(台北 18日 中央社)日本統治時代に建設され、戦後まで使用された駅舎を復元した歴史建築、旧台湾鉄道(台鉄)新北投駅(台北市)の第2期工事が17日、完了した。今回の工事でホームやレールが復元されたほか、1969年に日本から輸入された車両の展示も開始。同駅の歴史を人々に伝えている。
台鉄淡水線の支線、新北投線の駅として1916(大正5)年に開業。1988年に台北メトロ(MRT)淡水線の建設に伴って新北投線が廃線となり、駅舎は中部・彰化県の台湾民俗村に移された。だが、2000年代に入って駅舎の里帰りを求める声が広がり、2016年、元の場所から約50メートル地点で移築工事が開始。2017年に復元された駅舎の一般公開が始まった。
台北市政府文化局は2018年に第2期工事に着手。ホームやレールに加え、照明や排水設備などが増設された。今回、展示が始まった車両は台鉄の「35TP32850型」で、日本から最初に輸入された両開き自動扉の通勤列車。新北投-台北間を走る一部列車に導入され、同支線沿線住民の通勤の足となった。
駅舎内では日本統治時代から戦後の解体、2度の移築などに至る同駅の歴史を古写真などで紹介する展示が行われている。