世の中、まちがってる、根拠なき反日キャンペーン。

相も変わらず根拠なき反日キャンペーンで、国をまとめようとする輩が存在する。

世の中、何だこれ!(TPP,5)

2011-11-28 11:19:15 | Weblog

だからアメリカは、日本がTPPに参加して初めて、輸出増(雇用増)が期待できるのである。まあ、言ってみればTPPは、オバマの選挙対策のひとつだったのである。

「TPP「交渉後の離脱も可能」は推進論者の詭弁!日米関係悪化を脅しとした協定締結が狙いだ」(http://diamond.jp/articles/-/14341)の参照をお願いする。(一部抜粋と思ったが、本文の理解のために全文を掲載する。)

http://diamond.jp/articles/-/14341
DIAMONDonline エディターズ・チョイス
【第24回】 2011年10月11日 中野剛志 [京都大学大学院工学研究科准教授]
5TPP「交渉後の離脱も可能」は推進論者の詭弁! 
日米関係悪化を脅しとした協定締結が狙いだ


菅直人前首相が“平成の開国”を謳い文句に、参加に意欲を見せていた環太平洋経済連携協定(TPP)。11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)までに結論を急ぐ政府は、とりあえず協定そのものではなく、まず「交渉に参加する(その後の離脱もありうる)」という妥協点での合意を探っている。国内でこうした合意形成がなされる背景と、TPP参加を迫るアメリカの狙いについて、TPP反対の急先鋒である中野剛志・京都大学准教授が斬る。

「いったん交渉に参加した上で、離脱する手もある」――。

 枝野幸男経済産業大臣は9月23日、シンガポールでゴー・チョクトン前首相と会談し、環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉について、そう説明されたという(9月24日付け日本経済新聞)。枝野大臣は、翌日のテレビ番組でもその前首相のアドバイスを紹介したうえで、「交渉に参加することと、TPPに参加することは別なんだと、多くの人に理解してもらう。まず閣内で共有したい」と述べたようで、私は心底驚いた。

 TPPの問題が持ち上がってから一年が経過し、しかも前政権下では震災前まで最重要課題の扱いをされていた。にも関わらず、「交渉参加」と「参加」の違いすら閣内で共有されていなかったとしたら、これはゆゆしき問題である。

9ヵ国が交渉中のTPP
本当に「交渉参加」≠「協定参加」か?


 TPPは2006年に締結したシンガポール、チリ、ブルネイ、ニュージーランドの4ヵ国に加え、アメリカ、オーストラリア、ペルー、ベトナム、マレーシアの計9ヵ国が交渉中という段階にあり、未だ合意に至っていない。確かに、今のところ日本が判断を求められているのは、この交渉に参加するか否かであって、TPPという協定への参加それ自体ではない。

 そもそも主権国家の外交交渉である以上、TPP交渉に限らず、あらゆる交渉について、途中離脱は国際法上可能である。それどころか条約ですら、国際法の形式上は、締結後に離脱や破棄をすることも不可能ではない。そのようなことは、わざわざシンガポールの前首相に言ってもらうまでもない話を、なぜ今になってことさら強調するのか。

 もっと不可解なのは、日本が目指す最終目標が示されないことだ。
「交渉に参加したうえで、どうしても譲れないことがあれば抜ければいい」というのだが、そもそもTPP交渉上、我が国にとって「どうしても譲れないこと」として、政府は何を念頭に置いているのだろうか。言うまでもないが、交渉参加にあたっては、どのような交渉結果を目指すのかを決めるべきであるし、それを説明することは、政府の国民に対する当然の責任である。

 ところが、TPP交渉参加問題が持ち上がってから一年にもなるが、政府は依然として、TPP交渉において「どうしても譲れないこと」とは何かをなんら示していないのである。

 TPPは、関税の品目だけでも多数ある上、農業や工業だけでなく、サービス(金融)、投資、労働、衛生、環境、政府調達など、24もの対象分野がある。従って、交渉結果のパターンは数多くあるし、日本がどうしても譲れない品目や分野もたくさんあるだろう。また、何がどうしても譲れないのかは、立場、業種あるいはイデオロギーによって異なる。

 例えば、コメ農家にとっては、コメの関税撤廃はどうしても譲れないだろうが、原理主義的な自由貿易論者にとってはコメの関税の維持こそが譲れないことかもしれない。

果たされていない国民への説明責任
「交渉参加」はAPECへの手土産か


 このように、TPPの交渉によって何を目指すのかは、十分な議論を要する複雑な問題である。TPPが国民生活のあらゆる方面に影響を及ぼしかねない以上、交渉参加の是非を決める前に、目指すべき交渉結果を議論し、国民に説明することは、民主国家である以上、避けてはならない。

 少なくとも菅政権時には、交渉参加の検討に際して「開国フォーラム」などで説明責任を果たし、国民の理解を得ることを前提としていたはずである。しかし、「開国フォーラム」は、東日本大震災によって中断したまま開かれておらず、国民的な議論が行われているとは到底言えまい。

 しかも、政府やTPP推進論者がTPP参加のメリットとして掲げる点については、拙著『TPP亡国論』(集英社新書)のほか、関岡英之『国家の存亡』(PHP新書)、東谷暁『間違いだらけのTPP』(朝日新書)、農山漁村文化協会編・刊『TPP反対の大義』ならびに『TPPと日本の論点』などの出版物によって徹底的に批判されている。実際、TPP関連本のほとんどが、反対の立場のものなのである。しかし政府は、これらの多くの批判に対してもまったく応答しようとはしていない。政府は、TPPのデメリットどころか、メリットすら満足に説明できていないのである。

 報道によれば、枝野大臣は9月13日の時点では、TPPについて「国民の合意形成がなければ進めることはできない」という極めて適切な認識を示していた。しかし恐らく、11月のAPEC(アジア太平洋経済協力)ハワイ会合を目前にして、それまでにTPP自体への参加について国民的合意を得ることは困難と判断し、とりあえずTPPの交渉参加だけでも先に国民的合意を形成し、それをもって一定の成果にしたいと考えたのではないだろうか。

 しかし、実は、TPP交渉に参加するということは、そのような甘い話ではないのだ。というのも、TPP交渉は、国際法の形式上はともかく、国際政治の実質上は、途中離脱はほぼ不可能であり、しかも、日本にとってどれほど不利な交渉結果であってもそれを飲まざるを得ない可能性が極めて高いのである。

TPPは日本が参加して初めて
アメリカにとって意味をもつ


 なぜ、交渉からの途中離脱は現実的には不可能なのか。

 もとより、TPPは、リーマン・ショック後のアメリカが最優先課題として掲げる戦略(2014年までに輸出を倍増する戦略)の一環である。バラク・オバマ大統領は一般教書演説において「輸出を増やすことでアメリカの雇用を増やす」と明言している。

 経済学の教科書には、自由貿易は「貿易を行う両国に互恵的な利益をもたらすもの」と書いてある。しかし、それには、いくつかの前提条件が必要であり、その一つは「両国が完全雇用の状態にある」ことだ。ところが、アメリカそして日本も完全雇用から程遠い。それどころか、オバマ大統領は、TPPによって自国の雇用を増やすと言っているのである。これは輸出先の雇用を奪って自国の雇用を増やすと言っているに等しい。

 要するに、TPPは関係国に互恵的な利益をもたらすような自由貿易協定ではないということだ。大不況による深刻な失業と経常収支赤字の問題を抱えながら、財政出動による内需拡大が困難になったアメリカは、他国の市場を収奪するしかなくなっているのである。

 さて、TPPの交渉参加国9ヵ国に、仮に日本を加えて、経済規模(GDP)のシェアを比較してみると、アメリカが約7割、日本が約2割、オーストラリアが約5%、残り7ヵ国で約5%となる。すなわち、日米で全体の9割を占める。要するに、「環太平洋」とは名ばかりで、TPPとは実質的に“日米協定”ということだ。

 しかも、TPP交渉参加国で、GDPに占める輸出依存度が日本より低いのはアメリカしかない。アメリカ以外は、全て国内市場が小さい輸出依存の小国ばかりである。従って、TPPに日本が参加したとて、日本がアジアの成長を取り込むことなどあり得ないのである。

 より重要なのは、輸出倍増戦略を掲げるアメリカにとっての輸出のターゲットも、日本しかないということだ。TPPとは、日本が参加してはじめて、アメリカにとって意味をもつ協定なのである。

 オバマ大統領は、TPPを11月に開催されるAPECハワイ会合における自分の成果とし(ハワイはオバマの故郷である)、来年の大統領選の弾みとするつもりであろう。TPPの締結は、APECハワイ会合には間に合わないだろうが、アメリカの狙いは日本市場なのだから、日本の交渉参加表明は、アメリカにとっては十分に大きな成果である。

(続く)
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