REDの入ったCHATSWORTHからは、軽やかな音が流れ出した。重々しい風合いはない。帯域は広くないが、聴感上特に不足感は感じない。
湿度感はややからっとしている。からっ風のように乾いた質感で、拘泥するようなところがなく、達観したかのような音である。こちらの思い入れや波立つような感情をさらっと受け流し、音楽を素のまま、直に差出すかのような感じである。
CHATSWORTHは、郵便配達夫のように黙々と自分の仕事をこなす。彼の手によってもたらされた郵便物が、それを目にする人に与える影響には無関心に、郵便物を配達し続ける。
ヘンデルのメサイアから4曲ほど聴かせていただき、さらにハイドンの交響曲第90番の第1楽章と第2楽章を聴かせていただいた。どちらも拘泥感のないすっきりとした味わいである。
「GOLDも聴いてみますか?」と諏訪さんは訊かれたので「是非、聴いてみたいです・・・」と答えた。
すると、諏訪さんはCHATSWORTHを入れ替えてくれた。軽いスピーカーなのでほんの数分の作業である。CORNER CHATSWORTHの3本の足の位置にはマークが付けられていた。そのマークに合わせて、位置を決める。
さて、見た目の変更点はほとんどない。デザインは全く同一である。色合いはGOLDの入っているキャビネットのほうが若干色が薄めである。
「テレマンのオーボエ協奏曲でも聴いてみますか?」「良いですね・・・ハインツ・ホリガーですか・・・PHILIPSの音は好みなんです」
レコードのジャケットの表裏を見ながら、「どうなんだろう・・・GOLDになると、色彩感はアップするのであろうか・・・」と思った。
同一のキャビネットであるので、違いはユニットのみ。もちろん駆動するシステムはTHORENS TD-124、Marantz7、Marantz8Bと同一である。
出てきたGOLDの音は、明らかに音の温度感が上がっている。それと同時に湿度も上がった。からっ風が春風になったかのようである。
郵便配達夫が、宅配便の配達人になった。郵便配達夫は普通ベルを鳴らさない。ハンコも要求しない。郵便物をポストに入れるだけである。しかし、宅配便の配達人はベルを鳴らす。「ここにハンコをお願いします・・・」と要求してくる。
どちらがいいかは人それぞれであろう。私自身の個人的な好みで言うとGOLDの温度感により惹かれるものがあるのは、事実である。
その後、ベートーベンのチェロソナタ第3番を聴いた。しっとりとした音の手触りである。丁寧な手作業によるレース細工を思わせる。
リビングルームには1時間半ほど居たのであろうか、「2階の洋間には、RECTANGULARのCHATSWORTHがあります。taoさんがお持ちのものと同じキャビネットです。そちらも聴いてみましょう・・・」ということになり、2階に移動した。
階段は180度に折り返すタイプのもので、折り返すところには小さめの窓が取り付けてある。ルーバー窓である。オペレータハンドルが右斜め30度くらいのところで停止していた。その窓からは乾いた明るい光が漏れ入ってきていた。
湿度感はややからっとしている。からっ風のように乾いた質感で、拘泥するようなところがなく、達観したかのような音である。こちらの思い入れや波立つような感情をさらっと受け流し、音楽を素のまま、直に差出すかのような感じである。
CHATSWORTHは、郵便配達夫のように黙々と自分の仕事をこなす。彼の手によってもたらされた郵便物が、それを目にする人に与える影響には無関心に、郵便物を配達し続ける。
ヘンデルのメサイアから4曲ほど聴かせていただき、さらにハイドンの交響曲第90番の第1楽章と第2楽章を聴かせていただいた。どちらも拘泥感のないすっきりとした味わいである。
「GOLDも聴いてみますか?」と諏訪さんは訊かれたので「是非、聴いてみたいです・・・」と答えた。
すると、諏訪さんはCHATSWORTHを入れ替えてくれた。軽いスピーカーなのでほんの数分の作業である。CORNER CHATSWORTHの3本の足の位置にはマークが付けられていた。そのマークに合わせて、位置を決める。
さて、見た目の変更点はほとんどない。デザインは全く同一である。色合いはGOLDの入っているキャビネットのほうが若干色が薄めである。
「テレマンのオーボエ協奏曲でも聴いてみますか?」「良いですね・・・ハインツ・ホリガーですか・・・PHILIPSの音は好みなんです」
レコードのジャケットの表裏を見ながら、「どうなんだろう・・・GOLDになると、色彩感はアップするのであろうか・・・」と思った。
同一のキャビネットであるので、違いはユニットのみ。もちろん駆動するシステムはTHORENS TD-124、Marantz7、Marantz8Bと同一である。
出てきたGOLDの音は、明らかに音の温度感が上がっている。それと同時に湿度も上がった。からっ風が春風になったかのようである。
郵便配達夫が、宅配便の配達人になった。郵便配達夫は普通ベルを鳴らさない。ハンコも要求しない。郵便物をポストに入れるだけである。しかし、宅配便の配達人はベルを鳴らす。「ここにハンコをお願いします・・・」と要求してくる。
どちらがいいかは人それぞれであろう。私自身の個人的な好みで言うとGOLDの温度感により惹かれるものがあるのは、事実である。
その後、ベートーベンのチェロソナタ第3番を聴いた。しっとりとした音の手触りである。丁寧な手作業によるレース細工を思わせる。
リビングルームには1時間半ほど居たのであろうか、「2階の洋間には、RECTANGULARのCHATSWORTHがあります。taoさんがお持ちのものと同じキャビネットです。そちらも聴いてみましょう・・・」ということになり、2階に移動した。
階段は180度に折り返すタイプのもので、折り返すところには小さめの窓が取り付けてある。ルーバー窓である。オペレータハンドルが右斜め30度くらいのところで停止していた。その窓からは乾いた明るい光が漏れ入ってきていた。