AcousticTao

趣味であるオーディオ・ロードバイク・車・ゴルフなどに関して経験したことや感じたことを思いつくままに書いたものです。

1447:三つの検証

2010年02月28日 | ノンジャンル


 美しい京壁である。京壁は今ではコストの関係で一般家庭で使われることは少ない。大壁でクロス貼りの方が安くつくうえ、メンテナンスコストの点でも有利である。

 しかし、今日は京壁の方が音には有利なのでないかという気がした。自然素材である土を主原料としているのであるから、きっと音にもそして住んでいる人間にも優しいはずである。

 マルガリータさんの部屋は純和風。天然土そのままの雅趣を活かした京壁が美しい色合いを放っていた。その優しい色合いの京壁に見守られているように佇んでいるスピーカーは、ユニットはTANNOY モニターゴールド(12インチ)で、それをAXIOM80用のキャビネットに納めたものである。

 京壁の色合いと溶け込むような良い色合いのスピーカーである。それを駆動するアンプはQUAD22・QUADⅡ。送り出しはCDはPHILIPS、LPはKENWOODである。マルガリータさんはこれらの機器以外にも多数のオーディオ機器をお持ちであるが、今回はこのメインシステムのみでのOFF会となった。

 今日は普通のOFF会ではなく、この素晴らしいシステムを使って、三つの検証を行った。その三つとは「全ての接点を磨くことによる効果」「青黒檀のインシュレーターと楓ボードの効果」「電源トランスの効果」の検証である。

 参加メンバーは、マルガリータさんと私の他に「QUADを聴く会」特別顧問のI氏と先輩会員Iさんの4名である。まずは素の状態で聴かせていただいた。

 安らぎ感のある良い音である。自然素材の土壁を思わせる質感で、凝り固まったところがない。しかし、その後三つの検証をしていくなかで一歩一歩その表情が変わっていったのであるが、それはまさに「驚きの三段跳び」であった。

 まずは「全ての接点を磨くことによる効果」の検証から・・・4名であらゆる接点を磨いた。使うのはスクアラン・オイル、ベービー綿棒とティッシュである。作業時間は1時間。少しばかりくたびれたところでその効果の程を検証・・・「おっと・・・」と一同顔を見合わせるほどの効果があったのである。やはりきれい好きは美徳であると身に沁みて思った。

 次は青黒檀のインシュレーターをスピーカーの下に敷き、さらに楓のボードをCDプレーヤーの下に敷いた。そしてその効果を検証・・・これまた「ありゃりゃ・・・・」と一同顔を見合わせることに・・・

 最後は壁コンセントとCDプレーヤーとの間に電源トランスをかませた。3回目になるとさすがに驚きの幅は小さくなるはずであるが、これまた同様の大きさで「おりょっ!!」と一同顔を見合わせることとなった。

 この三つの検証を経過した時点でじっくりその音に耳を傾けると、その質感は京壁の色合いとスピーカーの色合いのコンビネーションのように、心の襞に滑らかに絡みつく美しさに溢れていた。

 「これを聴いてしまうと素には戻れない・・・」「我が家でも早速この三つの検証を行わなければ・・・」と強く心に刻んでマルガリータさんのお宅を後にした。
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1446:双頭の鷲

2010年02月27日 | ノンジャンル
 「双頭の鷲」は英語では「Double Eagle」というらしい。まあ、考えればそうだよな、と思うが日本語の「双頭の鷲」の方が威厳に満ちているような気がする。
 
 「双頭の鷲」は神聖ローマ皇帝の紋章として有名である。鷲は勇猛で威厳があり、見た目的にも絵になる。なので、獅子と同様中世の王家や騎士の紋章に好まれて使用されたモチーフである。

 「双頭」は何かを具体的に表しているのかと調べてみたところ、「東洋と西洋の双方に対する支配権」を表しているということであった。



 今日はpontaさんと一緒にUNICORNさんのお宅を訪問した。UNICORNさんのお宅を訪問していつも感じるのは「バランスがとれている・・・」ということである。そしてそのバランスの取れ方が実に高度で、巧みである。

 では何のバランスか・・・それは「オーディオ」と「音楽」である。どちらか一方に重きが置かれるわけではなく、実に巧みにバランスが保たれている。そして神聖ローマ帝国の「双頭の鷲」のようにそのいずれをも見事に支配下に置いていらっしゃるのである。

 今日はCDから聴かせていただいたのであるが、「音の表面が柔らかい・・・それでいて密度感や瞬発力が損なわれていない・・・」「アナログの質感にかなり近いものを感じる・・・」と、のっけから驚いた。

 響きが自然でホール感が出るからであろうか、なんだか部屋が前回来た時よりも広く感じるのである。もちろん部屋の広さは変わらない。7畳ほどの広さの部屋を横長配置で使用されている。オーディオのリスニングルームとしてはそれほど広い部屋ではない。しかし、その音からは窮屈さが微塵も感じられないのである。

 後半はアナログ・・・こちらも前回よりも印象が良かった。躍動感がさらにアップ・・・うねりの大きさも深さも一回り進化したような気がする。

 もともと高度なレベルであったアナログもさらに進化しているのである。ここまでくると。まさに「匠」の領域である。

 UNICORNさんには「双頭の鷲」の称号を付与したいと感じた一日であった。UNICORNさんは「双頭の鷲」の見事な使い手であると同時に「相当の話士」でもあった。

 音楽の合間に熱く話されるオーディオや音楽に対する思い出やエピソード、音をまとめていくための創意工夫の数々・・・それは実に説得力のある話であった。
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1445:ウィルス

2010年02月26日 | ノンジャンル
 私からの意味不明なメールが送られてきた、と何名の方から連絡があった。メールを送った記憶は全くないので、最初は何のことかわからなかった。

 「ウィルスに感染したのでは・・・」という思いが脳裏をよぎった。なるべく海外から無作為に送られてくるメールは削除して開けないようにしていたのであるが、間違ってクリックしてしまうこともある。その際に感染したのかもしれない。

 インターネットは確かに便利である。様々な情報を瞬時に取り出せるうえ、買い物も手軽に楽しめる。メールでの連絡は仕事でもプライベートでも欠かせない存在となっている。

 しかし、便利さの裏側には影の部分もあるようである。いつ感染したのかも全く不明であるが、どうやらウィルスのようである。ウィルスに感染したのは初めてなのでどう対応したらいいのかもよくわからない。

 パソコンにはウィルス対策ソフトが入っているはずであるが、新種のウィルスなのであろうか?不安は募る。

 今のところパソコン内のデータが消えてしまうということはないのであるが、自分の与り知れないところで、私のアドレスでメールが勝手に送られるというのは、恐ろしい限りである。

 さらにその勝手に送られたメールからウィルスが広がる可能性もあるかもしれない。従来のメールアドレスを解約・削除し、新たなメールアドレスに変更すればいいのであろうか?

 もしも、ウィルスというものがパソコンに感染するものであれば、パソコンを変更すれば対応できるのであろうか?

 ウィルスに関するニュースはテレビなどで観たことはあるが、実際に感染したのは初めてである。「これはこまったことになった・・・」というのが本音である。
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1444:金喰い虫

2010年02月25日 | ノンジャンル
 1週間前に送り出したCHATSWORTHがオーディオラボオガワについた旨の連絡はもらった。しかし、CHATSWORTHの具合がどうなのか?メンテナンスにはどのくらいの費用がかかるのか?いつごろにはメンテナンスが終わるのか?といった点に関してはまったく連絡がないので今のところ不明である。

 オーディオラボオガワには日本各地からTANNOYやJBLなどのユニットやスピーカーが数多くメンテナンスを受けに来る。私のCHATSWORTHもその長い列に並んだだけといったところで、順番待ちのために時間は結構かかるのかもしれない。まあ、気長に待つことにしよう。

 一足先にオーディオラボオガワでメンテナンスを受けたチューバホーンさんの話によるとユニットだけのメンテナンスの場合、ペアで3~4万円ほどの費用とのことであった。比較的リーズナブルな価格である。

 しかし、私の場合ネジを全てはずしても裏板が取れなかったためキャビネットごと送った。そして、キャビネットの補修も合わせてお願いしたのである。

 さらに我が家のCHATSWORTHはスピーカーコードが直出しである。スピーカー側にスピーカー端子が付いていたほうが私は落ち着くため、スピーカー端子をスピーカー背面に取り付けるオプションも依頼した。

 ユニットのメンテナンス、キャビネットのメンテナンス、スピーカー端子の新設という三つのメニューを頼んだので、金額的にもそれなりの額までいく可能性が高い。おそらく10万円を超えてくるであろう。

 まあ、車に比べればメンテナンス費用はそれほどかからない。BMW 735iは2回目の車検を受けたが、エンジンオイルやエレメントの交換、ワイパーブレードの交換、エアコンフィルターの交換、エンジンオイルの漏れが見つかったための補修などなど純粋な車検以外の費用がかさみ40万円近い出費となった。

 走行距離も相当いっているので止むを得ないところかもしれないが、みぞおちにぐっとくる価格である。車もオーディオも「金喰い虫」である点は共通しているようである。

 快適なカーライフにこまめなメンテナンスが必要なように、快適なオーディオライフにも適切なメンテナンスは必要なのであろう。特に我が家のように半世紀前に造られたオーディオ機器が幅をきかせているとようなところにあっては、良質なメンテナンスは必須である。
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1443:ジェントルマン

2010年02月25日 | ノンジャンル
 本格的に確定申告業務が始まり、さらに12月決算法人の申告書提出期限が迫ってくるこの時期は、心も体もゆとりが全くない。

 昨晩も夜遅く帰ってきてから、疲れた心を少しばかり癒そうと1階のリスニングルームに置かれたソファに腰掛けた。

 ビバルディのフルート協奏曲を聴こうとレコードをLP12のターンテーブルに乗せた。ゆっくりとアームを運び、針を降ろす。

 メンテナンスの旅に出たCHATSWORTHの代役として我が家のリスニングルームにやってきたKEF 104aBは緩やかにビバルディの妙なる調べを奏で始めた。

 第1楽章まではよかったのであるが、第2楽あたりから意識が朦朧としてきた。その後、首がすっかり斜め45度の角度に折れ曲がるまでには、それほどの時間は必要としなかった。

 ふっと我に返ると「ブツ・・・ブツ・・・ブツ・・・」と音がしていた。あわててアームをあげて元の位置に戻す。

 「いかん、いかん、疲れているときにアナログを聴くのは危ない・・・特にバロック音楽を聴いてしまっては、正常な意識状態は10分ともたない・・・」と思って、すぐさまベッドへ直行した。

 今週中に12月決算の法人の申告書作成を終わらせてしまえば、後は数が多いがそれほど複雑ではない個人の確定申告を3月15日までに完了すればいいので、少しは気が楽である。今日と明日どうにかもう一踏ん張りしよう。

 さて、KEF 104 aBは我が家にやってきて約1週間が経とうとしている。その間仕事の忙しさもあり、あまり時間をかけて聴く機会が少ないのであるが、相変わらずの紳士然としたたたずまいで、音楽を奏でてくれる。

 その居ずまいはしゃんとしている。甘きに流れることもなく、理知に走るすぎることもない。まさに「ジェントルマン」なのである。疲れた心の肩に手をかけて「もうと年なんだから無理するな・・・」とでも語りかけてくれているようである。 
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