家を出たのは7時ちょうどであった。天気は曇り。空には灰色の雲が厚くかかっていた。それを見上げながら「降らないといいけど・・・天気予報は午後から晴れると言っていたはず・・・」と思った。
家から出てすぐに軽く上る。多摩湖の周遊道路に出る。それを下る。下り初めて、妙に体に受ける風が心地よかった。特に頭に受ける風の具合が・・・
そして、気付いた。「ヘルメット忘れた・・・」あわててUターンした。全く寝ぼけているのであろうか・・・一旦家にとって返しヘルメットをかぶって出直した。
少し急いだ。集合時間の7時半には間に合った。今日のロングの行先は和田峠である。往復距離は100kmあるかないか。距離は大したことないが、和田峠は激坂で有名な峠である。上りの距離は4kmほど。ほんの少し緩むところがあるにはあるが、大半が10%を超える激坂。所々15%以上のエリアも・・・
体重70kgの貧脚ローディーにとって、激坂は大の苦手科目。和田峠に形容詞を付けるとしたら迷うことなく「地獄の」と付けるであろう。
玉川上水に沿って西へ向かって走り、途中南に方向転換し八王子方面へ・・・多摩大橋と大和田橋を渡って浅川に沿って続く遊歩道へ・・・しばらく行って水無瀬橋のところから陣馬街道に入る。そして延々陣馬街道を走る。すると、和田峠の上り口に着く。
地獄への入口・・・といったところであろうか。しかし周囲の風景は地獄とは正反対の緑あふれる穏やかな世界である。
上り始めは穏やかである。しかし、徐々に和田峠はその本当の姿を見せ始める。2kmを超えるあたりから、呼吸が乱れ始める。ペースは全く上がらない。集団がばらけ始める。私は徐々に付いていけなくなる。
「くそっ・・・斜度は厳しいままか・・・体重をちぎって投げ捨てられればいいのに・・・」汗が流れる。呼吸は蒸気機関車のそれのように激しい。
激坂攻略には程遠い走りでようやく上り終えた。ロードバイクを立てかけて、座りこんだ。汗はひっきりなしに落ちてくる。祈るように組み合わせた両手にぽたぽたと汗が沁み込んでいく。峠の頂上は雲の切れ間が見え始めていた。雨の心配どころか晴れて暑くなりそうな気配である。
激坂は辛い。それは変わらない。しかし、激坂を上り終えると、何かしらこう晴れやかな気分になる。それはだらしのない走りであっても、やはりそうである。血液が相当な勢いで体内を循環している間に浄化されたかのようである。
「なんだか・・・血が入れ替わったようである・・・」
帰りは下り基調。気温がずいぶん上がった。峠を上り終えた時はへとへとの態であったが、帰り道は不思議とそれほど疲れていなかった。
「和田峠・・・今度一人で行ってみよう・・・」そんなことを帰り道に考えていた。最も苦手な激坂・・・「地獄の」と形容詞を付けたくなる峠である。でも、きっと近いうちにまた来るであろう・・・和田峠に、一人で。
家から出てすぐに軽く上る。多摩湖の周遊道路に出る。それを下る。下り初めて、妙に体に受ける風が心地よかった。特に頭に受ける風の具合が・・・
そして、気付いた。「ヘルメット忘れた・・・」あわててUターンした。全く寝ぼけているのであろうか・・・一旦家にとって返しヘルメットをかぶって出直した。
少し急いだ。集合時間の7時半には間に合った。今日のロングの行先は和田峠である。往復距離は100kmあるかないか。距離は大したことないが、和田峠は激坂で有名な峠である。上りの距離は4kmほど。ほんの少し緩むところがあるにはあるが、大半が10%を超える激坂。所々15%以上のエリアも・・・
体重70kgの貧脚ローディーにとって、激坂は大の苦手科目。和田峠に形容詞を付けるとしたら迷うことなく「地獄の」と付けるであろう。
玉川上水に沿って西へ向かって走り、途中南に方向転換し八王子方面へ・・・多摩大橋と大和田橋を渡って浅川に沿って続く遊歩道へ・・・しばらく行って水無瀬橋のところから陣馬街道に入る。そして延々陣馬街道を走る。すると、和田峠の上り口に着く。
地獄への入口・・・といったところであろうか。しかし周囲の風景は地獄とは正反対の緑あふれる穏やかな世界である。
上り始めは穏やかである。しかし、徐々に和田峠はその本当の姿を見せ始める。2kmを超えるあたりから、呼吸が乱れ始める。ペースは全く上がらない。集団がばらけ始める。私は徐々に付いていけなくなる。
「くそっ・・・斜度は厳しいままか・・・体重をちぎって投げ捨てられればいいのに・・・」汗が流れる。呼吸は蒸気機関車のそれのように激しい。
激坂攻略には程遠い走りでようやく上り終えた。ロードバイクを立てかけて、座りこんだ。汗はひっきりなしに落ちてくる。祈るように組み合わせた両手にぽたぽたと汗が沁み込んでいく。峠の頂上は雲の切れ間が見え始めていた。雨の心配どころか晴れて暑くなりそうな気配である。
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激坂は辛い。それは変わらない。しかし、激坂を上り終えると、何かしらこう晴れやかな気分になる。それはだらしのない走りであっても、やはりそうである。血液が相当な勢いで体内を循環している間に浄化されたかのようである。
「なんだか・・・血が入れ替わったようである・・・」
帰りは下り基調。気温がずいぶん上がった。峠を上り終えた時はへとへとの態であったが、帰り道は不思議とそれほど疲れていなかった。
「和田峠・・・今度一人で行ってみよう・・・」そんなことを帰り道に考えていた。最も苦手な激坂・・・「地獄の」と形容詞を付けたくなる峠である。でも、きっと近いうちにまた来るであろう・・・和田峠に、一人で。