AcousticTao

趣味であるオーディオ・ロードバイク・車・ゴルフなどに関して経験したことや感じたことを思いつくままに書いたものです。

3179:日曜日

2014年11月30日 | ノンジャンル
 11月最後の日である30日は日曜日である。その朝は穏やかなものであった。昨日降った雨によりアスファルトは濡れていた。朝日が昇り、緩い角度で太陽光が路面に当たると表面を覆う水によりキラキラと反射した。

 長い間悩まされていた風邪の症状は9割方回復していた。まだ喉と肺に少し違和感があり、時折咳きこむが、特に支障はないと感じていた。

 昨晩、スポーツジムに行って、風邪になるまでほぼ一日置きにこなしていたトレーニングを同じ内容でこなしても、普段よりも格別に疲れたという印象はなかった。

 朝起きだした時、体に少々重い疲労感を感じはした。しかし、フライング気味とはいえ、風邪によるOFFを切り上げた手前、「やはり、今日は走ろう・・・ロングを・・・」そう心に決めた。

 そして、サイクルウェアに着替え、サングラスをして、ヘルメットをかぶって、ORBEA ONIXに跨った。随分久しぶりにロードバイクに乗る。その走行感覚は懐かしくそして気分の良いものであった。

 西武多摩湖線に沿って走る遊歩道をゆっくりとしたペースで走った。濡れた路面には沢山の落ち葉が散っていた。そこに木の枝を抜けてきた太陽光が当たり、少しばかり幻想的ともいえる光景を見せてくれていた。

 家を出たのが7時3分。いつもよりもゆっくりと走ったので集合場所であるバイクルプラザに着いた時には7時27分になっていた。

 風邪が完全に抜け切ったとは言えない状態であったので、暖かめのウェアを選択していた。そのためか、店に着く頃には軽く汗ばむほどであった。

 今日の目的地は話し合いの結果、都民の森に決まった。往復で120kmほどの距離である。檜原村役場を過ぎたT字路を左折してから21kmほど走った先に都民の森はある。T字路を左折してから、前半は上り基調のアップダウンが続き、後半に入ると上りが続くようになる。終盤はきつめの上りとなる。体力を消耗するタフなコースである。

 私は比較的呑気に構えていた。病み上がりなので従前のような走りは出来ないまでも、そこそこ普通の走りは出来るのではないかと高をくくっていたのである。

 出発前には、今日のロングライドが今までに経験したことのないほどに辛いものになるとは想像していなかった。

 「都民の森への厳しい上りでは、従前のような坂バトルは今日はまだ無理だろうけど、ゆっくりめのペースでコンスタントに上れば、こなせるであろう・・・」と考えていた。

 参加者は5名。普段よりも短めのトレインを形成して走り始めた。玉川上水の流れに逆らう形で西へ向かった。玉川上水の両脇には木々が植えられている。葉は赤やオレンジ、黄色に色づき、はらはらと落ちていた。

 30分ほど走った頃「どうもおかしい・・・体が妙に重苦しい・・・まあ、病み上がりだからな・・・しょうがないか・・・」そんな事を少し感じ始めていた。

 玉川上水に沿って走る道は平坦な道である。それほど負荷がかかるわけではない。普段であれば何ということのない道である。しかし、油断すると前のメンバーとの間隔が開いてしまう。

 1時間ほど走った。「やはり、おかしい・・・こんなに脚が回らないとは・・・風邪の菌はまだしぶとく私の体内に相当数潜んでいて、こっそりと体を蝕み続けているのであろう・・・いや、2週間以上、仕事から帰るとすぐにベッドに潜り込む生活をしていたのであるから、体も鈍っているはず・・・それだけ、それだけ・・・」そんな事を頭に思い浮かべながら、最初の休憩地点の拝島駅のコンビニに着いた。
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3178:打ち切り

2014年11月29日 | ノンジャンル
 OFFは打ち切りである。「延長・・・延長・・・」と盛んに唱えていたが、無理やりにOFFをねじ伏せることにした。

 約2週間のOFFは決して快適なものではなかった。確かに体は休まったのかもしれない。しかし、のどの痛みに始まり、首回りの凝りに、全身の倦怠感、鼻水そして咳という様々な風邪の症状に苦しみ続けた2週間であった。

 最後までしつこく食い下がってきた咳には、今日も悩まされ続けた。特に午前中は「ゲホ、ゲホ・・・ゴホ、ゴホ・・・」とやっていて、家人に嫌われた。

 「お父さんまだ治ってないの・・・咳する時は、こっち向かないで・・・もうちょっと離れて・・・」といった具合に除け者にされる始末である。

 しかし、夕方になると咳も収まった。「これなら、大丈夫だろう・・・もうOFFは終わりにしたい・・・夕食を食べたらジムへこっそり出かけよう・・・」そんなことを考えながら食事を終えた。

 そして、そっと家を抜け出して車に乗りこみ、スポーツジムへ向かった。久し振りである。ローッカールームで着替えた。そしてマシーンが並んでいるエリアに向かった。

 今までは特にこれといった感慨もなく座っていたエアロバイクであるが、久し振りの今日は少し新鮮に感じられる。

 スポーツドリンクをドリンクホルダーに入れた。スマホから伸びたイヤホンを耳に差し込み、Youtubeでたまたま見つけた「車坂峠ヒルクライム2013」というどこの峠が分からない峠で行われたヒルクライム大会の車載カメラ映像を観ながらクランクを回し始めた。

 前半の30分は軽めの負荷で、後半の30分は少し負荷を重くして、クランクを回し続けた。エアロバイクの表示板には心拍数や消費カロリー、回転数などが表示される。

 さらに体重と年齢を入力すると、心拍数に応じて「ウォームアップ」「脂肪燃焼」「心拍強化」「危険」の4段階での点滅式のレベルメータが表示される。

 トレーニングを始めて15分ほど経過すると「心拍強化」にまでその明滅ランプは達する。そして30分もすると「危険」エリアのランプが点滅する。

 後半の30分はほとんど「危険」エリアを推移する。年齢から想定される最大心拍数の80%を超えると「危険」エリアに突入するようである。

 トレーニング中の心拍数は160~170ほどである。それほど過大な負荷をかけているわけではない。しかし、エアロバイクの表示では「危険」の判定となる。

 「もう歳なんだから、たいがいにしなはれや・・・」と諭されているような気にもなる。「俺は危険な男だからな・・・危険が好きなんや・・・」そんなわけの訳の分からない事を頭の中で呟きながら、危険エリアのオレンジ色のライトの明滅を見つめている。

 60分のトレーニングを終えると汗びっしょりである。5分間のクールダウン・・・負荷はぐっと下げて、ゆっくりとクランクを惰性で回す。

 「ゴホ・・・ゴホ・・・」トレーニング中は出なかった咳が2回出た。まだ喉の具合はしっくりとはこない。残り2分となった「ゲホ・・・ゲホ・・・」また咳が出た。

 「OFFの無理やり気味の打ち切りは、勇み足か・・・」そんな囁きも頭をよぎる。「いや、いや・・・そんなことはないはず・・・OFFは付け入る隙を与えると、きっと増長する。ヘッドロックをかませて、一気にねじ伏せないと・・・」そんな事を思ってクールダウンを終えた。顔は熱で紅潮していた。汗はポタポタと床に落ちていった。脚の筋肉にはジーンと痺れたような感覚が広がっていた。懐かしい感覚である。「ゴホ・・・ゴホ・・・」三度咳こんだ。
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3177:Audi

2014年11月28日 | ノンジャンル


 ドイツ本国では、Audi A6がマイナーチェンジを受け、顔つきが少し変わった。このマイナーチェンジ後のA6は、日本には来年の春以降に導入される予定である。

 Audi A6はMercedes-Benz EクラスとBMW 5シリーズを直接のライバルとする。ドイツ本国ではこれら強力なライバルと互角の戦いを繰り広げているが、日本ではまだ大きな差がある。

 従前AudiはVWと併売されていた期間が長かった。また、YANASEが扱っていたさらにその昔には、御主人にはMercedes-Benzを売り、奥さんが乗るセカンドカーとしてAudiを売る、といった販売戦略がとられていたりしたため、Audiのブランドイメージは日本ではなかなか上がらなかった。

 10年ほど前からであろうか、日本でもAudiブランドのイメージ向上のために、様々な施策が積極的に行われるようになってきて、そのブランドイメージが徐々に上がってきた。しかし、売れているのはA1、A3、A4であり、A6とA8は日本では成功しているとは言い難い。

 A6のマイナーチェンジであるが、大きく変わったというほどの変化ではない。造形そのものはほとんど変化していない。

 フロントライトのLEDの構成が変わったのが一番目につくところであろう。従前はそのLEDの配列がフロントライトの造形ラインに沿うような形に曲線を描いていたのが、今回は直線基調になり、よりシャープな感じで描かれている。

 これだけでも印象が随分と変わるものである。このLED配列により目つきがより鋭くクールになり、フロントフェイスから受ける印象が冷徹なものになった。

 インテリアについても同様に大きな変化は感じられない。当然細かな見直しはされているのであろうが、写真を見る限り受ける印象に大差はない。

 このマイナーチェンジがA6の日本における販売台数をぐっと押し上げることにはならないであろうが、Audiブランドのクールなイメージをより定着させる役割は果たしそうである。

 そういえば、最近街で見かけるAduiのほとんどは白である。もしかしてここ2,3年で販売されたAudiの90%は白なのではないであろうかと思えるほどである。

 ドイツプレミアムブランドの御三家の中で一番白の販売比率が高いのはAudiではないかという気がする。Audiのシャープでクールな造形には白が似合うのであろうか・・・改めて考えてみると、「そうかもしれない・・・」という気にはなる。
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3176:オフ

2014年11月27日 | ノンジャンル
 風邪の症状はまだ続いている。先々週の金曜日から続いているのでもう2週間にもなる。こんなに長く続いたことは今までにない。今年の風邪の特徴なのであろうか・・・あるいは歳か・・・

 喉の違和感はまだとれない。時折咳がでる。後頭部から首周りにかけてだるさがあり、体を倦怠感が覆う。

 熱は出ない。寝込むほどの辛さではないので、仕事は休めない。それがいけないのか、仕事を終えて家に帰り着く頃には結構疲労感がどっしりと体を押しつぶしてしまっている。

 当然この2週間は、それまで細々と継続していた「一日置き作戦」は停止している。約1年ほど継続していたのこの作戦により、登坂能力は徐々に上がってきていただけに、残念である。小石をコツコツと積み上げてきて、塔のようになっていたものが、がらがらと崩れていくような感覚である。

 しかし、ここで無理をすれば、風邪の罹患最長記録をさらに更新することになる可能性がある。ここはじっと我慢して、どうにかこの風邪地獄を脱出したいものである。

 風邪の症状のピークは越えている。8割がたは直っているのである。しかし、最後の2割をラストスパートをかけて振り切ることができない。

 どうにか今週中にはこの状況を脱したい。そして来週からは以前のようなペースでのトレーニングに戻りたいものである。

 冬の時期はロードバイクにとってはオフシーズンである。この2週間と数日はオフと捉えて体を休める。この休息期間により、走ることに対する意欲を高める。そしてオフ終了後、再度体を鍛え始める。そんなことを頭に思い浮かべて、自分の焦りを鎮めている。

 「早く走りたい。ロードバイクに乗って・・・疾駆したい。」

 そういった思いとは裏腹に体の倦怠感はなかなか取れてくれない。この2週間で体が緩み始めるのが分かる。やはり少々寂しいものである。

 「もう少ししたら、この風邪が直ったら、また締めあげてやる・・・」そんなことを思いながら、今晩もぐったりと疲れた体をベッドに横たえた。
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3175:カントリーマン

2014年11月26日 | ノンジャンル
 プリアンプをMarantz7に替えて、先ほどと同じレコードを聴いてみた。Marantz7は電源を入れたばかりであり、まだ充分な暖気運転が済んでいない状態であったので、ヴァイオリンの音色に生硬さが残っていたが、よりエネルギー感、スピード感のある音を放出した。

 LEAK TL-10との組み合わせに関しては、両者ともに拒否反応といったものは一切感じられず、比較的スムースに握手している様が連想された。

 2枚ほどレコードを聴いてみた。まだMarantz7の暖気運転が済んでいないので本来の性能を発揮できていない感じがした。少しMarantz7のTELEFUNKENをアイドリングさせて十二分に暖まるのを待つ意味合いでコーヒーブレークを入れた。

 真空管アンプは電源を投入して1時間ほどすると音がその本来の持ち味を発揮し始める。電源を入れたばかりではなんとなくそのエンジンの回転がスムースではないのである。

 再度レコードをかけてみる。先ほどよりも音の角の鋭角さが消え、音に馴染みが出ている。まろやかな人肌感も加わり、Marantz7本来の性能は発揮され始めたようである。

 その音はアメリカを感じさせる。アメリカの都会の風景が目に浮かぶかのようである。高層ビルが立ち並び、道路には車が行き交い、地下には地下鉄が唸りをあげて走っている。道行く人々は、足早に歩き、皆しっかりとした目的地と目的意識を持って先を急いでいる。時間の単位のスピードは本来はどこであっても公平な長さではあるが、ここではより早く秒針が回るような感覚にとらわれる。

 そういった繁栄し積極的に活動する都会の風情が音から感じられるような気がした。物量を贅沢に投入し精巧な設計によりその持てる性能をしっかりと音に反映させる。そこに込められた意思の強さのようなものが、LEAK Point One Strereoとは桁外れであるような気がした。Marantz7は、やはり素晴らしいアンプである。

 Marantz7の音を堪能した後、最後にもう一度LEAK Point One Stereoに戻してみた。そしてマーラーを聴いた。

 田舎道をゆっくりと走るオースチン ミニ カントリーマンが目に浮かんだ。ところどころ緩やかに曲がる道をオフホワイトのミニ カントリーマンがゆっくりと走っていく。

 周囲には広々とした田園風景が広がり、空は快晴ではないが雨の心配はないような空模様・・・特に先を急ぐというふうでもなく、その白く小さなステーションワゴンは乾いたエンジン音を響かせている。



 LEAK Point One Stereoからはそんな牧歌的ともいえる英国風景が醸し出される。音のベースの色合いは茶色である。そのベースの上に淡いグレーやクリーム色、くすんだ感じの水色などが重層的に加わっていく。決してシルバーや黒、発色の良い赤などの色彩は加味されない。

 とても有意義な聴き比べが出来た。少し前にもLEAKとMark Levinsonのプリアンプを聴き比べる機会を持ったが、プリアンプでがらっと変わる音世界に、オーディオの面白さを再認識した。

 「しばらく私はミニ カントリーマンのあの朴訥としていて洗練さも感じさせるインパネを眺めながらそのハンドルを握っていよう。そのフロントガラスから見える風景をまた違ったものに変えたいと思う時が来るまでは・・・」そんな気持ちでPoint One Stereoの優雅なフロントパネルを眺めた。


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