久しぶりに、システムの要であるMarantz Model7が復帰したので、音の具合を確かめてみることにした。
Model7を定位置である真ん中のGTラックの上段に据えて、ケーブル類を接続した。DACから出ているRCAケーブルを接続し、パワーアンプへと繋がるRCAケーブルも所定の位置に接続した、最後にMC昇圧トランスから直出しされているケーブルを「PHONO 1」に取り付けた。
Model7は基本シンメトリックなフロントのデザインであるが、微妙にそのバランスを崩す意匠が施されている。この辺のセンスの良さはインダストリアル・デザイナーでもあったソウル・バーナード・マランツの功績であろう。
ケーブル類の接続が完了した段階でアンプの電源を入れた。Model7の淡いオレンジ色のパイロットランプが灯った。
そして、同時にパワーアンプである2台のMarantz Model2のEL34をはじめとする複数の真空管にもオレンジ色の灯りが灯り始めた。
真空管が暖まってくると、TANNOY GRFのモニターシルバーからは「サ~」というノイズがかすかに漏れ始める。
その様子を慎重に窺っていた。Model7のメインボードに装着されている7ペアのコンデンサのうち5ペアのコンデンサがウェスタンエレクトリック製のものに変更された変化の第一段は、その「サ~」であった。
音楽信号を流していない、ただ電源を入れただけの状態におけるノイズのレベルが下がっているように感じられた。
「SNが良くなったということかな・・・」と思った。1950年代に設計された真空管アンプなので、SNは現代のハイエンド機器と比べるまでもないが、それでも以前のオリジナルのコンデンサであった時よりは、良くなっていると感じられた。
これは純粋にコンデンサの品質の差であろう。少し気を良くした。「それでは、CDでも聴いてみますか・・・アンプの電源を入れたばかりだから、あまり期待はできないけど・・・」と思いながらCDを一枚取り出した。
真空管アンプは電源投入直後は少しだるめの音がする。アンプがすっかりと暖まりきった頃合いから本領を発揮する。
しかも5ペア10個のコンデンサは永い眠りの後に装着されたばかりであるので、まだ馴染んでいないはず・・・その辺のところを考慮してあまり期待せずにおくことにした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6f/7c/98d02ed6aa8fa55bc1c0b84682dd62be.png)
CDトランスポートであるORACLE CD2000にCDを一枚セットした。CD2000はORACLEらしい近未来的なデザインをしている。SF映画に出てくる宇宙船を思わせる造形である。
アクリルとアルミの質感を上手く活かし、実にクールである。CD2000が取り出したデジタル信号は、ESS Technology社のDACチップ「ES9038PRO」がその心臓部に使われているO-DAC PRO MK2でアナログ信号に変換されて、Marantz Model7に送られる。
ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番の第1楽章を聴いた。冒頭のピアノのソロを聴いた瞬間から「やはり変化しているな・・・」と感じた。
まだ、アンプ類が本領を発揮していないとはいえ、その変化の具合は実感できるものであった。「音の隈取がしっかりとしている・・・少し演奏者との距離が近くなったような感じ・・・」というのがその変化の第一印象であった。
コンデンサがオリジナルの「バンブルビー」であった時は、もっと穏やかでゆったりとした感触を持っていた。
ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番第1楽章は13分ほどで終わった。アンプも後半はその本領を発揮し始めた。
音の質感はより明確度を上げているように感じられた。演奏者の音に込めたエネルギーが、ストレートに伝わってくる感じであろうか・・・
概ね良い印象を持った。続いてCD2000には、マーラーの交響曲第5番のCDがセットされた。そして、その第1楽章を聴いた。
こちらも演奏時間は13分ほどである。「オリジナル」の時はゆったりと俯瞰する感じであったが、「ウェスタン・エレクトリック」では、音楽のうねりの波を体にかぶる感じである。
どちらが良いのかは、好みの問題であろう。「クラシック音楽をゆったりと楽しむ・・・」という目的からすると「オリジナル」も捨てがたい。
「音楽をダイレクトに体感したい・・・どっぷりとその世界に浸かり切りたい・・・」という趣向には「ウェスタン・エレクトリック」が合っているのであろうか・・・これからも、変化があるとは思いうが、第一印象は比較的良いものであった。
Model7を定位置である真ん中のGTラックの上段に据えて、ケーブル類を接続した。DACから出ているRCAケーブルを接続し、パワーアンプへと繋がるRCAケーブルも所定の位置に接続した、最後にMC昇圧トランスから直出しされているケーブルを「PHONO 1」に取り付けた。
Model7は基本シンメトリックなフロントのデザインであるが、微妙にそのバランスを崩す意匠が施されている。この辺のセンスの良さはインダストリアル・デザイナーでもあったソウル・バーナード・マランツの功績であろう。
ケーブル類の接続が完了した段階でアンプの電源を入れた。Model7の淡いオレンジ色のパイロットランプが灯った。
そして、同時にパワーアンプである2台のMarantz Model2のEL34をはじめとする複数の真空管にもオレンジ色の灯りが灯り始めた。
真空管が暖まってくると、TANNOY GRFのモニターシルバーからは「サ~」というノイズがかすかに漏れ始める。
その様子を慎重に窺っていた。Model7のメインボードに装着されている7ペアのコンデンサのうち5ペアのコンデンサがウェスタンエレクトリック製のものに変更された変化の第一段は、その「サ~」であった。
音楽信号を流していない、ただ電源を入れただけの状態におけるノイズのレベルが下がっているように感じられた。
「SNが良くなったということかな・・・」と思った。1950年代に設計された真空管アンプなので、SNは現代のハイエンド機器と比べるまでもないが、それでも以前のオリジナルのコンデンサであった時よりは、良くなっていると感じられた。
これは純粋にコンデンサの品質の差であろう。少し気を良くした。「それでは、CDでも聴いてみますか・・・アンプの電源を入れたばかりだから、あまり期待はできないけど・・・」と思いながらCDを一枚取り出した。
真空管アンプは電源投入直後は少しだるめの音がする。アンプがすっかりと暖まりきった頃合いから本領を発揮する。
しかも5ペア10個のコンデンサは永い眠りの後に装着されたばかりであるので、まだ馴染んでいないはず・・・その辺のところを考慮してあまり期待せずにおくことにした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6f/7c/98d02ed6aa8fa55bc1c0b84682dd62be.png)
CDトランスポートであるORACLE CD2000にCDを一枚セットした。CD2000はORACLEらしい近未来的なデザインをしている。SF映画に出てくる宇宙船を思わせる造形である。
アクリルとアルミの質感を上手く活かし、実にクールである。CD2000が取り出したデジタル信号は、ESS Technology社のDACチップ「ES9038PRO」がその心臓部に使われているO-DAC PRO MK2でアナログ信号に変換されて、Marantz Model7に送られる。
ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番の第1楽章を聴いた。冒頭のピアノのソロを聴いた瞬間から「やはり変化しているな・・・」と感じた。
まだ、アンプ類が本領を発揮していないとはいえ、その変化の具合は実感できるものであった。「音の隈取がしっかりとしている・・・少し演奏者との距離が近くなったような感じ・・・」というのがその変化の第一印象であった。
コンデンサがオリジナルの「バンブルビー」であった時は、もっと穏やかでゆったりとした感触を持っていた。
ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番第1楽章は13分ほどで終わった。アンプも後半はその本領を発揮し始めた。
音の質感はより明確度を上げているように感じられた。演奏者の音に込めたエネルギーが、ストレートに伝わってくる感じであろうか・・・
概ね良い印象を持った。続いてCD2000には、マーラーの交響曲第5番のCDがセットされた。そして、その第1楽章を聴いた。
こちらも演奏時間は13分ほどである。「オリジナル」の時はゆったりと俯瞰する感じであったが、「ウェスタン・エレクトリック」では、音楽のうねりの波を体にかぶる感じである。
どちらが良いのかは、好みの問題であろう。「クラシック音楽をゆったりと楽しむ・・・」という目的からすると「オリジナル」も捨てがたい。
「音楽をダイレクトに体感したい・・・どっぷりとその世界に浸かり切りたい・・・」という趣向には「ウェスタン・エレクトリック」が合っているのであろうか・・・これからも、変化があるとは思いうが、第一印象は比較的良いものであった。