「この曲って、ユーミンみたい・・・」
「ゆみちゃん」はプロコルハルムの「青い影」を聴きながらそう言った。
「えっ・・・そう・・・?」
「古い時代のユーミン・・・荒井由実時代かな・・・70年代の頃の曲の雰囲気に似てる・・・」
「そう言われると、そんな感じもしてくるね・・・でも、そんな古い時代の曲も聴いているんだ・・・」
私はコーヒーカップに僅かに残っていたコーヒーを飲みほした。Mimizukuのコーヒーは美味しい。濃い目で香ばしい香りがする割に苦みや酸味はそれほど舌に刺さってこない。むしろ滑らかな感触で舌と喉を過ぎ去っていく。
「私って結構70年代マニアなんです・・・音楽もあの時代のものってかなり好きかも・・・なんだかぎゅっと身がつまっている感じがするんですよね・・・」
「そうそう、雑誌に投稿してたよね・・・70年代ファッションの洋服着て、自撮りした写真・・・採用された・・・?」
「ぜんぜん・・・まだ一度も・・・」
「採用されると、なんかもらえるの・・・?」
「1万円・・・それよりも雑誌に自分の写真が載ることが大事・・・一生の記念になるでしょう・・・」
「なるほど・・・最近の作品はどんな感じ・・・?」
私が興味を示すと、彼女は嬉しそうにスマホに撮りためた写真を見せてくれた。それらの画像のなかで彼女がきている洋服の数々は70年代に中学・高校時代を過ごした私にとって、懐かしさを感じさせるものである。
「あ~こういうの昔あったね・・・肩のところが丸く盛りあがっている・・・サリーちゃんだよ・・・これ。」
「どちらかちうとアッコちゃんですよ・・・これ・・・」
「あっ・・・そうか・・・アッコちゃんね・・・」
「でも、なんでそんな自分が生まれる前の古いものが好きなの・・・なんかきっかけがあったのかな・・・?」
「ルパン三世かな・・・ルパン三世って古いものほど良いんですよね・・・最初のテレビ放送時代のものが一番良いかな・・・1971年からなんです、テレビ放送が始まったのが・・・その頃のルパン三世が最高・・・」
「ルパン三世か・・・観てたよ・・・小学校の何年生だっただろう・・・3年生ぐらいかな・・・ワルサーP38・・・憧れておもちゃのピストル買ってもらった記憶があるな・・・」
「あの時代のエンディングの歌が好きで、DVDであれが流れると一緒に口ずさんじゃう・・・」
「わかる!〝ワルサ~ピーサンジュハチ~、コノテノナカニ~〟でしょう・・・」
そんな風に話が弾んだ。ナポリタンを食べ終え、コーヒーも飲みほした。「そろそろ店を出ないと・・・」と思い、「ごちそうさま・・・」と言って勘定を済ませた。
「お先に・・・」と彼女に言おうと思ってあることを思い出した。「そうだ・・・これ聴いてみる・・・CDだけど・・・」
そして、私はたまたま鞄の中に入っていたCDを一枚取り出した。ヴァシュティ・バニアンの「Just Another Diamond Day」である。
「ゆみちゃん」はプロコルハルムの「青い影」を聴きながらそう言った。
「えっ・・・そう・・・?」
「古い時代のユーミン・・・荒井由実時代かな・・・70年代の頃の曲の雰囲気に似てる・・・」
「そう言われると、そんな感じもしてくるね・・・でも、そんな古い時代の曲も聴いているんだ・・・」
私はコーヒーカップに僅かに残っていたコーヒーを飲みほした。Mimizukuのコーヒーは美味しい。濃い目で香ばしい香りがする割に苦みや酸味はそれほど舌に刺さってこない。むしろ滑らかな感触で舌と喉を過ぎ去っていく。
「私って結構70年代マニアなんです・・・音楽もあの時代のものってかなり好きかも・・・なんだかぎゅっと身がつまっている感じがするんですよね・・・」
「そうそう、雑誌に投稿してたよね・・・70年代ファッションの洋服着て、自撮りした写真・・・採用された・・・?」
「ぜんぜん・・・まだ一度も・・・」
「採用されると、なんかもらえるの・・・?」
「1万円・・・それよりも雑誌に自分の写真が載ることが大事・・・一生の記念になるでしょう・・・」
「なるほど・・・最近の作品はどんな感じ・・・?」
私が興味を示すと、彼女は嬉しそうにスマホに撮りためた写真を見せてくれた。それらの画像のなかで彼女がきている洋服の数々は70年代に中学・高校時代を過ごした私にとって、懐かしさを感じさせるものである。
「あ~こういうの昔あったね・・・肩のところが丸く盛りあがっている・・・サリーちゃんだよ・・・これ。」
「どちらかちうとアッコちゃんですよ・・・これ・・・」
「あっ・・・そうか・・・アッコちゃんね・・・」
「でも、なんでそんな自分が生まれる前の古いものが好きなの・・・なんかきっかけがあったのかな・・・?」
「ルパン三世かな・・・ルパン三世って古いものほど良いんですよね・・・最初のテレビ放送時代のものが一番良いかな・・・1971年からなんです、テレビ放送が始まったのが・・・その頃のルパン三世が最高・・・」
「ルパン三世か・・・観てたよ・・・小学校の何年生だっただろう・・・3年生ぐらいかな・・・ワルサーP38・・・憧れておもちゃのピストル買ってもらった記憶があるな・・・」
「あの時代のエンディングの歌が好きで、DVDであれが流れると一緒に口ずさんじゃう・・・」
「わかる!〝ワルサ~ピーサンジュハチ~、コノテノナカニ~〟でしょう・・・」
そんな風に話が弾んだ。ナポリタンを食べ終え、コーヒーも飲みほした。「そろそろ店を出ないと・・・」と思い、「ごちそうさま・・・」と言って勘定を済ませた。
「お先に・・・」と彼女に言おうと思ってあることを思い出した。「そうだ・・・これ聴いてみる・・・CDだけど・・・」
そして、私はたまたま鞄の中に入っていたCDを一枚取り出した。ヴァシュティ・バニアンの「Just Another Diamond Day」である。