AcousticTao

趣味であるオーディオ・ロードバイク・車・ゴルフなどに関して経験したことや感じたことを思いつくままに書いたものです。

775:オリジナル盤

2008年04月30日 | ノンジャンル


 レコードの価格はピンキリである。ディスクユニオンに行くと普通1,000円前後の価格で売っている。私などはそういった比較的安い価格のものを購入することが多い。先日もディスクユニオン新宿店で、TRIOが国内で販売したCharlinレコードを630円で購入。FRANCOIS COUPERINのオルガンミサ曲である。いわゆる国内盤なので非常に安価である。フランス盤のほうが音質的には優れているかもしれないが、そこそこ聴かせてくれる。この価格であれば大満足。

 一方、数万円の価格が付いてうやうやしく展示されているレコードもある。これらはオリジナル盤、しかも希少価値があり、さらに演奏者が人気者・・・となれば価格が一気に二桁違ってしまう。

 昨日はそういった店頭に並べばきっと数万円の価格が付くのではないかと思われる貴重なオリジナル盤を立て続けに聴かせていただいた。ishii邸のアナログの送り出しはLP-12、EKOS、AKIVA、LINTOという純正中の純正。そのなかで印象に残った3枚は・・・



 チョン・キョンファのけれんみのないシャープな音がすっと胸に入り込んでくる素晴らしい演奏と音質である。DECCAのレベルの高さを窺い知ることができる一枚である。



 EMIはDECCAと比べるとよりピラミッドバランスのどっしりとした構えの音である。デュプレの高い集中力で情感豊かに演奏されるチェロの音色が濃厚である。DECCAの艶やかで繊細感のある音質も魅力であるが、EMIも良い味出している。



 Lola Bobescoのバイオリンで、レーベルはALPHA。ベルギーのレーベルである。ishiiさんによると、ご自身のコレクションのなかでも非常に希少価値の高いレコードとのこと。レコードコレクターではない私には、そのへんの貴重さは分かりかねるが、音を聴いてこれなら数万円でも惜しくないような気がした。

 昨日は良いコンサート聴いた後のような充実感を感じながら、ishii邸を後にした。今からオリジナル盤コレクションを形成しようというのは、かなりな経済的負担を強いられるので止めておいたほうがいいはずであるが、オリジナル盤の魅力はやはり大きい。
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774:IKEMIとLP-12

2008年04月29日 | ノンジャンル


 今日は「ガソリン渋滞」がところどころで見られた。5月からガソリンが再び高くなるので、かけ込みで今のうちにガソリンを入れておこうとする車がガソリンスタンドに入りきれず、道路に並んでしまい、その結果の渋滞である。こんなのは初めてである。

 そんなガソリン渋滞をところどころでやり過ごしながら、今日はishiiさんのお宅にお邪魔させていただいた。ALL LINN SYSTEMで統一された室内は極めて整然としている。まずはIKEMIでCDを聴かせていただいた。

 IKEMIは実に良いCDプレーヤーである。「アイケミ」と発音するようであるが、日本人の女性の名前「アケミ」からきているのであろうか?この下の機種はGENKI。これは明らかに日本語の「元気」からきているような気がする。LINNって相当な親日派のようである。

 IKEMIは音楽的なバランスを崩すことなく鮮度感高い音を奏でてくれる。その音を聴いていて「上手い!」と思わず心の中でつぶやく。「凄い!」ではなく「上手い!」である。音楽の美味しさを逃がすことなくギュッと密度感高く詰め込み、手際よく料理して盛り付けも自然な感覚でさっと出てくる。

 その手際の良さに思わず「上手い!」である。IKEMIで聴かせていただいたANNE QUEFFELECのBACHは良かった。1975年世田谷区民会館での録音。使用しているピアノはベーゼンドルファー、その独特の響きが耳に心地よい。これはすぐさまインターネットで発注しなければ・・・



 IKEMIの後は本命のLP-12。Andante Largoのリジッドテーブルに設置されたLP-12はとてもしっくりくる。アームはEKOS、カートリッジはAKIVA。まさに純正組み合わせ。そしてその後は怒涛のオリジナル盤攻勢・・・これは凄い!こちらは「上手い!」ではなく「凄い!」そのコレクションも凄いが音の良さが「凄い!」・・・その詳細は明日にでも。
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773:DELPHI Ⅳ

2008年04月28日 | ノンジャンル
 リンクさせていただいているブログを今日はチェック。ずぼらな私は週に一回程度しかチェックしないのであるが、大きな収穫が一つあった。ハンコックさんのブログを見てみると、そこには見目麗しいオーディオ機器の写真が数枚掲載されていた。

 そして内心、「きたっ~」と思った。以前からハンコックさんはアナログに興味を持っていらしたのであるが、とうとうその第一歩を踏み出されたようである。しかもそのターンテーブルは妖精が宿るかのような美しさ。

 それは、ORACLE DELPHI Ⅳである。現行のⅤと違いベース部が透明ではなく、Ⅳではブラックである。このブラックのほうが精悍な感じがする。写真を見ながら唸った・・・「う~ん、美しい・・・」・・・ROKSAN XERXES20やLINN LP-12の美しさとは、また異なった質感の美しさである。「妖精美」とでも名付けたいところである。

 そして、DELPHI Ⅳの美しさをさらに引き締め、一種ピンと張り詰めた緊張感をもたらしているのがSMEのアームである。これはSMEがORACLE専用に用意したもので、現行のシルバーとは色が違い、黒である。このSMEのアームの機能的で先鋭的なデザインとシックな黒がギュッと見た目を引き締めている。

 ハンコックさんは、早速アームの高さ調整や針圧等の調整をされていらした。しかもレーザー光線を使っての調整・・・本格的である。この調整過程が楽しいのである。そしてこの試行錯誤が上手くったらなおさらのこと、上手くいかなくても何故かしら楽しい。

 この美しいターンテーブルとアームを手に入れたハンコックさんは、きっと深くアナログの世界にはまり込みそうな気がする。なんとなく嬉しい・・・ 

 丸いものが回転する、それにアームが引っかかるようにのっかている。そして細い溝をカートリッジの針先がなぞるように触れながら、素晴らしい音楽を紡ぎだす。まさに紡ぎだされるかのようである。

 その様子を見ていると、「ふっ~・・・」と息を吐きたくなる。あくせくするのではなく、余裕を持って音楽に接することができるような気がしてくるのは何故であろう・・・
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772:あの空をおぼえている

2008年04月27日 | ノンジャンル
 ゴールデンウィークである。昨日の土曜日は休日出勤となってしまったが、今日はしっかり家族サービス。家族を連れて映画館へ、観た映画は妻のリクエストで「あの空をおぼえている」。

 親子4人と愛犬の絵に描いたような幸せな暮らしが突然ふりかかった交通事故をきっかけに深い悲しみに沈んでしまう。重すぎる苦しみを背負わされた家族が時間の経過とともにゆっくりと再生へと向かい懸命に生きていく姿を描いた「感動作」である。

 この手の映画、実はあまり好きでない。いかにも的な演出が鼻につくことが多いのである。確かにこの映画もそういった要素はあった。竹野内 豊と水野美紀が夫婦役で出てくるのであるが、あまりにも現実離れした美男・美女夫婦。そしてその家や内装、そして出演者の服装にいたるまで、まさに「絵に描いたような」という表現をしたくなるような感じなのである。

 ディテイルに関しては、表層的な整いのよさのみに終始する都会的なセンスでまとめられていて多少げんなりしてしまうところがある。そういったところには、ついつい斜に構えてしまうのであるが、物語自体は引き込まれずにはいられないテーマである。

 子を持つ親にとっては、涙無しには見終わることができない映画であることは確かである。「子供と動物ものには勝てないな~」といった感じでついつい涙腺全開といったところ。家族で観にいくと、観にいった後数時間は家族がもの凄く仲良くなる。

 家族がいるということ、そして出来が多少悪くても家族とともに生活できる幸せを、しみじみ感じることができる。

 映画として優れているか?と問われれば、「?」ではあるが、観てよかったか?と問われれば、大きくうなずかざる得ない。少なくともCGだらけのジェットコースター映画を観るよりは、観た後に何かしら残るという意味で良い映画であった。

 映画のエンディングを飾る平井堅の主題歌「いつか離れる日が来ても」は、最後まで聴きいってしまった。この曲は映画と同様、印象的な余韻を残す。良い詩である・・・
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771:ぶらり途中下車の旅

2008年04月26日 | ノンジャンル
 『ぶらり途中下車の旅』のナレーションを担当している滝口順平の声と喋り方は独特である。しかし、滝口順平のナレーションがなければこの番組が成り立たないほど、番組とナレーションがしっくりとしみこんでいる感じがする。

 もし、滝口順平が病気などで降板してしまい、他の方にナレーターが変わってしまったら、きっとがっかりするくらい雰囲気が変わってしまい、あの独特の飄々としたほのぼの感が失せてしまうような気がする。

 この番組で旅人役のタレントが立ち寄って紹介された店には、なんとなく行ってみたくなる。タレントが美味しそうに食べる画面に重ねて、滝口順平が「いや~おいしそ~う・・・」とあの独特の語り口で語ると、その気になってしまうのである。きっとこの番組で紹介されると、その後の反響は結構凄いのではないだろうか。

 30分のある意味地味な番組であるが、とても好きな番組の一つである。少しばかり旅へのあこがれをかき立ててくれるうえ、その画面から流れてくる景色を観ていると、自分の故郷でもないのに「郷愁」のようなものすら感じさせてくれる。

 今日はBS日テレで3月22日放送分の再放送を観た。そのなかで今週の旅人の舞の海が東武伊勢崎線の大田駅で下車した際に発見した、昔の車「スバル360」のシーンが面白かった。「全日本てんとう虫の会」という「スバル360」を愛好する方々が、仲間たちとのドライブを楽しんでいるところに舞の海も参加。小さい車体の「スバル360」に乗るのに悪戦苦闘している様が滑稽でもあった。

 しかし、この車「いいな~」という気にさせてくれる。この番組の雰囲気ともピッタリ。この「スバル360」は、昭和の高度成長期の象徴のひとつでもある。「経済的には貧しいけれど、夢と希望に満ちている」・・・そんな空気がこの小さな車の中にはびっしりと詰まっている。

 この車を近所で見かけたのは、幼稚園か小学生の低学年の頃。40年近く昔の話である。「てんとう虫」の相性で親しまれたこの優しげな顔をした車を見かけると、とても親しみを感じたものである。この「スバル360」の面立ちと滝口順平の語り口にはとても共通したものを感じる。暖かみがあり親しみやすい。 
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