亜美さんの場合はハードカバーで買って読んでた本を、間違えて文庫でまた買ってしまったのだとか。私の場合は読んでるうちに「なんかダヴィンチコードと雰囲気が似てるなぁ」と思い、あとがきを読んで同じ作者だと気づいたという…。結構面白かったですが、こういうのを読むと「原語で読めればもっと雰囲気がつかめるのだろうけど」と思ってしまいます。欲を言えばもうちょっとお色気が欲しかったり。

◇ジウⅡ・Ⅲ 誉田哲也
<知り合いから借りた。> Ⅰがとにかく面白かったので期待しながら読みました。結果としてⅡで「ん?」と思い、Ⅲで「あらあら、これは」と思ってしまいました。私に本を貸してくれた人もほぼ同様の感想だったので、同じように思った人もいるかもしれませんね。ちょっと説得力がなさすぎというか、話が妙な方向に大きくなりすぎというか。

 ネタばれになるのであまり語れませんが、この方の本はもういいかな?とも思ってます。その前にはやはり「ストロベリーナイト」を読んでから判断した方がいいでしょうか。

◇隠蔽捜査 今野敏
<図書館で借りた> この作家は昨年「琉球空手バカ一代」という本で知りました。それが面白かったので小説も読んでみようと思った次第です。タイトルに騙されがちですが、これは警察小説ではあるものの実際は人間ドラマの色合いが濃い力作です。途中まで「なんか地味だなぁ」と思ってたのが、最後までいくと「ブラボー!」という感じでした。

 こういう作品を読むと、小説とは派手なストーリーよりも人間描写、心理描写の妙が決めてだなぁと思います。今野さんのファンになりました。先にエッセイを読むと作家の人柄がわかって面白いのかもしれませんね。

◇デッドウォーター 永瀬 隼介
<図書館で借りた> 図書館で手にとって裏表紙のあらすじを見たら面白そうだったので読んでみました。結果として、面白いことは面白いのですがどうにも気分が冴えない作品です。ただし、あとがきを読んで主人公のルポライターが以前の作者と重ねあわされていることを知って納得した感じ。ただ、それでも「ちょっと説得力にかけるよなぁ」とは思います。

◇廃墟本3 構成:中田薫 撮影:中筋純
<新品で買った> 先日ブックレビューで紹介したとおり。残念ながらPart2は入手できてません。


◇リアル鬼ごっこ 山田悠介
<図書館で借りた> タイトルは聞いたことありました。展開とか設定が結構幼稚だなぁと思ったのですが、最後までそれは変わりませんでした。ただし面白くないわけではないのとデビュー作ということで許します。この作者をもう1冊読むかどうかはまだ迷ってるところ。



 ということで、5月はのべ9冊のうち買ったのが3冊だけというエコロジーかつエコノミーな月間でした。私の場合は借り物で気に入った作家はちゃんと別の作品を買うことにしてますのでご容赦いただきたいと。なお、今月のNo.1は今野敏さんの「隠蔽捜査」です。

 いつも思うのですが、小説を読むと想像力が鍛えられるというか、ストーリー以外の場所でも登場人物がどこかに存在しているような感じを与えてくれる作品がよい小説だと思います。そういう意味では、それほど説明くさくなくともキャラクターが頭の中で活動し始める今野さんの作品は秀逸ですね。

 ということで、今月もよい作品に巡り合えますように。