AcousticTao

趣味であるオーディオ・ロードバイク・車・ゴルフなどに関して経験したことや感じたことを思いつくままに書いたものです。

6695:落札

2024年06月30日 | ノンジャンル

 グールドさんからメールが来ていた。

 「先日我が家でその効果のほどを検証していただいたオーディオ・リプラスのケーブルインシュレーターですが。今ヤフオクで中古が出品されています。価格は40,000円の即決価格です。新品が52,000円ぐらいで販売されていますので、けっして安いとは言えませんが、10,000円ほどは安く購入できます。」

 早速、スマホでヤフオクのアプリを立ち上げて確認した。

 「写真を見る限り、程度は良さそうである・・・確かに中古品であるから、定価の半分ぐらいが適正な価格とは思えるが、新品を購入するよりも10,000円以上は安い・・・」

 「グールドさんのお宅では確かに効果があった。空間表現だけでなく、音の表情もより彫りが深く感じられた・・・」

 「オーディオ関連のアクセサリーで40,000円というのは、それほど大きな出費ではないともいえるな・・・電源ケーブルの質の良いものを購入しようとすると、もっと多くの出費が必要になるであろう・・・」

 しばしの間、逡巡していた。

 そして「落札する」を右手の人差し指でクリックした。

 我が家のオーディオ事情は、昨年の一連のPSDのオーディオボードの連続投入以後、これといった変化のない「凪」の状態であったが、これで多少の新しい風が吹き込まれることになるのかもしれない。

 そういった新しい風が吹くことが1年に1回ぐらいないと、オーディオマニアとしては、怠慢と言われてもしょうがない。

 ということで、数日するとそのケーブルインシュレーターが我が家にやってくる予定である。

 グールドさんは、CDプレーヤーの電源ケーブルに使われていた。

 我が家が2か所の壁コンセントから2個の電源BOXに電気が供給されている。そのために使用している2本の電源ケーブルのいずれかに使うことになるであろう。

 グールドさんのお宅での変化と同様の変化が我が家のリスニングルームでも起きるのであろうか・・・

 オーディオアクセサリーの世界は、ささやかで密やかな楽しみとも言える。スピーカーを買い換えたといった、大きくインパクトのある変化ではないが、料理の仕上げのスパイスのように、結構味わいに与える影響は大きい。

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6694:解放感

2024年06月29日 | ノンジャンル

 雨は朝から本降りであった。

 午後からは、少し降り方が穏やかになったが、時折勢いを回復して激しく降ることもあった。

 午後の2時過ぎに高円寺にある顧問先の会社での打ち合わせを終えた。

 高円寺の駅へ徒歩で向かう途中にあるジャズ喫茶「Rummy」の前に来て、少し店に立ち寄った。

 ジャズ喫茶といっても「昭和」の香りを色濃く残す老舗の店ではなく、比較的最近にオープンしたジャズ喫茶である。「Rummy」の開店は2013年である。11年前のことである。

 店内は、ブルーグレーに塗られた壁が落ち着いた雰囲気を醸しだしていて、天井からは真鍮製の吊り下げ照明器具が淡い光を放っていた。とても落ちつた雰囲気を有していて、清潔感もある。

 床はコンクリートがそのまま使われていて、椅子やテーブルはアンティークな木製のもので、どれもがセンスの良さを感じさせる。カウンター席には椅子が5つ並び、4人掛けのテーブル席が三つ並んでいた。

 「ジャズ喫茶」なので、当然店内にはジャズが大きめの音量でかかっている。CDプレーヤーはなく、かかる音源のすべてはレコードである。

 レコードプレーヤーは、Michell EngineeringのGyro SEである。

 カートリッジは、アナログリラックスのEX300。アナログリラックスは、高級なカートリッジを設計・製造している日本のメーカーである。

 カートリッジのラインナップは現在四つあり、EX300の上にEX500、EX1000、EX2000とある。アナログリラックスのラインナップにおいてはエントリークラスであるEX300であるが、その価格は一般的なエントリークラスのカートリッジのそれではない。

 店に入り、珈琲を注文した。

 現在かかっているレコードのジャケットは、オーディオ装置の脇に置かれた木製のスタンドに立てかけられている。そのジャケットを確認してみると、Eddie Higginsのレコードであった。

 1960年代初頭の録音である。都会的で軽妙、明るく粋な演奏は、店の外の梅雨空とは対照的である。その音楽は、ひと時の解放感を私の心にもたらしてくれた。

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6693:PHEV

2024年06月28日 | ノンジャンル

 BMWの新型X3には、プラグインハイブリッド(PHEV)の「30e xDrive」もそのラインナップに加わっている。

 「30e xDrive」は、2.0リットルの直列4気筒ガソリンエンジンと、8速ステップトロニックトランスミッションに統合された電動モーターを組み合わせたPHEVシステムを搭載している。システム出力は最大で299hpに達する。

 EVモードでの走行可能距離は、最大90kmである。日常的な使い方であれば、1日で90km以上走ることは、私の場合稀である。1年間の走行距離は約20,000kmで、1年365日、毎日車には乗るから、平均すると1日当たりの走行距離は55km程である。

 日常ユースではEVモードで走行し、旅行など遠距離を走る時はガソリンエンジンの出番となる・・・という使い方ができる。

 今までのところ、自宅以外の充電で困ったという経験はないが、これから国内のEV車の台数が増えてくると、充電スポットに立ち寄ったが、既に使われていて長い時間待たざる得ないという経験をする可能性もあるであろう。

 その新型X3のエクステリアデザインに関して、賛否両論が出ているのが、キドニーグリルの「斜めバー問題」である。

 従来、キドニーグリルの中は縦のバーが均等に並んでいた。

 しかし、ここに来て、縦のバーと斜めのバーが混在するデザインに変更されたのである。

 X3のキドニーグリルは面積が大きい。そのため、この斜めのバーの存在がとても大きく感じられる。

 個人的には「どうなんだろう・・・今一つ印象は良くないけど・・・」と思った。

 「こういった新しい意匠は、目が慣れないうちは違和感があるのかも・・・慣れの問題かもしれない・・・」とは思うが、第一印象はあまり良いものではなかった。

 もう一つ意外だったのが、デイタイムランニングライトの形状である。L字二つで構成されたものが採用されている。

 最近BMWのデイタイムランニングライトは新型5シリーズに代表されるように縦の2本で構成されていたので、新型X3も同じものが採用されると思っていたのである。

 L字が二つ並んだデイタイムランニングライトが、今後は順次採用されるのか否かは不明であるが、確かに印象は大きく変わる。そういう意味では新しさを感じさせるエクステリアデザインである。

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6692:感染

2024年06月27日 | ノンジャンル

 「確かに、何だか見通しが良くなったような気がする・・・」

 グレン・グールドがその死の前年に録音したバッハのゴールドベルク変奏曲を聴きながら、そう思った。

 「アリア」から始まり、第5変奏曲まで聴いて、一旦曲は停止された。

 「では、無い状態で同じ曲を聴いてみましょう・・・」と、グールドさんは、CDプレーヤーの電源ケーブルに設置されていた『CNS-7000SZ』を取り外した。

 そして、聴いた。

 「確かに違いますね・・・ケーブルスタビライザーがあった方が空間はすっきりとして、より広がったような感じがします・・・クラシックを聴く方には良いと思いました。」

 「私もあった方が好きなんですね・・・聴くジャンルや音の好みによっては、無い方が良いという方もいるかと思いますが・・・」

 そうグールドさんは話された。

 さらにCDが1枚、NAGARA CDCに新たにセットされた。そして、『CNS-7000SZ』は、再度CDプレーヤーの電源ケーブルに装着された。

 CDは、バーバラ・ボニーのソプラノによるシュトラウスの歌曲が収録されたものであった。

 右脳では天国の空気を思わせるようなバーバラ・ボニーのソプラノに耳を傾けながら、左脳では「これは他のケーブルに使うとどうなるのであろう・・・電源ケーブル以外にも使えそうだし・・・興味深いものだ・・・」と思っていた。

 3曲の歌曲を聴き終えた時、グールドさんに、「声の余韻やピアノの残響音がよりくっきりと聴こえますね・・・これは、他のケーブルに使ってみても、良さそうですね・・・?」と話しかけた。

 「いろいろ試してみたのですが、今のところ電源ケーブルが一番印象が良かったです。プリアンプやパワーアンプの電源ケーブルにも試して同様の効果があったのですが、個人的にはCDプレーヤーの電源ケーブルが一番効く感じでした・・・」

 「そうですか・・・価格は決して安いものではないですが、効果は確かにありそうですね・・・でも、それに気を良くして全ての電源ケーブルに使いたくなると、出費がちょっと大変ですね・・・」

 「そうなんですよ・・・できればプリアンプとパワーアンプの電源ケーブルにも使いたいと思っているのですが、今のところ思いとどまっています・・・」

 その後シベリウスのヴァオリン協奏曲や、マーラーの交響曲第5番などを編成の大きなものも聴かせていただいた。

 やはり空間表現力が上がっていると感じられた。

 「これ、1個欲しいな・・・我が家でも試してみたい・・・」帰る頃には、私も感染していた。

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6691:銀箱

2024年06月26日 | ノンジャンル

 グールドさんのリスニングルームに案内されて、リスニングポイントに置かれたイージーチェアに腰かけた。

 まずは、その「ブツ」を目で探した。電源ケーブルは背面の壁からセンターラック方式に配置されているラックの方に伸びている。

 3台のオーディオ機器がMUSIC TOOL製のラックに収納されてるので、電源ケーブルは3本ある。

 そのうちの1本、CDプレーヤーに繋がっている電源ケーブルの途中に銀色の長方形の箱があった。

 「これですか・・・面白いものって・・・?」と、その銀色の箱を指さすと、グールドさんは「そうそう、これです・・・」と、にこにこされた。

 「これはケーブルスタビライザーです・・・こうやってケーブルを通して上から蓋をするのです・・・これが結構効くんですよ・・・」

 その銀色の葉は長さは15cmほどで、窪みに沿ってケーブルを乗せて上から蓋をするような構造になっている。

 グールドさんの説明によると、「ケーブルの整振効果と高周波ノイズを除去する効果の両方が得られる・・・」とのことであった。

 「なんていうメーカーなんですか・・・?」

 「オーディオリプラスです。水晶を材料としたインシュレーターなどを製造販売している会社です・・・面白いオーディオアクセサリーを製造しているんです・・・型番はCNS-7000SZです。」

 「オーディオリプラスですか・・・なんか聴いたことがあるような気がします・・・」

 「値段もそれなりにしますよ・・・これで5万円と少しの価格です・・・」

 「結構良い値段しますね・・・でも、電源ケーブルを高級なものに取り換えたくらいの効果があるのなら、一概に高いとも言えませんかね・・・高級な電源ケーブルはもっと高価なものが沢山ありますからね・・・」

 「そうですね・・・私が今使っている電源ケーブルは15年以上前のものですが、それでもそれなりの価格がした記憶があります・・・」

 「それで、どういう効果がありますか・・・?」

 「サウンドステージの奥行き感が出ますね・・・平面的であった音場が、立体的になるというか・・・リスニングルームが少し広くなったような感覚があります・・・」

 そんな会話をしてから、その銀色の箱の検証を早速してみるとことになった。

 まずは、その銀色の箱がCDプレーヤーに繋がる電源ケーブルに装着された状態で、1曲聴かせていただいた。

 選ばれたのは、グールドさんの部屋で一番よくかかる、ゴールドベルク変奏曲であった。1981年、グレン・グールドの死の前年の録音である。

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