2009年7月4日鳥の海コアジサシの営巣PART1

2009年09月29日 | 鳥の海
■2009/7/4(土)13:29-15:03【天気】曇り時々晴れ
【場所】鳥の海
【種名】コアジサシ,シロチドリ(2科2種)
【メモ】鳥の海のコアジサシ繁殖観察PART1
【写真】
  
■コアジサシ成鳥の飛翔
  
  
■コアジサシの転巣?行動:コアジサシの親が巣を離れ,巣の周りを何度か行き来する。ヒナたちは,親鳥が巣を離れたため,鳴いている。親鳥は,巣には戻らず,巣のすぐ近くに足で砂を後ろにかき上げ,そこに座り,ヒナを呼ぶ。何度かこの行動を繰り返すと,ヒナは意を決したように巣を這い出て,親が作った新しい巣によちよち歩きで移動する。この行動は他の巣でも観察できた。この写真の場合は,3羽のヒナの内,1羽は栄養不良でかなり小さく,2羽の正常な成長をしているヒナが転巣を完了しても,元の巣に踞ったままだった。見かねた親がヒナに向かって鳴くとようやく反応して,巣から出ようとするが出られなかった。親はこのヒナを救おうとしたのか,元の巣に戻って数分間,ヒナを抱いていたが,結局,新しい巣で待っている2羽のヒナのところへ戻り,観察している間は前の巣には戻らなかった。
  
■群れで海岸を飛ぶコアジサシ成鳥。7月4日は,ほとんどまだ抱卵状態か,ヒナがやっと歩くことができて巣から離れた状態の時期だったが,この幼鳥は割と早く巣立ちを終えた個体のようだった。
  
■コロニーに侵入してきたトビをモビングするコアジサシ成鳥。もちろん人にも攻撃を仕掛ける。エンジン付きパラグライダーにはさすがに攻撃はできないようだった。逆にパラグライダーが飛んでいる間は,他の鳥の侵入もできないという環境にあった。その点,牛橋のコロニーの環境はオオタカやカラスの天敵あり,浜を走る車ありで,最悪な環境だった。
  
■ヒナのプチ遠征:2羽のうち1羽が巣から這いだして,5cmくらい行ったところで白いうんちをした。それからさらに5cmくらい行って,親鳥の方に方向転換し,また巣に入ってきた。こういう行動を繰り返して巣から離れる練習をしているのだろうか。
  
  
■コアジサシの給餌行動:親鳥が小魚を運んできて,向こう側のヒナに給餌した。給餌の後,親鳥は,すぐには飛び立たず,満足そうにしている。その後,飛び立ってからちょうど3分後にまた小魚を咥えて先ほどのヒナに給餌しようとするが,先ほど食べたばかりで消化できないためか,ヒナは親鳥がさらに姿勢を低くして給餌しようとするが拒否。しまいに餌を持ってきた親鳥は,ヒナを抱いている相方に餌をあげるでもなく,またもう1羽のヒナに餌を与えるでもなく,巣から離れると自分で食べてしまった。こうした親の給餌行動は,そちこちの巣で見られた。
  
  
  
  
■コアジサシとシロチドリの給餌をめぐる争い:巣から出たコアジサシのヒナに親が給餌しようとやってきた。そこへ近くで営巣していたシロチドリがやってきて,給餌するコアジサシを威嚇した。コアジサシはシロチに攻撃を加えるが,いったん給餌をあきらめて,飛びたった。すると,シロチドリは自分の巣に戻り,自分のヒナを抱いた。そうするうちにコアジサシの親が餌を咥えて再び給餌しようとやってきた。ヒナたちは口を大きく開け,全身でアピールする。その時,それまで静観していたシロチドリの親が巣から出てきてまたコアジサシと対峙した。何度かの攻撃のうち,やはりコアジサシの方が強くて,シロチドリは撃退されてしまった。まるでコアジサシのヒナを人質ならぬ鳥質に取るコアジサシの姿がおもしろかった(もちろん当事者同士は大変なのだが)。シロチドリはやはり餌を横取りしたかったのだろうか。


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