レコードの価格はピンキリである。ディスクユニオンに行くと普通1,000円前後の価格で売っている。私などはそういった比較的安い価格のものを購入することが多い。先日もディスクユニオン新宿店で、TRIOが国内で販売したCharlinレコードを630円で購入。FRANCOIS COUPERINのオルガンミサ曲である。いわゆる国内盤なので非常に安価である。フランス盤のほうが音質的には優れているかもしれないが、そこそこ聴かせてくれる。この価格であれば大満足。
一方、数万円の価格が付いてうやうやしく展示されているレコードもある。これらはオリジナル盤、しかも希少価値があり、さらに演奏者が人気者・・・となれば価格が一気に二桁違ってしまう。
昨日はそういった店頭に並べばきっと数万円の価格が付くのではないかと思われる貴重なオリジナル盤を立て続けに聴かせていただいた。ishii邸のアナログの送り出しはLP-12、EKOS、AKIVA、LINTOという純正中の純正。そのなかで印象に残った3枚は・・・
チョン・キョンファのけれんみのないシャープな音がすっと胸に入り込んでくる素晴らしい演奏と音質である。DECCAのレベルの高さを窺い知ることができる一枚である。
EMIはDECCAと比べるとよりピラミッドバランスのどっしりとした構えの音である。デュプレの高い集中力で情感豊かに演奏されるチェロの音色が濃厚である。DECCAの艶やかで繊細感のある音質も魅力であるが、EMIも良い味出している。
Lola Bobescoのバイオリンで、レーベルはALPHA。ベルギーのレーベルである。ishiiさんによると、ご自身のコレクションのなかでも非常に希少価値の高いレコードとのこと。レコードコレクターではない私には、そのへんの貴重さは分かりかねるが、音を聴いてこれなら数万円でも惜しくないような気がした。
昨日は良いコンサート聴いた後のような充実感を感じながら、ishii邸を後にした。今からオリジナル盤コレクションを形成しようというのは、かなりな経済的負担を強いられるので止めておいたほうがいいはずであるが、オリジナル盤の魅力はやはり大きい。