新井薬師前駅の改札を出て、下り基調の道を10分ほど歩いた。道の周囲は静かな住宅地で、人通りは多くなかった。
哲学堂公園が見えてくると、そのすぐ近くがEnsembleさんの住むマンションがある。
哲学堂公園は、明治37年に哲学者で東洋大学の創立者でもある井上円了によって精神修養の場として創設された。
約15年をかけて整備された園内には哲学に由来する形や言葉を付した建築物、石造物などがある。公園の北側には、野球場やテニスコートなども併設されている。
Ensembleさんは独身貴族。マンションで一人暮らしである。
マンションのリビングルームがリスニングルームを兼ねているので、エアボリュームは十分にある。
Ensembleさんのが、現在お使いのスピーカーは、YG AcousticsのPeaksシリーズに属するCAIRNである。
CAIRNは、小型2ウェイスピーカーで専用スタンドに設置されている。
CAIRNのウーファーのサイズは15cm。我が家で現在使っているSonus FaberのGuarneri Mementoと同じサイズである。
エンクロージャーは密閉型である。
従来のYG Acousticsのスピーカーの質感とはやや異なるデザインをしている。
初めてお邪魔したのはもう数年も前のことである。その時は、使われているスピーカーが異なっていた。
少し前までパウエル・アコースティックスというスイスのメーカーのELEKTRAをお使いであった。スタンド一体型で、15年ほど前までは正式に日本にも輸入されていたようであるが、私はEnsembleさんのお宅で初めて目にした。
とても美しいスピーカーであった。積層合板がエンクロージャーの素材になっていて、美しい積層面がデザイン上のアクセントになっている。ユニットにも高級なものが奢られていた。
そのELEKTRAがCAIRNに変わったのである。高級なコンパクト2ウェイスピーカーという点が、両者は共通している。
オーディオ機器はセンターラック方式でまとめられている。2台のスピーカ間の後方にYAMAHAのGTラックが2台並べて置かれている。その左のラックの上段には、YBA Classic3 Σが置かれている。