AcousticTao

趣味であるオーディオ・ロードバイク・車・ゴルフなどに関して経験したことや感じたことを思いつくままに書いたものです。

2816:撮影

2013年11月30日 | ノンジャンル
 私のスマホで「寧々ちゃん」のスウィングを撮影した。正面と背後から撮った。それを彼女に見せた。どう見ても、オーバースウィングになっているように感じられた。これは女性に多い症状である。

 「トップの位置に来た時に体が左に傾いているね。ここからダウンが始まるから、ミート率が悪くなるのかも・・・」

 映像を見ながらそう言うと、彼女は「思っていたよりも、トップでクラブを引きすぎっちゃっているわね・・・ちょっとかっこ悪い・・・」と言って笑った。

 次は彼女のスマホで私のスウィングを撮った。これも正面と背後からふた通りのアングルで撮影した。それをふたりで確認した。

 「やっぱりアウトサイドインの軌道になっているな・・・真後ろからの映像だと良く分かるね・・・気を付けているつもりなんだけど・・・まだ駄目だね・・・それにテイクバックを内側に引きすぎている・・・」

 ちょっとがっかりした。どう見てもきれいなスウィングとは言えない。これでは方向性が安定しないわけである。

 「トップでの左肩の入り具合も浅いかも・・・・」トップで動画を一旦停止してみて、その体の具合を確認してみた。

 そんなことを繰り返した。何度も繰り返して撮影してみる。その都度映像を確認してチェックポイントがどうなっているか目で見るようにした。

 撮影した映像を見ながら練習を繰り返したからといってすぐに修正できるわけではないが、やみくもにボールを打つよりは効果的な気がした。

 練習場には1時間半ほどいたであろうか。時計の針は8時半を指していた。そろそろ疲れてきたし、お腹が空いてきた。

 「食事まだでしょう・・・そろそろ行きますか?」
 
 「ええ、とてもお腹が空いた・・・」

 「今日娘さんは?」
 
 「バイトで遅くなるって・・・」

 二人はそれぞれの車にキャディーバッグをしまいこみ、練習場の近くにある「がってん寿司」へ向かった。

 寿司をつまみながら、再度スマホでそれぞれの映像を確認した。彼女は今晩は明るく饒舌であった。先週会った時のような暗い影は感じられなかった。

 「父親の死の事は意外と早く吹っ切れたのであろうか・・・7歳の時に別れたきりで心の片隅に淀んでいた父親の影が、その死によってすっと消えさっていき、心の透明度が上がったのであろうか・・・悲しい感情は時に浄化作用をもたらすこともあるのかもしれない。」

 「寧々ちゃん」の澄んだ笑顔を見ながらそんなことを思った。人の心の動きは不規則で不透明である。どのように動き、どんな感情をもたらし、そしてそれに対してどう反応するのか・・・一定の公式はないようである。
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2815:練習場

2013年11月29日 | ノンジャンル
 昭和の森ゴルフ練習場の駐車場に着いた時には辺りはすっかりと暗くなっていた。とりあえず普段よく停める入口を入って左側のエリアに車を停めた。周囲には黒のMitoは見当たらなかった。時計の針は7時前を指していた。

 「まだ着いてないかな・・・予定よりも10分ほど早く着いたからな・・・」

 キャディーバッグを降ろして、受付へ歩いていった。2階席なら二つ連続した打席を確保することができた。2階席へ歩いていき、キャディーバッグを降ろした。

 ICカードを機械に差し込んで100球ほどボールを籠に入れた。ゴルフボールが詰まった籠を打席そばに移してから、彼女にメールを送った。

 「51番と52番を確保しました。2階席です。」

 結構肌寒かった。昼間の最高気温も13度ぐらいまでしか上がらず、日がすっかり落ちた今はきっと10度ほどしかないであろう。

 最近取り組んでいるのがテイクバックをコンパクトにすること。左腕が地面と平行になったところで止めるように意識して、トップを低い位置にとどめる。そこから左サイドを起点に体の回転でクラブを振る・・・するとミート率が良くなる・・・となるはずである。

 まずはショートアイアンから始めた。なかなか良い感じである・・・「練習場だと結構上手くいくんだよな・・・しかし、実際のゴルフ場ではこうはいかないけど・・・」そんなことをぼんやり考えながら、50ヤード、70ヤード、100ヤードと距離を打ち分けていった。

 アプローチからピッチングにクラブを持ちかえようとした時に、彼女が着いた。聞き慣れた声が私の耳にするっと入ってくる。

 「寒いね・・・もう冬本番って感じ・・・」

 彼女はしっかりと寒さ対策をしていた。中綿入りの厚手のウィンドブレーカーを着こんでいた。黒にピンクのラインがアクセントとして入っていた。それにグレーのパンツを合わせて、シックな色合いである。

 彼女の打席にもゴルフボールの詰まった籠を置いた。最初のうちはお互いの打席でウォーミングアップ。後半はお互いにスマホでスウィングを撮影しあい、修正ポイントを探る予定である。
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2814:依頼

2013年11月28日 | ノンジャンル
 「年内は忙しくてね・・・消費税が上がるでしょう来年の4月から・・・消費税が上がる前にリフォームしようというお客さんが多くて・・・例年の倍くらい現場があって・・・でも、まあ年明けならなんとかなるかもしれませんね・・・それでもいいですか?」

 「まあ、その程度の工事なら2日ほどで終わるでしょうから、年明けなら大丈夫でしょう・・・でも、防音室なんてうちはやったことないし、詳しくはないですけどね・・・その吸音部分のクロスをはがして、そこから吸音材をはがして、木製の壁材で塞げばいいんですね・・・でも吸音部分以外の壁の内側の吸音材をとるのは難しいでしょうね・・・」

 「全部取るのなら、壁材を全てはがす必要があるでしょうね・・・一旦剥がした壁材は再利用は難しいでしょう・・・また新たな壁材を仕入れる必要がありますから、工事代が跳ね上がりますよ・・・まあ、とれる範囲で取ってというだけなら・・・比較的簡単に済みますよ・・・あとそのクロスが張ってあった吸音部に貼る壁材ですが、今使っているものと一緒のものが良いですか?もう6年も前の工事だったら同じものは難しかもしれませんよ・・・でも、従前クロスが貼ってあって見た目的にアクセントになっていたのであれば、材質や色合いが違っても違和感はないかもしれませんね・・・」

 「まあ、年明けに一度見に行ってみますよ・・・防音ル―ムってピアノか何か置いてあるんですか・・・お子さんのピアノですか・・・」

 「奥さんのですか・・・それとオーディオですか・・・また、いまどき珍しいいですねオーディオなんて・・・今時はホームシアターって言いましてね、小さな映画館みたいな部屋をつくるのが流行ってるんですよ。それなら一度やったことがありますよ・・・でも、そこは防音ではなかったようですけどね・・・広い家だったし、隣も離れていましたからね・・・まあ、先生のとこなら安くやるようにしますよ・・・帳簿見られているからふっかけるわけにもいきませんしね・・・」

 「なに聴いているんですか・・・へえ、クラシックですか・・・そりゃ、よほど変わり者だ・・・そういやぁ、我が家にも何十年も前にレコードプレーヤーがあったけか・・・もうずいぶんと前に壊れて捨てちゃいましたがね・・・歌謡曲のレコードも持ってましたよ・・・それもとっくの昔に捨てましたがね・・・レコードも聴くんですか・・・へえ、物持ちが良いですね・・・30年も40年も前のものでしょう・・・今でもちゃんと鳴るんですか・・・へえ、そうですか・・・それは、面白い・・・」

 「それから天井はそのままの方が良いでしょう・・・天井もやるとちょっと大ごとになりますからね・・・四面の壁だけなら作業そのものはスムースにいきますよ・・・」

 顧問先の工務店の社長はここ数ケ月忙しそうである。仕事の打ち合わせを終えた後、ふと思い出してとあることを依頼した。年明けならなんとかなるようである。2日ほどで終わるようだし、お願いしようと思っている。なるべく経費をかけずにすませたいところである。
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2813:レオライナー

2013年11月27日 | ノンジャンル
 以前から走ってみたいと思っていた。そこで、急遽思い立ち昨晩走ってみた。距離は3kmほど。長い距離を走るのは何十年ぶりであろうか・・・おそらく30年ぶりぐらいであろう。

 その筋肉痛が軽く体には残っていた。「もう少し長く走ってみるか・・・」事務所からの帰り道、車のハンドルを握りながら考えていた。

 「すぐに根を上げるかな・・・」と思っていたところ、スローペースながら割と良い感じで昨晩は走れたので、少々気を良くしていた。

 ロードバイクのトレーニングであれば、ローラー台で汗をかいた方が効果的ではあるが、この固定式のローラー台・・・なかなか退屈なものなのである。風を感じない。風景は全く変わらない。汗だけがだらだら落ちる。まるで回転台で走りまわる二十日ネズミのような気分に陥ってしまうのである。

 走り始めたのは、午後9時半を過ぎていた。多摩湖をくるっと廻るコースを走ってみた。半分以上過ぎ、西武球場を左手に見ながら走る頃には汗が時折額から流れ落ちた。

 西武球場と西武遊園地駅を結ぶレオライナーが、後ろからやってきて追い越していった。ほとんど無人と言っていいほどにしか乗客を乗せていなかった。白く明るく照明で照らしだされた車内は暗闇のなかでくっきりと浮かび上がる。

 静かな走行音を響かせながらレオライナーは見えなくなっていった。私はレオライナーの軌道と平行に走っている広い歩道を走っていた。右手には昼間であれば、木々の合間から多摩湖の湖面が見えるはずである。

 周囲には街灯はほとんどなく暗闇が支配していた。広い歩道を二つの通行帯に分けるセンターラインは、ぼんやりと白くにじんでいた。そのセンターラインに誘導されるように、走り続けた。

 乾いた落ち葉を踏みしめ、その下にあるアスファルトの硬さをシューズの裏側から足裏に感じた。一歩一歩の衝撃は脚の筋肉に徐々に軽い痛みとなって蓄積していった。

 西武遊園地の観覧車がライトアップされていた。色鮮やかに光る大きな円が月とバランスを取り合っているようであった。

 多摩湖の堤防にようやく着いた。両サイドには均等にライトが並んでいる。白く照らし出された堤防は少し幻想的であった。人はほとんどいなかった。その真ん中を走り続けた。堤防を渡り終わるとすぐに自宅である。

 昨晩よりも長い距離を走った。どうにか走りきれた。脚の筋肉には昨晩よりも痺れるような疲れが残った。

 多摩湖の周囲には「所沢シティーマラソン大会」が12月8日に行われることを告知する看板があちらこちらに掛けられていた。「時々走るようにすれば、ハーフマラソンなら走りきれるかも・・・来年はエントリーしてみるか・・・」そんなことをぼんやりと考えた。
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2812:ランニング

2013年11月26日 | ノンジャンル
 以前から走ってみたいとは思っていた。少し前にランニングシューズも買っていた。走るには最高の環境も自宅近くに整っていた。

 多摩湖の周遊道路には土日になると多くの人がジョギングをしている。かなり本格的な人もいれば、ダイエットを目的としている人もいる。数名のチームで走っている人々もいる。

 ランニングは相当なブームのようである。マラソン大会なども人気の高いものは抽選の倍率が凄いことになっているようである。

 ロードバイクをやっているので、ある程度のスタミナは確保してあるはず。急に長い距離を走るとさすがに辛いだろうが、数キロから始めればどうにかこなせるのでは・・・という少々楽観的な憶測を持っていた。

 仕事を終え、帰宅した。食事を軽めに済ませ「ちょっと走ってくる・・・」と妻に告げた。「今から自転車・・・気を付けてよ・・・暗いから・・・」と妻は返答した。

 「自転車じゃないんだ・・・ジョギング・・・」そう言うと、妻は少しばかり怪訝そうな表情をした。

 ゆったりとしたペースで走り始めた。昼間は思いのほか暖かかったが、日が落ちると気温はぐっと下がったようで、顔に受ける空気はひんやりとしていた。

 徐々に体温が上昇してゆく。心拍数も上昇してゆく。静かな夜の空気のなかに、乾いた足音がテンポよく響く。時折、同じく夜のジョギングをしている人に出会う。すれ違ったり、追い抜かされたり、追い抜かしたり・・・

 走った距離は3kmほど・・・ペースはとてもゆっくり・・・でも結構な汗が流れた。脚には適度な疲労感が残った。ほんの僅かにしびれるような感覚が心地よい。

 ロードバイクのようなスピード感は当然ない。しかし、なにかしら着実に踏みしめているような感覚がある。体にも一歩ごとに振動が加わる。

 家に帰り着いて、シャワーを浴びた。「どうにか走れたな・・・次回はもう少し長くしてみるか・・・」そんなことをぼんやり考えていた。「将来はフルマラソンにでたい・・・なんてことになったりして・・・まあ、それはないな・・・」シャワーによってすっかり流された汗と一緒に妄想も流されていった。
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