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美しい京壁である。京壁は今ではコストの関係で一般家庭で使われることは少ない。大壁でクロス貼りの方が安くつくうえ、メンテナンスコストの点でも有利である。
しかし、今日は京壁の方が音には有利なのでないかという気がした。自然素材である土を主原料としているのであるから、きっと音にもそして住んでいる人間にも優しいはずである。
マルガリータさんの部屋は純和風。天然土そのままの雅趣を活かした京壁が美しい色合いを放っていた。その優しい色合いの京壁に見守られているように佇んでいるスピーカーは、ユニットはTANNOY モニターゴールド(12インチ)で、それをAXIOM80用のキャビネットに納めたものである。
京壁の色合いと溶け込むような良い色合いのスピーカーである。それを駆動するアンプはQUAD22・QUADⅡ。送り出しはCDはPHILIPS、LPはKENWOODである。マルガリータさんはこれらの機器以外にも多数のオーディオ機器をお持ちであるが、今回はこのメインシステムのみでのOFF会となった。
今日は普通のOFF会ではなく、この素晴らしいシステムを使って、三つの検証を行った。その三つとは「全ての接点を磨くことによる効果」「青黒檀のインシュレーターと楓ボードの効果」「電源トランスの効果」の検証である。
参加メンバーは、マルガリータさんと私の他に「QUADを聴く会」特別顧問のI氏と先輩会員Iさんの4名である。まずは素の状態で聴かせていただいた。
安らぎ感のある良い音である。自然素材の土壁を思わせる質感で、凝り固まったところがない。しかし、その後三つの検証をしていくなかで一歩一歩その表情が変わっていったのであるが、それはまさに「驚きの三段跳び」であった。
まずは「全ての接点を磨くことによる効果」の検証から・・・4名であらゆる接点を磨いた。使うのはスクアラン・オイル、ベービー綿棒とティッシュである。作業時間は1時間。少しばかりくたびれたところでその効果の程を検証・・・「おっと・・・」と一同顔を見合わせるほどの効果があったのである。やはりきれい好きは美徳であると身に沁みて思った。
次は青黒檀のインシュレーターをスピーカーの下に敷き、さらに楓のボードをCDプレーヤーの下に敷いた。そしてその効果を検証・・・これまた「ありゃりゃ・・・・」と一同顔を見合わせることに・・・
最後は壁コンセントとCDプレーヤーとの間に電源トランスをかませた。3回目になるとさすがに驚きの幅は小さくなるはずであるが、これまた同様の大きさで「おりょっ!!」と一同顔を見合わせることとなった。
この三つの検証を経過した時点でじっくりその音に耳を傾けると、その質感は京壁の色合いとスピーカーの色合いのコンビネーションのように、心の襞に滑らかに絡みつく美しさに溢れていた。
「これを聴いてしまうと素には戻れない・・・」「我が家でも早速この三つの検証を行わなければ・・・」と強く心に刻んでマルガリータさんのお宅を後にした。