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記憶に残るドラマ(17)

2024年08月02日 | 「記憶に残る」シリーズ

現代恐怖サスペンス『ししゃもと未亡人』ほか(1987年)

先日図書館で阿刀田高さんの文庫本を見つけて、
そういえば阿刀田高さん原作のドラマで面白かったのがあったなあ、
と思い出したのがこのドラマです。

オムニバス形式のドラマで、1話目がこの『ししゃもと未亡人』、
2話目が『お望み通りの死体』
3話くらいしかなかったと思っていたら、全部で9話あったし、
阿刀田高さんの原作ばかりではなかったのでした。
そこら辺の記憶は曖昧だったことがわかりました。

ただ、この1話目と2話目が抜群に面白かったのです。

引っ越し先で、今までと家電製品も使い方も変わっていないのに
電気代がぐんと跳ね上がったことに疑問を抱いたことから始まる1話目は、
些細なことから不穏な感じが広がっていくし、
リンク先の記事にもあるように電気メーターの回る音が不気味だし、
盗電されているかもしれない、ということで電気会社の社員が
天井とか壁とかがんがん壊し始めるのもちょっと狂気じみているし、
その上あの結末だから、それはもう怖かったです。

当時はまだ10代だったので、電気料金の明細なんて見たこともありませんでしたが、
その後一人暮らしを始めるようになってからはきっちり確認するようになりました。
このドラマの影響がきっとあると思います。

2話目の方は、これまた息子の(?)引っ越し先で掃除をしていたら
畳の下(か、押し入れの床)に敷いてあった古新聞に殺人の告白が載っていて
アパートの壁に死体を埋めました、なんて書いてある上に、
描写通りの壁の出っ張りが1つ、引っ越し先の部屋にもある、という
すごく怖い感じで始まるんですよね。窓の外の風景も一致するし。
それでお母さんはこの部屋がその告白の部屋に違いない、と思い込むのですが・・・
・・・こちらの結末には、思わず爆笑。いや怖い結末のはずなんですが。

怖さと笑いは紙一重と言われますが、それを初めて実感したのがこの2話目でした。

というわけで、阿刀田高さんの文庫本を借りてきました。
『ししゃもと未亡人』の原作「干魚と漏電」も入っています。
初阿刀田作品。この週末に読もうと思っています。
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