AcousticTao

趣味であるオーディオ・ロードバイク・車・ゴルフなどに関して経験したことや感じたことを思いつくままに書いたものです。

4005:252ワット

2017年02月28日 | ノンジャンル
 「数馬」までは隊列をキープして無理のないペースで走ってきた。「数馬」にある公衆トイレでトイレ休憩をしてから、ゴールである都民の森の駐車場を目指す。

 距離は4.5km程で、もう下りが挟まることはなく、しっかりとした斜度の上りが最初から最後まで続く。

 このコースを目一杯で走るとタイムは18分ほど。今日も平均パワーに着目して、イーブンペース走行で行く予定であった。

 前々回の時坂峠、前回の山伏峠と平均パワー走行で上ってみた。大体いつも目安は250ワットである。

 サイコンにはラップ機能がある。ラップボタンを押すと、押してからのタイムや距離、そして平均パワーをチェックできる。

 その平均パワーに着目しながら、序盤からしっかりとした負荷をかけて走る。ペースは途中で変えることなく、最後まで走り切る。いたって簡単明快なヒルクライムである。

 250ワットで走行できるのは20分程度が限界であろう。Mt.富士ヒルクライムでは1時間半ほどの時間を走る。その場合は220ワットぐらいの平均パワーであろうか・・・



 スタートした。「数馬分校前」という看板が掲げられた信号機の下を通った際にサイコンのラップボタンを押した。

 ここから負荷を少しづつ上げていった。サイコンの小さな画面に表示されるラップパワーは徐々に数字が大きくなっていった。ラップパワーのすぐ左側には瞬間パワーが表示される。こちらは数字がころころ変わる。

 前半を経過した。ラップパワーは250ワットまで達した。序盤は皆ペースを抑えるためしばし私が先頭を引いていったが、途中から3名のメンバーがペースを上げて前に出ていった。

 その3名の先頭集団から少し遅れながら私ともう一人のメンバーが続いた。途中道路工事の為片側一方通行になっているエリアがあった。

 ガードマンが一人立っていた。先頭集団の3名は通行できる右側のエリアに入り込んでいった。急がないとそのガードマンに止められるかもしれないと思い、ペースを上げた。

 幸い止められることはなかった。ここで止められるとリズムが狂う。そのエリアを抜けてまだまだ続く上りを走った。

 視線の先には上っていく道が見える。鬱蒼とした木々に覆われた峠道の場合、道の先はよく見えないことが多い。

 しかし、都民の森までの坂道は広く、視界が開けている。結構先まで見通せる。体が疲れてくると、「まだあんなにの上るのか・・・」とその景色が少々心に重くのしかかることがある。

 今日もそんな気分になった。ラップパワーは後半に入っても予定通り250ワットほどで推移していた。それを落とさないようにする事を唯一の心の支えにしながら、後半の厳しい上りを走った。

 道は終盤に入った。残り1kmの看板が頭上に見えた。ここからが頑張りどころ。3名の先頭集団も縦に少しばらけていた。

 まだまだ差があるが、視界の先にはしっかりと先頭集団の背中が捉えられていた。上級者は今はオフシーズンであるので調子を落としている。

 ようやく、都民の森の駐車場が視界の先に入ってきた。この段階でダンシングに切り替えた。すぐ前を行くメンバーには追いつけそうにはなかったが、鍋料理の締めにうどんか雑炊をいただくかのように、約束事としてラストスパートした。

 駐車場の入口に到達して、ラップボタンを再度押した。数馬分校前の信号機から都民の森駐車場までの距離は4.33km、タイムは18分9秒、そして平均パワーは252ワットであった。


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4004:トルティーヤ

2017年02月27日 | ノンジャンル
 冬は空気が夏に比べて重い。空気抵抗も夏よりも10%程度増えると言う。9両編成のトレインは数キロごとに先頭交代する。先頭を引く順番が回ってくると、同じスピードであっても心拍数が隊列の中にいる時よりも上がる。

 玉川上水に沿って西へ走っていくと、いつもの休憩ポイントである拝島駅近くのファミリーマートが見えてきた。

 ここで、コンビニ休憩をした。トイレを済ませ、補給食を摂った。ロードバイクで走っているとお腹が空く。適宜エネルギー源を補給しないとガス欠になってしまう。

 セブンイレブンでは「ブリトー」という商品名であるが、ファミリーマートでは「トルティーヤ」という商品名で出ている「トルティーヤ ハム&チーズ」を選択した。

 セブンイレブンの「ブリトー」も美味しいが、ファミリーマートの「トルティーヤ」も頑張っている。

 ボリューム感は「トルティーヤ」の方が上か・・・味はそれぞれ個性があり、個人的な好みで勝敗を分けそうであるが、「トルティーヤ」の方がチーズの主張が強め。

 全体のバランスの良さでは「ブリトー」が勝っていて、チーズの主張度では「トルティーヤ」が勝っている。まあ、引き分けというところか・・・

 コンビニ休憩を終えて、睦橋通りを走っていった。睦橋通りに入ると、ローディーの姿を見る機会が増えるのであるが、今日はほとんど見かけなかった。

 睦橋通りでは赤信号でのストップ・アンド・ゴーを何度も繰り返しながら走った。武蔵五日市駅まで辿りついてその前を左折した。

 檜原街道に入っていくと周囲の風景はより鄙びたものに変わっていく。市街地はすぐに果て、周囲は緑が覆ってくる。

 檜原街道の公衆トイレでのトイレ休憩を挟んで、さらに檜原街道を進んで行くと、「橘橋」のT字路交差点に達する。

 この交差点を左折すると目的地である「都民の森」までは21kmである。この「橘橋」の交差点から都民の森の駐車場までの「21kmタイムトライアル」は、一度チャレンジしたことがある。

 60分が目標であったが、その時は残念ながら60分は切れなかった。また、いつかチャレンジしてみたい。

 チームで走る時には、「数馬」までは隊列をキープして無理のないペースで走っていく。「数馬」からゴールまでの4km程はバトルモードで走る。



 「橘橋」からは上り基調のアップダウンが続く。「21kmタイムトライアル」の時にはここも高速で駆け抜けていく。しかし、アップダウンエリアで脚を使い過ぎると「数馬」からの厳しい上りで息切れしてしまう。初めてのトライアルの時は、最初から飛ばしてしまい終盤で失速してしまった。

 「数馬」までは無理のないペースで走ると言っても、上り基調であるので脚は確実に疲れていく。「数馬」にある公衆トイレで一息入れる頃には、思わず「疲れた~」と声が出た。
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4003:気分転換

2017年02月26日 | ノンジャンル
 ロードバイクで定期的に走っていると、季節の進み具合が肌で感じられる。昨日の土曜日は、暖かかった。

 天気予報では今日も昨日同様に暖かい一日になると伝えていた。今日走ると所々で「春」を感じるシーンに出会えそうである。

 先週は仕事が詰まりすぎていた。そのためチームでのロングライドへの参加は断念して一日仕事に精を出さざる得なかった。

 状況はそれほど改善されたわけではないが、今日はロードバイクで走ってから、たんまりと溜まっている確定申告業務をすることにした。

 ロードバイクで走ると、体は疲労するが、忙しい仕事をこなしていくなかで蓄積されたストレスは発散される。気分転換のためにも、ロードバイクで走ることは良いことであるとの判断である。

 しばらくの間静かに眠っていたKuota Khanを起こして、朝の7時に自宅を後にした。走り出して体に受ける早朝の風には、もはや真冬の厳しさはなかった。

 多摩湖サイクリングロードを走っていった。その沿道に植えられている桜の木はまだまだ冬枯れのままであるが、散見される梅の木には赤や白の梅の花が美しく咲いていた。

 集合場所であるバイクルプラザに着いた。今日の参加者は9名であった。行先を話し合った。その結果、定番コースである「都民の森」に行くことに決まった。

 標高が高い都民の森は真冬の時期は気温が氷点下になるので年が変わってからはまだ行っていなかった。寒さも緩んできたので、今年初めて都民の森へ向かうことになった。

 9台のロードバイクの内訳はORBEAが4台、RIDLEYが2台、BH、LOOK、Kuotaが1台づつであった。9両編成のトレインは緩やかに走り出した。

 真冬の寒さが多少緩んだと言え、朝のうちはまだまだ寒いのでウィンドブレーカーをしっかりと着込んで走っていった。

 天気は快晴である。冬の快晴時の空の色合いは明晰な青である。風は今のところ吹いていなかった。2月のロングライドのコンディションとしてはこれ以上ないほどに快適なものである。

 玉川上水に沿って西へ向かった。玉川上水の両岸には木々が整然と並んでいる。それらはしっかりと手入れがされている。 


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4002:DAC祭り

2017年02月25日 | ノンジャンル
 まずはGoldmundの純正組み合わせであるMIMESIS39AとMIMESIS12で聴いた。かけたCDはいずれも大川さんが持参したもので、モーツァルトの弦楽四重奏曲第11番 変ホ長調の第1楽章と、ブラームスのクラリネット五重奏曲ロ短調の第1楽章であった。

 大川さんはクラシックの室内楽が大好きなようで「あまり大きな編成のものは聴かないんです・・・」と話されていた。

 曲はこの2曲に固定し、順次DACを切り替えて聴き比べを行っていった。まずは一つの「基準」としてGoldmundの純正組み合わせで聴いた。その音の記憶を頼りにそれぞれのDACの特徴を捉えようと、耳をそばだてながら、モーツァルトとブラームスの室内楽を聴いた。

 この一つの「基準」となったGoldmund純正の組み合わせは、スピーカーがLANCASTERからCHATSWORTHに変わっているせいか、前回よりも、よりコンパクトでシャープなサウンドステージであった。

 静謐感溢れる清涼感のある音はこの時代のGoldmundの製品の佇まいとも共通する。繊細でカチッとした質感で、理知的な音楽の構成美をしっかりと見せてくれる。

 「基準」で聴いたうえで、ラックの上から下に向かって順次DACを切り替えていくことになった。今回はLINN NUMERIKの出番はなかった。

 ラックの右側の上段にはWadia12が置かれていた。ブラックではなくシルバーである。シルバーの方がどことなく知的な感じがする。

 フロントパネルはシンプルである。黒い瞳のようにも見える二つの黒いボタンがあり、その近くにインジケーターが幾つか並んでいる。

 フロントパネルの左上にはWadiaのあの独特のマークが刻まれ、その脇に「WADIA12」と型番が表示されている。

 その音の色合いは「基準」に比べると 濃いめ。エネルギー感がアップするように感じられる。音情報の細やかさは「基準」の方があるように思えるが、ためらい感のない思い切りの良さが感じられる。

 「良いですね・・・勢い感があるます・・・」私がそう呟くと「これはコストパフォーマンスが高いですよね・・・相当前の製品ですから、中古でしか手に入りませんが、時折中古市場やヤフオクに出ています。大体8万円ほどが相場のようです。私もそれくらいで入手しました。デザインも好きなんです。DACに嵌るきっかけになった製品です・・・」と大川さんは表情を崩した。

 続いて聴いたのは、JOB DA48。これはまさしく「小箱」である。このコンパクトな躯体の中によく納まったものだと感心する。

 JOBはGoldmundのセカンドブランドである。なりは小さいが、フロントパネル右下に小さく刻まれた「SWISS MADE」は伊達ではない。

 SWISSの空気感を思わせる清涼感のある音である。音場は比較的コンパクトに出る。さらっとした拘泥感のない音の出方は、肩に力が入っていない。良い意味でさりげない。

 JOBの製品はこのDA48以外も全て小さな躯体を有している。「さりげなく上質でコンパクト」そんなコンセプトで製品開発が行われたのであろう。

 そういえばJOBって今はどうなっているのであろうか・・・なくなったのであろうか・・・それとも日本への輸入が他の多くのブランド同様停止されているだけなのであろうか・・・

 最後に聴いたのが、Zanden DAC5000である。Zandenの造形美はただものではない。大川さんは「私が買ったDACのなかで最も高価なものです・・・」と話されていた。

 「価格は一体どれくらいなのであろう・・・きっと現代ハイエンドの高価なDACと肩を並べるようなびっくり価格なのであろう・・・」そのただならぬ佇まいを前にして、そう思ってしまった。

 さて気になるその音であるが、音の微粒子感が桁違いである。さらさらとした微粒子が音の表面に隙間なくコーティングされているかのような独特な爽やかで柔らかい音の手触り感に少々驚いた。
 
 これ見よがしな高解像度とは全く向かっているベクトルが違う。音の微粒子の堆積に中に体が沈み込んでいくような快感を味わえる。

 弦楽器の質感も柔らかくたおやかである。実際の演奏の場合、時にきつく感じられるであろう音であっても、ZandenのDACを通ると鼓膜にはソフトランディングするような感じである。

 「これって独自の世界がありますね・・・全く孤高の世界が・・・」私はどのように評すべきか適切な言葉が見つからず、そう呟いた。

 「これは嵌ると抜け出せなくなる魔法の機械です。見た目も魔法がかけられているようでしょう・・・Zandenは魔法を使えるのです・・・」大川さんの目は笑っていた。

 「魔法ですか・・・」

 「そう、魔法です・・・」

 今日は4種類のDACを聴いた。それぞれ独自の音世界がしっかりとあった。「DACはデジタル時代のカートリッジのようなもの・・・」という意見はあながち間違っていないようだと思った。
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4001:Zanden

2017年02月24日 | ノンジャンル
 オーディオショップ・グレンの大型ラックには普段並ばないような機器が数多く集結していた。この木製の大型ラックには全部で九つのオーディオ機器が設置された。

 左側の三段には普段から見慣れたものが集められていた。一番上はROKSAN XERXES10。今日は残念ながら出番はなかった。

 そして中段はLEAK Point One Stereo。コンパクトで良い雰囲気を醸し出す、いかにも英国製と思わせるプリアンプである。そして、下段にはLEAK Stereo50。シンメトリックに並んだ真空管が美しい空間を形作っている。その真空管の隊列は衛兵が並んでいるようである。

 真ん中の三段には、前回聴いたデジタル系の機器が並んだ。上段にはGOLDMUND MIMESIS39Aが、中段には同じくGOLDMUND MIMESIS12が置かれ、下段にはLINN NUMERIKが置かれた。これらはすべて小暮さんの個人的なコレクションである。

 そして、今日の主役たちといえる大川さんが持参された3台のDACが右側の三段に並んでいた。それらは大きさも色も様々で、実に個性的なオーディオ機器たちであった。

 上段には、現在は低迷しているようであるが、以前はデジタル機器のメーカーとして確固たる地位を築いていたWadiaのDACがあった。

 型番をよくよく確認してみると「Wadia12」であった。比較的コンパクトなDACであり、きっとWadiaとしてはエントリー的なポジションの製品であろう。Wadiaというと黒のイメージが強いが、このWadia12は、シルバーであった。シルバーのWadiaもなかなか良い感じの印象を受けた。

 中段には、とても小さな機器があった。それはJOBのDACである。フロントパネルは青にグレーを混ぜたような微妙な色合いをしている。この色合いは実に繊細で美しい。少し和のテイストも感じる色味である。

 そしてそのコンパクトでそっけないともいえる躯体からは、何かしらぎゅっと凝縮された高度な美意識が放出されていた。

 フロントパネルにはスイッチの類は何もなく、二つのインジケーターが淡い光を放っていた。フロントパネルの左下にはブランド名である「JOB」が、そして右下には「SWISS MADE」と小さく刻まれている。大川さんに型番を確認すると「DA48」ということであった。

 そして、下段には見慣れないDACがあった。今まで一度も見かけたことがないメーカーのものである。これがまた飛び切りに美しい意匠を身に纏っている。

 どう表現するのが適切かわからないが、クラシックでありながら実にゴージャスとでも言うのであろうか、フロントパネルの一部は金色でその他はプラチナシルバー。ノブの造形もたおやかで、高級感のある仕上げとなっている。

 大川さん訊くと「これはZandenという日本のメーカーのDACです。型番はdac5000。アメリカが主な市場で、向こうでは高い評価を受けているのですが、日本ではほとんど販売されていません。私が持っているDACのなかで、もっとも高価なものです・・・」との返答が返ってきた。

 「日本製・・・?」大川さんの返事を聞いて、目を疑った。そのデザインセンスはどう見ても日本製には思えなかったからである。

 フランスの真空管アンプメーカーに「Jadis」というメーカーがあるが、そこの製品のデザインにも共通する色合いと風合いである。

 華麗で上品・・・ヨーロッパ的なセンスを感じさせるdac5000は、きっとこの日のハイライトになるであろう予感がした。
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