AcousticTao

趣味であるオーディオ・ロードバイク・車・ゴルフなどに関して経験したことや感じたことを思いつくままに書いたものです。

6328:ジャケット

2023年06月30日 | ノンジャンル

 Hampton Hawesの「The Trio Vol. 1」のレコードジャケットがオーディオ装置の脇に置かれたスタンドに立てかけられていた。レーベルはComtemporary Recordsで、録音は1955年。この「Trio」のシリーズはVol.3まである。

 1950年代にこれらのレコ-ドで成功を収めた彼であったが、その後の人生は波乱万丈であった。この時代の多くのジャズメンがそうであったように、彼もヘロイン中毒に陥っていた。1958年には、ヘロイン取引のために逮捕され、禁固10年の刑に処された。その後ケネディ大統領によって1963年に与えられた特赦によって、自由を得た。放免されたホーズは、演奏と録音を再開した。

 そんなその後の人生の暗転を微塵も感じさせない軽快な音楽が「Rummy」の店内に流れていた。

 この店のオーディオ機器は少し変わっているが、なかでもスピーカーであるHales Desingn GroupのConcept Threeは、ほとんど見かけないものである。

 興味を抱いたので、コーヒーを飲みながら、スマホで「Hales Desingn Group Concept Three」を検索してみた。

 発売されたのは1998年のようである。特徴的なのはポリマー系セメントをバッフルの素材として採用していることである。そのため重量が1台82kgもある。ユニットとして、低域には20cmコーン型ウーファー、中域には5cmアルミドーム型スコーカー、そして高域には2.5cmハードドーム型ツィーターを搭載している。

 これらのユニットは、フォーカル社やビファ社に特別注文したもので、またその他のパーツであるコイル、コンデンサー、ターミナルポストなどはカルダス社ものを採用するなど、 オーディオ界で名の通った信頼性の高いユニットやパーツが贅沢に使われている。

 その姿はAVALONやTHIELを思わせるデザインである。日本にも20年ほど前までは正式に輸入されていたようである。

 かかっていたレコードの片面の演奏が終了して、「ボツ・・・ボツ・・・」と針音がし始めた。店主と思しき男性が手早く、レコードを取り換えた。

 新たにターンテーブルにセットされたレコードに針先が落とされた。

 そのレコードは、CURTIS FULLERの「BLUES-ETTE」であった。1959年の録音である。A面1曲目の「FIVE SPOT AFTER DARK」の軽快なメロディが流れてきた。

 そろそろと店を出ようかと思っていたが、その曲が始まって、「もう少し、ここにいよう・・・」と思い直して、足を組みなおした。

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6327:ジャズ喫茶

2023年06月29日 | ノンジャンル

 1960年代に流行したジャズ喫茶が再び注目を集めている。少々個性的で癖のある店主がよりすぐったジャズのレコードを、本格的なオーディオ機器にかけ、大音量で鑑賞する・・・そんなノスタルジックなスタイルが、注目を集めているようである。

 ジャズ喫茶は1960年代に巻き起こったジャズブームに乗って全盛期を迎えた。その当時コーヒー1杯は100円もしなかった。一方レコードは1枚2,000円以上した。高価なレコードを買えない若者たちは、ジャズ喫茶に足を運んだのである。

 しかしその後、ジャズブームも去り、高度経済成長を経て、一般家庭でもオーディオ機器を持てるようになり、誰もが気軽に音楽を聴けるようになると、ジャズ喫茶は次第に姿を消していった。

 すっかり衰退した感のあったジャズ喫茶が、再び注目されている。古くから経営しているジャズ喫茶だけでなく、若い世代の方が新たにジャズ喫茶を始めることもちらほらと出てきているようである。

 今日は、JR中央線の高円寺駅の北口からあづま通り商店街に抜ける途中にあるジャズ喫茶「Rummy」を訪れた。この店はそういった比較的若い世代の方が新たに始めたジャズ喫茶である。「Rummy」の開店は2013年である。

 店内は、ブルーグレーに塗られた壁が落ち着いた雰囲気を醸しだしていて、天井からは真鍮製の吊り下げ照明器具が淡い光を放っていた。とても落ちつた雰囲気を有していて、清潔感もある。老舗のジャズ喫茶とは明らかに雰囲気が違う。

 床はコンクリートがそのまま使われていて、椅子やテーブルはアンティークな木製のもので、どれもがセンスの良さを感じさせる。カウンター席には椅子が5つ並び、4人掛けのテーブル席が三つ並んでいた。

 「ジャズ喫茶」なので、当然店内にはジャズが大きめの音量でかかっている。CDプレーヤーはなく、かかる音源のすべてはレコードである。この店はオーディオ装置も独特である。

 スピーカーは、20年ほど前の製品と思われるHales Desingn GroupのConcept Threeであった。 Hales Desingn Groupは20年程前までは日本にも正式に輸入されていた。その後メーカーそのものが倒産したようであった。一般的にはほとんど知られていないハイエンドスピーカーメーカーである。Concept Threeは、やや大型のトールボーイタイプのスピーカーである。どことなくAVALONのようでもあるし、THIELのようでもある。これらを足して2で割ったような印象を受ける。

 このレアなスピーカーを駆動するのは、Jeff RowlandのConcentra。我が家のリスニングルームのGTラックに静かに佇むJeff Rowland Model2とほぼ同じ意匠である銀色に波打つフロントパネルが美しいプリメインアンプである。レコードプレーヤーはMichell EngineeringのGyro SEであった。フォノイコライザーはConcentra内蔵のものが使われている。

 センスの良い落ち着いた内装、意表を突くかなりレアといえるオーディオ装置。いろんな意味でとても興味深い要素で溢れたジャズ喫茶であった。
 
 今日はとても蒸し暑い。気温は30度を超えているようである。店内に入るとクーラーが効いていて涼しかった。カウンター席に座って、ケーキと珈琲のセットを頼んだ。
 
 現在かかっているレコードのジャケットはオーディ機器の脇にあるスタンドに立てかけられている。その方向に視線を移した。
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6326:シャロー

2023年06月28日 | ノンジャンル

 私のゴルフスイングの欠点は二つある。一つはトップでシャフトが飛球線に対して平行でなく右側にクロスしてしまう「クロスシャフト」になることと、ダウンスイングでクラブがアウトから入ってきてしまう「アウトサイドイン」の軌道になってしまうことである。

 「クロスシャフト」の方は、シュミレーションゴルフで自分のスイングの映像を確認しながら直していくと、かなり改善されてきた。

 一方「アウトサイドイン」のスイング軌道については、改善具合が思わしくない。

 YouTubeやInstagramには、無数とも言えるゴルフに関するレッスン動画がある。時折それらを眺めたりするのであるが、今まではこれといったものがなかった。

 先日、YouTubeで「新井淳・スコアパーソナルゴルフ」と言う動画を偶々見かけた。チャンネル登録者数が13.5万人と人気のとても高いゴルフレッスンの動画チャンネルであった。

 「2重振り子スイング」という名称でその推奨するゴルフスイングをチェックポイントごとに動画で解説されているので、分かりやすかった。

 動画はほぼすべて、アベレージゴルファーをレッスンしている内容を面白おかしく構成していて、飽きがこない。レッスンを受けてそのスイングが改善されていく過程が分かり、「これなら自分でもできそうだ・・・」という気にさせてくれる。

 「アウトサイドイン」のスイング軌道から、トップからの切り返しでヘッドが体の背面方向に落ちていく「シャロースイング」に変化させるヒントが掴めたような気がした。

 特に右手の切り返し以降の動きについて、次回「ジムスタ王国」のシュミレーションゴルフに行った時には試してみようと思っている。

 その動画で紹介されていた、シャローに持っていくためのポイントは、トップでの右手の形と、トップから切り返す際の右手の動きである。

 トップでは手でペットボトルを持って実際に飲んでいるようなイメージで形を作り、トップからの切り返しではそのペットボトルに入っている水を背中側にこぼすようなイメージで動かしていくというもの。

 その動画を見終わってから、ゴルフクラブを1本取り出して、右手の動きを確認しながら部屋の中で素振りをしてみた。素振り段階では問題なさそうな感じであった。

 しかし、実際のボールを打ってみても上手くいくのかどうかは不明である。

 「アウトサイドイン」のスイング軌道ではどうしてもミスショットが出る確率が高くなってしまう。そのスイングが改善されればスコアが安定するであろう。

 来週にはゴルフのラウンドの予定が入っている。今回の動画を参考にして、臨んでみる予定である。

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6325:8K

2023年06月27日 | ノンジャンル

 ノアのブースに入るとオーディオ評論家である藤岡誠氏による講演が行われていた。藤岡誠氏は1944年の生まれである。相当な高齢であるため、やや話が覚束ない感じがあるにはあったが、ユーモアを交えながら講演会は進んだ。

 スピーカーはエレクタアマトールⅢがセッティングされていた。それを駆動するアンプ類はブルメスター。レコードプレーヤーはドクトル・ファイキャルト・アナログであった。

 藤岡誠氏の持ってこられたレコードが数枚かかった。エレクタアマトールⅢは、オリジナルのエレクタアマトールと比べてしまうと、そのデザインはすっきりとしたもので、独特な味わいは薄らいでしまった。

 それでもヴァイオリンの音を聴くと、「やはりソナスファベールだな・・・ヴァイオリンの音が良い・・・」と、ソナスファベールのDNAがしっかりと引き継がれていることが感じられて嬉しかった。

 藤岡誠氏の講演会は予定時間をオーバーして終了した。拍手で締まり、席を立った。次は、夜香さんが主宰されているDVASが出展しているブースに向かった。

 数社が共同で出店しているブース内にDVASのスペースがあった。

 そこには、記念すべきデビュー作である光カートリッジ専用のフォノイコライザーであるModel1とともに、「参考出品 ヘッドホンパワーアンプ Model2」と記された新製品が展示されていた。

 ハイエンドヘッドホンマニアというのは、若い年代の方を中心として相当数いるようである。私はヘッドホンと言うと高いものでも数万円と言うイメージを持っていたが、ハイエンドヘッドホンはもう一桁高い製品である。

 「そういった世界があるのか・・・」とヘッドホンを使用したことのない私などは感心した。

 そういった若い世代のハイエンドヘッドホンマニアの方が開催期間中に相当数ブースを訪れて、この新製品を試聴されたようで、かなりの高好評を得たとのことであった。

 早速私も試聴させてもらった。ヘッドホンは三つ用意されていた。それぞれ20万円、30万円、40万円の価格のものであった。私は真ん中の価格帯のヘッドホンを選択して装着した。

 文字通り慎重に耳を傾けて、ハイエンドヘッドホンの世界を堪能した。

 「これは映像機器に喩えると8Kの世界だな・・・」と感心しながら聴いていた。

 初めてのハイエンドヘッドホン体験を満喫して、「こういう世界もあるのか・・・」と目からうろこ体験をした。

 OTOTEN2023・・・2時間ほどの滞在であったが、とても充実した時間であった。4つのブースを回った。ハイエンドヘッドホンの世界の初体験とFINK team BORGの音には、かなりのインパクトを受けた。 

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6324:OTOTEN2023

2023年06月26日 | ノンジャンル

 朝の6時に起きだして、しばし考えた。「どっちにするか・・・」と。

 選択の対象は「チームのロングライド」と「OTOTEN2023」である。今日はOTOTEN2023の最終日である。金曜日と土曜日は仕事が入っていたため行くことができなかった。できれば最終日である今日、行ってみたいと思っていた。

 チームのロングライドに参加すると戻ってくるのは午後2時半頃になる。「時間的に厳しいな・・・体も疲れ切ってしまうから、さすがに有楽町まで行く気力も残っていないであろう・・・」

 「夜香さんが主宰されているDVASも出展されているとのことだし、やはりOTOTEN2023に行くか・・・」ということに気持ちが決まった。

 午前中は事務所に立ち寄って、仕事をこなし、昼食を国分寺で摂ってから有楽町駅へ向かった。OTOTEN2023の会場は有楽町駅前の東京国際フォーラムである。会場に着いたのは午後1時頃であった。

 事前登録制であったので、入口受付でスマホの画面のQRコードを示して、入場パスをもらった。それを首からかけて会場へ向かった。

 まず向かったのはタクトシュトックのブースである。スペックとの共同ブースでは、FINK teamのBORGがスペックのアンプにより鳴らされていた。

 FINK teamは、30年以上世界中の傑作スピーカーの設計を担当してきたカールハインツ・フィンク氏が初めて立ち上げた自身のブランドである。現在日本に輸入されているのは、弟分であるスタンド一体型のKIM(キーム)と上級機のBORG(ボーグ)である。

 BORGは、オリジナルAMTツィーターとオリジナル260mmのパルプコーン・ウーファーの2WAY。そのサイズはH1050×W300×D400で、重量は1台52㎏である。

 私がブースに入り、後方右側の椅子に座った時にはジャズの女性ボーカルがかかっていた。その音は、クールで冷徹といったいかにもハイエンド的なものではなく、実に自然で音像のしっかりとした実在感が感じられるもので、とても好感を持った。

 価格はペアで500万円(税抜き)とかなり高価なスピーカーである。「価格が少々非現実的ではあるが、このスピーカーはかなり魅惑的なものだな・・・」と感心していた。

 30分ほどタクトシュトックのブースでBORGを聴いて過ごしてから、次なるブースへ向かった。

 次に入ったのはヤマハのブースである。用意されていた椅子の大半は埋まっていた。私は最後尾の左端の椅子が空いていたのでそこに腰かけた。

 展示されていたのは、トールボーイスピーカーのNS-2000Aであった。ヤマハらしくとても美しいピアノブラックのキャビネットを持つスリムなスピーカーである。

 その音の印象は輝かしいピアノブラックの質感そのものといったものであった。輝かしく艶やか、明るく屈託がない。まっすぐで伸びやかに広がる音の拡散度合いは気持ちがすがすがしくなるものであった。

 このブースでも30分ほど椅子に座っていた。次に向かったのはノアのブースであった。「ソナスファベールのスピーカーが聴けるだろう・・・」と期待しながら歩いていった。

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