私家版 宮城の野鳥フィールドノート since 1976

掲載していなかった記録をアップし始めました。あっという間に1年が経ってしまうので。今シーズンの鳥の海の記録も。

2007年12月23日稚内その1

2008年01月13日 | 北海道
■2007/12/23(日)8:00-14:40【天気】晴れ午後から曇り
【場所】抜海港~ノシャップ岬~稚内港~宗谷岬
【種名】オオハム1,ハジロカイツブリ2,ウミウ,ヒメウ,マガモ,ヒドリガモ,キンクロハジロ,スズガモ,シノリガモ++,クロガモ++,コオリガモ300+,ホオジロガモ,ウミアイサ,トビ,オジロワシ3,オオワシ1,ユリカモメ1,セグロカモメ4,オオセグロカモメ++,ワシカモメ1,シロカモメ+++,ウミガラス1,ウミスズメ+,ハクセキレイ,スズメ,ハシボソガラス,ハシブトガラス(10科27種)
【ノート】

◇はじめに
 1ヶ月前まではカモメ類を期待して,ワイバードのツアーに参加する予定でいたが,22日(土)に大事な仕事が入ることになり,1泊2日単独で行くことにした。小笠原でお世話になったワイバードのI氏には,2月に羅臼の旅館「まるみ」で偶然お会いしたので,いろいろお話を聞くのを楽しみにしていたのだが残念だった。
 今回の探鳥行はカモメ以外では2月の道東でしっかり見られなかったコオリガモを見ることだった。2月に道東に行く時も,稚内にするか道東にするか迷ったのだが,毎日ネットで宗谷岬のライブカメラの様子を見るうち,あまりのすさまじい光景に,まだ羅臼のライブカメラの様子の方がいいと判断した。今回は12月でワイバードもこの3連休のツアーだった。それから日本最北端の宗谷岬にもまだ行ったことがなかったので,「最北端」という言葉に惹かれ行ってみることにした。
 仕事が予想より早く午前中で終わったので,いったん帰宅してから仙台空港に行くことにした。立場上,何かあった時はいつでも引き返さなければならないので予約も何もなしだ。ANAの職員には「マイルは?えっ現金ですか?」と言われながら手続きをしてもらい,14:30の便に搭乗した。新千歳空港には15:40着,そこから札幌まで行ってスーパー宗谷に乗るのだが,ここからが5時間の長い旅。飛行機の便がないので仕方がない。22時を過ぎて稚内に近づくにつれて大学時代に利尻,サロベツの旅の際に訪れた懐かしい駅-音威子府,幌延,豊富,兜沼-を通り過ぎる。雪はあまり積もっていない。夜中の11時過ぎに稚内駅に着いたが,あまり寒くない。駅前のビジネスホテルに入り,2時には就寝。

◇夜明けのフェリー埠頭
 翌朝7時に歩いて5分のフェリー埠頭に行ってみたが,まだ暗い。それでもコオリガモが遠くにいるのは見える。もしかして,こんなもん?と不安がよぎる。オレンジ色のライトがあちこち輝いて,大型フェリーがまだ暗い朝に出港していった。大学時代には利尻島へここから行ったはずだ。
 レンタカーの店は探すまでもなく駅周辺にけっこうあって,一番早く開けてもらえるところを探す。いつも使っているトヨタレンタカーは9時で,ニッポンレンタカーが8時30分だった。いったんホテルに戻り荷物を整理した。とはいってもデジカメ,双眼鏡とザックのみ。ニッポンレンタカーに行って,「一番安いのでいいです」というとマーチを出してくれた。

◇抜海港でゴマフアザラシを見る
 最初に抜海港に行くことにした。片側が漁業関係の建物や小さな漁港が続くノシャップ岬までの海岸沿いの道路を,カモメ類の様子を見ながら進む。10分くらいで海からすぐの(崖ではない平地)ノシャップ岬の灯台に着き,そこから抜海港へ向かった。
 9時少し前に抜海港に到着。「笠島」ならぬゴマフアザラシはどこ?と漁師の方に聞くと,あっちだよと言う。岸壁で写真を撮影している方がいたので,あそこかと思い行ってみると,顔だけ出しているゴマフアザラシが2,3頭浮かんでいる。向こうの防波堤の砂浜や消波ブロックには,軽く100頭を越えるゴマフアザラシが寝そべっている。背景は真っ白な利尻山で,寒々とした中にも清新さが漲るすてきな光景だ。大学の時はあの利尻山の8合目まで行って雷に遭い,やむなく引き返したのだった。
 このゴマフアザラシだが,大きいのも小さいのもいろいろいる。体長は最大で1.7mの中型アザラシというが,中空三角ブロックのサイズからいって,大きいものは明らかに2m以上ある。宮城県内でも阿武隈川にアザラシが出たとかで話題になったが,全然興味がなくて見に行かなかったが,ここのアザラシを見てやたら感動してしまった。何に感心したかと言えば一番はその生活態度だ。とにかくみんな寝ている。いろんな形で寝られる。仰向け,うつぶせ(顔は上げている),ごろ寝(横),立ち寝。いろんなところで寝られる。砂浜,消波ブロックの上,浅瀬,水上(立ち泳ぎ風)。しかし,いったん何事か起きるとぱっと顔を上げる。そして大勢に影響がないとわかるとすぐ寝る。すぐ寝る。日頃,仕事で毎日寝不足の我が身にはうらやましい限りだが,いくら脂肪が厚くても寒いことは寒いだろう。
 岸壁に「餌をやると危険!」と書いてあった。確かにあの一見のんびりしていそうに見えるが,あの大きさであの体重であの大群でやって来られたらどうなるかわかるものではない。ハクチョウやオナガガモの餌付けとは違うだろう。ワイバードではここでミヤコドリ1羽を見たと書いてあったが,アザラシばかりに目がいって消波ブロックの上まではちゃんと見なかった。まあ,このアザラシたちのすごさは,百聞は一見に如かずだ!
 時間があまりないので,40分ほど観察して早々に抜海港を後にした。
(稚内港の記事に続く)写真はこちらです


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